電車の混雑の一般的な傾向

多くの通勤電車は朝ラッシュ時に混んでいます。路線ごとに傾向は異なるとは思いますが、多くの現場で調査した結果からみられる一般的な傾向をまとめました。記述は東京の通勤電車に視野を置いていますが、大阪や名古屋のような大都市圏であれば、それなりに通用します。

E233系1000番台(横浜)

写真1. 京浜東北線は首都圏でも重要とされる(横浜で撮影)

まず、クイズをやってみよう!

まず、クイズをやってみましょう!クイズを通して、通勤電車の混雑の傾向がつかめると思います。

クイズに答えたら、答え合わせがてら、以下をお読みください。

さまざまな観点での分類

E235系(新宿)

写真2. 新宿に停車中の山手線

クイズにも出題していた内容を改めておさらいします。

混雑時間帯について

一般的には朝ラッシュ時の混雑はピーク60分間で語られます。では、その60分間で混雑度合いは一定なのでしょうか。いいかえると、7:45~8:45がピーク60分間とされる路線で、7:45、8:15、8:45で混雑率は一定なのでしょうか。

答えはNoです。当然、ピーク60分間の開始時間や終了時間よりも中間の時間帯のほうが混んでいます。では、その分布は正規分布なのでしょうか。いいかえると、ピーク60分間の中間の時間帯(この場合8:15)がピークで、それから外れたら、外れたぶんだけ空くのでしょうか。つまり、8:15がピークで8:05と8:25が同じ程度の混雑なのでしょうか。

これも異なります。私が見てきた路線の多くでは、以下の傾向にありました。それは、「ピーク60分間の中で本当のピークは後半にあり、その本当のピークを過ぎると急に空いてくる」というものです。先ほどの7:45~8:45がピーク60分間とされる路線であれば、8:25~8:30ごろに最ピークがあり、この時間を過ぎると急に空いてくるということです。

これは、早い時間帯に出社することは各個人の努力で可能ですが、遅い時間に出社することは勤務先の理解が必要なためです。学校にしろ、職場にしろ、出社時間(登校時間)の直前に多くの人がやってくる光景は当たり前のものです。通勤電車はその集合体ですから、多くの職場や学校の時間を過ぎると空いてくるのです。

混雑する列車種別について

小田急1000形(新百合ヶ丘)

写真3. 快速急行が走る小田急線

通勤路線の多くは急行と各駅停車のように、多くの種別が運転されています。では、種別ごとの混雑状況はどうでしょうか。多くの路線では種別によって混雑率が異なります。

一般的には速い種別ほど混んでいて、遅い種別のほうが空いています。例えば、西武池袋線や小田急線は快速急行が混んでいて、各駅停車が空いています。とはいえ、全ての路線がそのような傾向ということでもありません。京葉線は通勤快速よりも各駅停車のほうが混んでいますし、総武線(快速)は快速(停車駅が多い)よりも通勤快速(停車駅が少ない)が空いています。

速達列車は近距離で停車駅が少なく、遠距離利用が多いです。一方、各駅停車(普通)は遠距離からの利用が便利です。沿線の都市構造で近距離利用のウェイトが高いか、遠距離利用のウェイトが高いかで速達列車のほうが利用されるか否かが決まるのです。

多くの路線でダイヤに余裕のある速達列車をあえて混雑させ、ダイヤに余裕のない各駅停車を空かせているという傾向があるようには読み取れます。

車両による混雑の違い

通勤路線では6両以上の列車で運転されていることが多いです。路線によっては15両もの編成で運転されています。では、その全車両が同じように混んでいるのでしょうか。実際は車両によって混雑が異なります

多くの人は中間付近の車両が混んでいるというイメージをお持ちかもしれません。しかし、そのようなことはなく、端の車両が混んでいる路線も多いです。例えば、西武池袋線は池袋よりの車両が混んでいます。これは、池袋の改札が端に偏っているためです。このように、都心のターミナル駅に便利な車両が混む傾向にあります。

とはいえ、種別によって混む車両が異なる路線もあります。例えば、京急線では特急は中央よりの車両が、快特では前よりの車両が混みます。このように、混む車両といっても、路線によってさまざまなのです。

直通運転について

写真4. 直通運転の例(京成曳舟で撮影)

近年、首都圏の路線では「直通運転」が拡大しています。直近の直通運転といえば、埼京線と相鉄線の直通運転でしょう。その相鉄線は東急線と直通運転する計画もあります。

さて、どうして直通運転が拡大しているのでしょうか。一言でいえば、直通運転することで便利になるためです。都心部の構造は複雑になっており、多くの場所に乗り換えなしで向かいたいというニーズがあります。また、鉄道側としては都心のターミナル駅での折り返しを省略して、そのぶんの土地を商業施設などに有効活用したいという意図もあります。

では、直通運転することによるメリットは何でしょうか。一般的には以下の3点が該当するように思えます。

1) ターミナル駅での乗り換えがなくなり、ターミナル駅の混雑が緩和する

2) 従来乗り換えが必要だった2つの場所が直結されることで、沿線価値が向上したり、活性化する
※地下鉄副都心線関連が直通することで、東武東上線沿線や西武池袋線沿線から横浜に行く人が増えたという実例もあります。

3) 隠れたメリットとして、混雑する車両が分散するということもあります。
※直通運転していないとターミナル駅での乗り換えが便利な車両が混む傾向にありますが、直通運転すると、便利な車両が分散化します。すると、特定の車両が混むという現象が生じにくくなります。地下鉄有楽町線の混雑が比較的分散しているのはこの効果がありましょう。

とはいえ、ものごとには良い面や悪い面があり、直通運転にしても例外ではありません。直通運転には以下のデメリットがあるとされています。

1) ターミナル駅での着席可能性がなくなる
※直通運転すると、従来のターミナル駅を始発とする列車の数が大幅に現象することが多いです。始発があると待てば座れますが、始発がないとそうはいきません。
ただし、本数や両数が変わらないのであれば、供給座席数は変わらず、全体の着席チャンスは変わらない点には注意する必要があります。

2) ダイヤが乱れる可能性が高くなる
※直通運転すると、今まで関係なかった路線のダイヤ乱れに巻き込まれるリスクが高まります。

直通運転によって、本数が増えて混雑が緩和するというメリットが語られることがありますが、これは厳密には「直通運転そのもの」の効果ではなく、「直通運転することによって、都心のターミナル駅での折り返しが大幅に軽減される」ことによる効果です。

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