名鉄豊川線の実態(18年秋)

名鉄の路線網の東側を見ると、小さな支線があります。国府から豊川稲荷までの豊川線です。ラッシュ時には特急が乗り入れ、終日急行が運転されています。それほど重要な路線なのでしょうか。実際に乗ってみて実態を探ってみました。



名鉄豊川線の概要
名鉄豊川線の概要を復習しましょう。

・区間:国府-豊川稲荷
・距離:7.2km
・途中駅:3駅(国府と豊川稲荷を除く)
・路線形態:全線電化、単線

実際に乗ってみる

名鉄3500系(国府)

写真1. 国府に入線する準急

私は前行程の都合上、豊橋方面からやってきました。やってきたのは名古屋方面からの準急です。東岡崎までは急行、東岡崎からは準急として運転しています。この電車は鳴海で特急の待ち合わせをしています。

国府で4分間停車してから発車しました。最初の1駅間は田園風景といった風情のところもありますが、八幡(「やわた」と読みます)からは市街地の中を走ります。国府も含めて豊川市内で完結しているのです。

写真2. 道中の車窓

市街地をゆっくり進みます。このような一般的な市街地を走ります(写真2)。

写真3. 道中の車窓

やはり市街地を走ります(写真3)。

写真4. 豊川稲荷に着いた電車

豊川稲荷に着きました(写真4)。6両編成の電車は終始ガラ空きでした。その証拠に、線内で完結する普通は2両でした。

名鉄豊川稲荷駅

写真5. こじんまりとした豊川稲荷駅(名鉄駅)

豊川稲荷の駅そのものは、こじんまりとしています(写真5)。駅入口からホームまではすぐにたどり着けます。

JR豊川駅

写真6. 仰々しい豊川駅(JR駅)

その名鉄の駅のすぐ近くにJRの駅もあります。飯田線の豊川駅です。立派な橋上駅舎ですが、ホームまでの距離は長いです。なお、豊川稲荷そのものにはJRの駅のほうがやや近いです(図1)。

図1. 豊川稲荷の位置(私は行っていません…)

豊川線の実態を考える

豊川線はそこまで需要が大きい路線とは考えにくいです。その証拠に、線内完結の電車は2両編成、私が乗車した準急は6両編成でガラ空きでした。豊川稲荷駅の乗車人員は2500人前後、18時間で割ると1時間あたり150人にも達しません。4両編成の座席定員程度ということです。現在は毎時2本の急行が直通していますから、平均すると急行1本あたりの乗客数は75人に過ぎません。

そのようなことから、豊川稲荷発着の急行が豊川線の需要を見越して設定したものとは考えにくいです。名古屋本線の伊奈-豊橋の本数は制限されています。そのため、毎時4本の急行の半数は伊奈までしか行けません。それであれば、豊川稲荷に向けたほうが得策というものでしょう。いくら需要が少ないとはいっても、豊川から岡崎や名古屋に向かうには、名鉄利用のほうが所要時間も短く、安いのです。列車折り返しと需要創出(維持)を兼ねて豊川稲荷に急行を差し向けると理解できます。

日中ダイヤの概要を考える

では、その豊川稲荷と岡崎や名古屋との連絡ダイヤはどのようなものでしょうか。平日の日中時間帯をモデルに考えてみましょう。そして改善案を考えてみましょう。

現在の連絡ダイヤの概要

最初に現状把握です。まずは名古屋から豊川稲荷までの連絡時刻表です(表1)。

表1. 名古屋から豊川稲荷への連絡時刻表

名古屋→豊川稲荷の連絡時刻表

・区間運転する普通に連絡するのは、豊橋発着の急行
・直通する急行、豊橋発着の急行ともに、名古屋から東岡崎まで特急や快特を利用すると所要時間は若干短縮

所要時間は長いですが、全ての電車が有効列車として機能しています。

表2. 豊川稲荷から名古屋への連絡時刻表

豊川稲荷→名古屋の連絡時刻表

・区間運転する普通は特急に連絡
・直通する急行は、東岡崎と名古屋の間で特急に抜かれる

区間運転する普通が特急に連絡していることは、所要時間短縮に効果がありますが、そのせいで名古屋への有効列車が30分間隔になってしまっています。

ダイヤ改善案を考える

それでは、理想的なダイヤを考えてみましょう。国府に特急に停車するのは豊川線連絡が1つの目的でしょうから、特急と豊川線普通が連絡することが理にかなっています。つまり、名古屋方面のダイヤはその点理想的ということです。名古屋方面行きのダイヤ上の問題は、直通急行と快特のチャンネルがないために、特急に追いつかれてしまうことです。逆にいうと、直通急行と快特のチャンネルがあれば良いということになります。名古屋方面への直通急行を東岡崎で待ち合わせする形態にすれば良いということになります。現在の名古屋方面への直通急行は国府で6分も停車しています。これをすぐの発車にして東岡崎まで逃げ切るダイヤとするのです。このようにすれば、有効本数が毎時4本となり、所要時間も最短57分となります。

豊川稲荷方面行きも同様の運行形態とすれば、所要時間60分程度で毎時4本の利用可能になります。現在、国府での乗りつぎが不便なために直接自動車で国府までアクセスする利用が多いと聞きます。もしも豊川稲荷からの利用が便利であれば、豊川線の利用が増えてわずかながらの増収も期待できます。せっかく細かな路線網があるのですから、その路線網を集客の道具に利用しないともったいないです。


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