名鉄の特別車(展望席)の試乗(18年秋と20年秋、車内、予約方法、車窓を収録)

記事上部注釈
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名古屋で一番の私鉄、それは名古屋鉄道です。その名古屋鉄道で象徴的なものが特急でしょう。その特急でも目立つ存在が展望車です。その展望車に乗ってみました。

※2020年11月23日:座席指定方法と犬山→名鉄名古屋の車窓を加筆

名鉄特急の概要

名鉄の特急についておさらいしましょう。

名鉄特急ネットワーク

図1. 名鉄ネットワーク(wikipediaから引用)

名鉄特急のメインルートは豊橋-岐阜です。サブルートとして、中部国際空港-犬山(実際には新鵜沼)があります。メインルートは毎時4本、サブルートは毎時2本の運転です。ただし、実際の運行形態はもう少し複雑で、中部国際空港発着の系統は犬山に向かわずに岐阜に向かい、犬山と結ばれているのは豊橋です。実際の流動は名古屋に向かっているので、名古屋よりも向こう側でどこに向かおうが関係ありません。また、上下方向ともに豊橋-新鵜沼の系統から中部国際空港-岐阜の系統に乗り継げます。しかし、逆への乗り継ぎはできません。

この他に名古屋-知多半島方面の系統も毎時2本運転されています。末端区間では2つの系統にわかれます。なお、分岐点である冨貴で接続をとっています。

多くの特急が特別車と一般車を連結しています。特別車は座席が指定で別料金のμチケットが必要です。その他の車両は運賃のみで利用できます。平日日中の名古屋-冨貴方面の特急は全車一般車の電車もあります。

パノラマスーパーの新塗装と旧塗装

写真1. パノラマスーパー(1000系)

名鉄1700系特急(名古屋)

写真2. 汎用特急車(1700系)

車両は大まかには2種類です。パノラマスーパー(写真1)と汎用車(写真2)です。

パノラマスーパーの内装を見る

私が乗ったのはリニューアル車でした。その車内を簡単に紹介しましょう。

展望席への階段

写真3. 展望室への階段

展望室は上段にあります。小田急のロマンスカーよりも展望に優れていそうですね(写真3)。

展望席の座席配列

写真4. 展望室の座席配列(20席)

展望室の座席配列です(写真4)。小田急のロマンスカーよりも展望席が多いですね(小田急の展望席は16席です)。

名鉄パノラマスーパーの座席

写真5. パノラマスーパーの座席

パノラマスーパーの座席です(写真5)。背もたれが低く、後方の席からも前方を眺めることができます。

名鉄パノラマスーパーの展望席

写真6. 展望室から眺める

このように1枚の大きな窓から前面を眺めることができます。展望車は豊橋寄りに付いていますので、豊橋行きや河和行き、内海行きの展望車に乗るとよいでしょう(反対方向だと後面展望になってしまいます)。

名鉄特別車の予約方法

2020年に名鉄の特別車に乗る際にはインターネットで座席を予約することができました。もちろん、座席の位置を自らで選択することも可能ですし、余計な手数料もかかりません。以下の画面はパソコン用のものですが、実際には携帯電話でも可能ですし、私もそうしました。

1) 名鉄の予約ページを開く

図2. μチケット予約ページを開く

まず、名鉄のμチケット予約ページを開きます(図2)。ここでは会員以外を選択していますが、会員の人は会員をご選択ください。

2) 乗車列車選択画面に移る

図3. 列車選択画面に移る

列車選択画面に移ります(図3)。ここから検索→列車選択→座席選択→支払方法選択の段階を経て座席を予約します。

3) 乗車条件の入力

図4. 乗車日などを入力

乗車日などを入力します(図4)。ここではこのような日時や区間を入力しましたが、あなたのスケジュールに合わせて日時や区間を入力してください。ここで、名古屋、一宮、岐阜などは名鉄を付ける必要があることにご注意ください(名鉄名古屋などのように入力する必要があるということです)。

最後に、「条件に合う列車を検索」をクリックします。

4) 列車の選択

図5. 列車の選択

希望に合う列車を選択します(図5)。展望席に座りたい場合は、展望席ありという列車を選択してください。そうでないと、展望席に座れません。

5) 座席の選択

図6. 座席の選択方法を選ぶ

座席の選択方法を選びます(図6)。大きなこだわりがない場合は、「どの席でも良い」を選択しますが、展望席の良い場所を選びたい人は「座席表から選ぶ」を選択しましょう。

6) 座席を選ぶ

図7. 座席選択画面

座席を選ぶ画面です(図7)。1号車、2号車の特別車から希望の席を選びます。1号車の1A~1Dが前面展望を味わえる特別な座席です。1号車6番以降の席と2号車は(展望席ではない)特別席です。

7) 座席を選択した後の画面

図8. 座席を選択した後の画面

座席を選択した後の画面です(図8)。ここでは1Aを選択していますが、1Aを選択したことがわかると思います。

8) 座席の確保

図9. 座席の確保

座席の確保です(図9)。先ほどの画面の下のほうに「座席を確保」とありますので、そちらをクリックします。

9) 個人情報の入力

図10. 個人情報の入力画面

個人情報の入力画面です(図10)。多くの通販サイトと同様に、氏名、クレジットカードの番号などを入力します。

10) 確認メールが届く

図11. 確認メールの様子

確認メールが届きます(図11)。確認メールを車掌さんに見せれば、特に問題ありません。このようにして、チケットレス社会が実現するのです。

展望車に乗って:名古屋から豊橋まで(18年)

図2. 今回乗車した経路(googleマップから引用)

さて、実際に乗ってみましょう。私は休日の午前中に名古屋から豊橋まで乗りました。私は3列目の席を指定されましたが、1列目は最後まで空席でした。それなら、最前列を売りましょうよ。

写真7. 地下線から地上に上がる

名鉄名古屋は地下駅です。しかし、すぐに地上に上がります(写真7)。ここから神宮前まではJRと並走します。途中の金山は総合駅として乗りかえも簡単です。

写真8. 神宮前の手前、JRの熱田を横目に過ぎる

名鉄の金山と神宮前の間は1駅で、間に名鉄の駅はありません。しかし、JRはその間に熱田があります。通常は駅間が長いJR、駅間が短い名鉄という構図ですが、この区間では逆転しています。JRの熱田は拠点性はありませんが、名鉄の神宮前は拠点性があります。その証拠に、JRの熱田は普通のみの停車ですが、名鉄の神宮前は全列車停車です。神宮前という駅名は熱田神宮からとっています。熱田神宮へは名鉄の神宮前のほうが近いですね。

写真9. 名古屋市郊外の区間

神宮前を出ると、意外とカーブが続きます。また、勾配がおおく、古くからの市街地を丹念に結ぼうとした様子がみられます(写真7)。

写真10. 高架になった鳴海

そのような中、高架になった鳴海は目立ちます(写真10)。ここは急行停車駅です。鳴海の利用客はそれなりに多いですが、特急は停車しません。近距離利用者は急行や普通を利用して欲しいという意図です。

写真11. 郊外の住宅街が続く

鳴海を出ても住宅街が続きます(写真11)。

写真12. 濃尾平野の田園を行く

知立付近からは田園風景が目立ちます(写真12)。名古屋から25km離れていますので、だいぶ都心から離れています。

写真13. 濃尾平野の田園を行く

新安城を過ぎてもやはり田園風景が広がります。安城市のとなりは岡崎市です。その間は田園風景です。

写真14. 岡崎が近づいてきた(矢作川を渡る)

その岡崎が近づいてきました。矢作川を渡ります(写真14)。38万人都市ということもあり、市街地は立派に見えます。

写真15. 愛知環状鉄道と交差する

愛知環状鉄道と交差します(写真15)。愛知環状鉄道の駅は中岡崎、名鉄の駅は岡崎公園前です。岡崎公園前には普通しか停車しません。愛知環状鉄道は豊田に直結していますが、豊田への流動はそこまで大きくないのかもしれません。

写真16. 乙川を渡る

矢作川の支流の乙川を渡ります(写真16)。岡崎の中心駅の東岡崎へはもうすぐです。

写真17. まもなく東岡崎

東岡崎です(写真17)。東岡崎は古い駅ですね。googleマップのクチコミによると、「駅が古い、どうにかしろ(私による雑な要約)」という意見がありました。それももっともですね。

写真18. 東岡崎を過ぎると家が減る

東岡崎を過ぎると、明らかに民家が減ります(写真18)。事実、普通も1時間に2本しかありません(東岡崎以西は1時間に4本)。それだけ人の流れも減るのですね。

写真19. 丘陵地帯を走る

丘陵地帯もあります(写真19)。このあたりは旧東海道沿いです。その証拠に、国道1号線もありました。

写真20. 長い直線区間がある

写真21. 長い直線区間

丘陵地帯を抜けると長い直線区間です。途中の国府は通過です。国府での乗りつぎのダイヤはもう少し工夫すべきです。これでは外野からああだこうだと言われてしまいます。

写真22. 伊奈を過ぎて線路が分かれる

名鉄最後の駅の伊奈を過ぎると、飯田線と合流するために線路がわかれます。商売敵のJRと線路を共用するのも変な話ですが、線路を共用すると決めた時代は、飯田線は国鉄ではありませんでした。その後、飯田線が国鉄の1路線となって、商売敵と線路を共有することになってしまったのです。名鉄も自己負担で専用の線路を敷くとは言い出せんのでしょうか。

写真23. 飯田線の単線と並走する

このように線路を共有しています。一部の鉄道ファンは飯田線の線路に名鉄が乗り入れていると嘘を言っていますが、騙されてないようにしましょう。正確には、名鉄が上り線を所有し、JRが飯田線の下り線を所有し、お互いに線路を共有しています。この区間の信号、無線がJR様式なのでそのような誤解がまかり通るのでしょう。

犬山線の前面展望

20年秋に犬山線の前面展望も満喫しました。

名鉄1000系(犬山)

写真24. 犬山にやってきたパノラマスーパー

犬山にパノラマスーパーがやってきました(写真24)。パノラマスーパーはリニューアルされましたが、展望席は健在です。

写真25. 展望席に座る

展望席に座ります(写真25)。目の前にテーブルがあります。その前に空間がありますが、この下には運転席があります。

写真26. 小牧線とわかれる

小牧線とわかれます(写真26)。小牧線が直線、犬山線がカーブというのが不思議ですね。

写真27. 木津用水を通過

木津用水を通過します(写真27)。

写真28. 扶桑を通過!

扶桑を通過します(写真28)。ここでは通過待ちはできますが、特急や快速特急はとまりません。

写真29. 柏森に停車!

柏森に停車します(写真29)。昔は柏森に特急はとまりませんでしたが、今はとまります。江南より利用は少ないものの、それなりに利用が多いので、特急停車駅に選ばれたのでしょう。

写真30. 柏森に停車中

柏森に停車中です(写真30)。古い民家が多い印象を受けます。

写真31. 快特とすれ違う

快特とすれ違います(写真31)。豊橋行きは特急ですが、新鵜沼行きは快特です。犬山線内では両者に停車駅に違いはありません。両者は名古屋から先の豊橋方面で停車駅に違いがあります。逆に、岐阜発豊橋行きは快特、豊橋行き岐阜行きは特急であり、全体としては辻褄が合っています。金山や名古屋で乗客が入れ替わるので、それぞれの区間の辻褄が合っていれば問題ないのです。

写真32. 江南に停車!

柏森を出ると、続けて江南にとまります(写真32)。江南は昔からの特急停車駅です。江南市は犬山市よりも人口が多く、駅周辺も建物が多く建っています。

写真33. 布袋を通過!

江南を出ると、また速度を出します。布袋は通過線がありますが、布袋には特急はとまりません(写真33)。特急停車駅で緩急結合ができないのはマイナスですが、布袋で通過待ちをしても江南ではそこまで待つことはないでしょう。

写真34. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真34)。名鉄犬山線はそれなりにカーブが多く、そこまでスピードが上がりません。

写真35. まもなく岩倉

カーブを曲がります(写真35)。市街地に入った感じがあります。

写真36. 岩倉に停車!

岩倉に停車です(写真36)。日中時間帯でも岩倉まで地下鉄直通電車がやってきます。岩倉は犬山線の拠点駅の1つです。

写真37. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真37)。

写真38. 西春を通過!

西春を通過します(写真38)。ここは2面4線で急行も停車しますが、特急はとまりません。特急は岩倉から名古屋までノンストップです。西春は北名古屋市に位置します。北名古屋市という自治体名は批判がありました。「西春という名称を捨てるのか」と。でも、西春という名称も西春日井郡からとったものですから、そう由緒ある名称ではありません。

写真39. 上小田井に近づく

西春の次は上小田井です。家々が増えてきました(写真39)。それもそうです。名古屋市に入ったのです。

写真40. 地下鉄鶴舞線が分岐する

地下鉄鶴舞線が分岐します(写真40)。地下鉄鶴舞線と名鉄犬山線は直通運転をしています。

写真41. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真41)。この付近もスピードが出ます。

写真42. 快特とすれ違う

快特とすれ違います(写真42)。このあたりから速度が落ちます。枇杷島分岐点にさしかかり、急カーブで名古屋本線と合流するのです。

写真43. 急カーブを曲がる

急カーブを曲がります(写真43)。ここで名古屋本線と合流します。

図13. 枇杷島分岐点付近の地図(googleマップより引用)

枇杷島分岐点の地図を示します(図13)。ここで犬山線と名古屋本線が合流します。逆にいうと、ここ枇杷島分岐点が犬山線の起点です。

写真44. 庄内川を渡る

庄内川を渡ります(写真44)。名古屋本線の列車と犬山線の列車の双方が通るので、非常に列車密度も高いです。すれ違う列車は中部国際空港から名鉄岐阜への列車です。

写真45. カーブを曲がる

カーブを曲がります(写真45)。このあたりはカーブが多く、速度も上がりません。

写真46. 名古屋の市街地が見える

名古屋の市街地が遠くに見えます(写真46)。栄生付近の光景です。栄生は「さこう」と読みます。

写真47. 栄生を通過!

栄生を通過します(写真47)。この次は名鉄名古屋です。栄生は急行停車駅ですが、快速急行はとまりません。

写真48. 地下に入る

名鉄名古屋は地下駅です。このためにトンネルに入ります(写真48)。

名鉄特急の展望車に乗って

名鉄特急の展望車に乗ってみました。事前に予約すれば必ず展望席に座れるように思えます。全ての特別車に展望車が連結されていませんが、それなりに本数も多く、「いつでも乗れる」展望車であることは大きな魅力です。また、リニューアルがなされ、もうしばらくは展望車が残るのも事実でしょう。

沿線風景に絶景といえるものはないように思えます。とはいえ、展望席で移動することはある意味「非日常」であり、「プレミアム」な時間となります。

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