休日日中時間帯の都営浅草線の混雑状況(日本橋-宝町、現場調査)

記事上部注釈
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都心の東側を通る都営浅草線。メジャーなエリアとはやや離れていて、どちらかというとマイナーな存在です。一方で、羽田空港と成田空港とも直結していて、インバウンド需要が増してきた現代ではそれなりに存在感は増してきています。では、実際の状況はどうなのでしょうか。休日の昼間の混雑状況を確認しました。

都営5300系(日本橋)
写真1. 日本橋といえどもホームの端は空いている

休日昼間の都営浅草線の混雑状況まとめ

以下、長い本文に入る前に結論を示します。

・混雑率は50%にも達しておらず、ほとんどの人が座れる程度の混雑である
・8両編成のうち両端の各2両が空いていて、中央の4両は混んでいる
・エアポート快特が空いていて、三崎口-青砥(場合によって京成高砂)の系統がやや混んでいる

混雑調査の概要

今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊サイトではきちんと方法を示します(さすがー)。

弊サイトでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回は都営浅草線の都心側の目的地ともなる日本橋で混雑を確認しました。

混雑状況の分析

混雑状況の生データから細かく分析することにします。先に生データを示し、その後にデータを解析します。

都営浅草線は20分サイクルのパターンダイヤと近似できます。20分で一回りするダイヤということです。このため、上下方向ともに20分を調査対象としています。

最初に西馬込方面行きの混雑状況を示します(表2)。

表2. 休日日中時間帯の浅草線の混雑状況(日本橋→東銀座、生データ)

休日日中時間帯の浅草線の混雑状況(日本橋→東銀座、生データ)

次に、押上方面行きの混雑状況を示します(表3)。

表3. 休日日中時間帯の浅草線の混雑状況(東銀座→日本橋、生データ)

休日日中時間帯の浅草線の混雑状況(東銀座→日本橋、生データ)

いずれの方向も混雑率は50%に達していなくて、平均するとほとんどの人が座席に座れる程度の混雑です。

混雑状況の解析:種別ごとの混雑状況

見るからにエアポート快特が空いていました。そうであれば、エアポート快特とその他で混雑率が異なるはずです。実際に比較しましょう(表4)。

表4. 休日日中時間帯の浅草線の混雑状況(日本橋-東銀座、種別ごと集計)

休日日中時間帯の浅草線の混雑状況(日本橋-東銀座、種別ごと集計)

上下方向の平均をとると、エアポート快特が1段階空いています。ここから東京の地下鉄の利用状況が読み取れます。すなわち、長距離移動の人が少なく、短距離移動が多いという現実です。拠点の駅どうしの利用が多ければ、エアポート快特が他よりも混んでいるはずです。しかし、現実にはエアポート快特が空いています。

では、エアポート快特以外は混雑率は同等なのでしょうか。それも考えてみましょう。

ここでは簡単のために序列だけを考えます。

(西馬込方面行き)三崎口-青砥系統 > 羽田-北総線系統 > 西馬込-佐倉系統 > エアポート快特
(押上方面行き)三崎口-青砥系統 > 西馬込-佐倉系統 > 羽田-北総線系統 > エアポート快特

いずれも、三崎口-青砥系統が混んでいます。押上方面行きは西馬込-佐倉系統が混んでいますが、これはエアポート快特直後ということもあり、通過駅利用者がこの電車に乗るためです。エアポート快特が空いていて、三崎口発着が混んでいるという傾向だけは確実です。これは、京急線内と日本橋の移動需要が多いということを示す1つの材料です。

車両ごとの混雑傾向

西馬込方面行き、押上方面行きともに端の各2両が空いていて、真ん中の4両が混んでいる傾向にあります。特に、エアポート快特にはこの傾向が顕著です。空いている車両を狙いたければ、両端の各2両を狙いましょう。

混雑状況からダイヤを考える

現在の都営浅草線の混雑状況から考えると、現在のダイヤは適切です。エアポート快特通過駅のために都営線内普通を増発するほどでもありません。かといって、減便してエアポート快特が20分間隔、普通が10分間隔というのもあまりにも少なく、都市内移動するには不便です。

現在はこのままのダイヤで適正ですが、京急線直通がやや混んでいる点が気になります。単純な需要だけで考えるのであれば、西馬込折り返しの電車を京急線直通に振り替えるのが一番単純です。ただし、これをやると五反田方面-日本橋方面の直通電車が皆無になってしまい、五反田方面の利用者の反感を買うことが確実です。現在はこの系統は泉岳寺で泉岳寺始発の京急線と接続しています。やるのであれば、駅や車内での案内を強化して、接続列車があることを案内するくらいです(現在も案内があるのは重々承知です)。

都営浅草線が空いている理由

今回調査した区間は日本橋-東銀座です。この区間は巨視的に見ると地下鉄銀座線と並行しています。都営浅草線が空いている一方で銀座線は混んでいます。この理由は何でしょうか。

銀座線はメジャースポットを結んでいて、浅草線はそうではない。都営地下鉄のネットワーク性が弱いなどの理由はありましょう。そのほかに駅の立地があります。例えば、高島屋の日本橋店は地下鉄銀座線の駅のほうがやや近いですし、プランタン銀座は銀座駅のほうが近いです(東銀座から歩こうという人は少ないでしょう)。このような積み重ねにより、銀座線に人が集中する傾向にあります。

地下鉄はあくまでも手段であり、目的地にどれだけ近いかどうかが重要視されます。今回の調査と考察とそのようなある意味当たり前の事実を再認識できました。

都営浅草線の混雑データへのリンク

ここまで特定の駅での個人の調査という「狭くて深い」情報を提供してきました。では、都営浅草線全体の混雑状況をまとめた「広くて浅い」情報はないのでしょうか。以下のページで公的機関からの公式なデータをもとに簡単にまとめています。

都営浅草線(混雑基本データ)

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