E353系新型のスーパーあずさの乗車記(18年秋、混雑は?将来は?)

全てが新型になったスーパーあずさ(執筆時点ではあずさやかいじは置き換わっていません)。新型フィーバーが終わった普通の3連休に普通の姿を探りました。乗り心地はどうなのでしょうか。そして、3連休初日の混雑はどうなのでしょうか。実際に乗って確認しました。また、今後の方向性についても考えました。


長蛇の列ができる自由席

この日は朝に乗ることを決意しました。そのため、直前に手配しました。手配したところ、指定席は軒並み満席。この日は山梨市-春日居町の踏切事故の影響でダイヤが乱れており、運休列車が発生していたのも指定席満席になった原因でしょう。それよりもその大きな原因になったのは、3連休の初日であるためです。

E257系あずさ(新宿)

写真1. 先発のあずさ

発車案内(新宿)

写真2. 新宿の発車案内

私が新宿についた時には11:00発のあずさ13号が発車を待っていました。この時、すでに11:30を過ぎていましたが、列車はまだ発車していませんでした。そのあずさ号の自由席は満席でした。そのため、12:00発の特急に乗ろうと並んでいました。私が並んだ時点では大して乗客はいませんでしたが、どんどん列は増えていきました。

中央線快速E233系(新宿)

写真3. 列車到着直前にはこんなに並んでいる

最終的には、隣の車両自由席待ちの行列が私の乗る車両近くまでに迫っていました(写真3)。逆にいうと、直前の列車が発車した直後であれば列のほぼ先頭に並べて、座れるということです。結果的には、新宿発車時点では立ちはほとんどいませんでした。というより、11:30発のかいじ号はさりげなく運休ですね。その後の14:00発のあずさ号も運休になっていました。もう少し運用を考えて欲しいものです。

E353系スーパーあずさ号(新宿)

写真4. ようやく姿が登場したE353系

12:03ごろ(この時点で発車時刻よりも3分遅れ!)にようやく姿のお出ましです(写真4)。結局、19分遅れで発車しました。

新型車両の車内を探索する

気を取り直して、新型の車内を探索しましょう。といっても、満員なのでそこまでの探検はしていませんが…。

E353系車内:デッキ部分

写真5. デッキ部分

さすが2010年代の車両です。デッキ部分は意匠がこらされているというほどでもありませんが、すっきりしていて清潔なものです(写真5)。

E353系車内:車内全景

写真6. 車内全景

さて、車内全景です(写真6)。寒色系の座席が良いアクセントになっていますね。先輩の183系電車(最後まで残ったのは国鉄色でした)、E351系電車ともどもあずさのイメージカラーは紫系の色ですね。

E353系車内:座席枕

写真7. 座席枕部分

座席の枕は上下に動せます(写真7)。各自の頭の高さに応じて高さを調節してね、ということです。ただし、周囲にそのようなことをしている人は見かけませんでした…。

E353系車内:座席上部

写真8. 荷棚のほうを眺める

目を上に向けましょう。ランプのようなものがあります(写真8)。これは予約済かそうではないかを示すものです。ただし、まだ稼働していません。ランプの色で示すのではなく、予約区間を示す方ほうがわかりやすいと思います(写真9)。

レイルジェットの車内

写真9. 予約区間を示す例(オーストリアのレイルジェットで撮影)

E353系車内:座席下

写真10. 座席下を眺める

さて、座席下を眺めてみましょう。さすがに足のせまではありませんが、2010年代の車両らしく電源が完備されています(写真10)。でも、向かい合ったら電源は使えませんね。向かい合わせにしたら電気を使う機械ではなく、自らの化学エネルギーでしゃべるなり何なりをするので良いという判断でしょうね。

E353系車内:トイレ周辺

写真11. トイレ周辺

トイレ周辺の光景です。ここも清潔感のある車内ですね(写真11)。

E353系車内:トイレ

写真12. E353系のトイレ

E353系車内:トイレ

写真13. E353系のトイレ

E353系車内:トイレ

写真14. E353系のトイレ

トイレも清潔感があります(写真12-14)。これであれば、化粧室という表現も合います。

スーパーあずさの車窓を楽しむ

さて、実際の景色を楽しみましょう。

写真15. 新宿を発車

新宿を発車します。このあたりはビルが多いですね(写真15)。私は進行方向左側に席を取りましたので、これは新宿の西側の光景ですね。つまり、歌舞伎町ではないほうです。

写真16. 東西線の車両と並走!

新宿から三鷹までは複々線です。そのため、別の線路を走る電車と並走します。ここでは東西線からの電車と並走しました(写真16)。

写真17. 三鷹で追い抜く

なかなか速度が上がりません。前の快速が詰まっているためでしょう。その快速は三鷹でこの特急を待っていました(写真17)。新宿から三鷹までの停車駅の差は3駅。平日だと6駅です。平日では特急の速度が上がらなさそうですね。中央線の輸送形態を総合的に考える必要はありますが、特急のスピードアップだけを考えると、平日の快速も休日の快速と同等の停車駅にしたほうが良さそうです。

写真18. 多摩川を渡る

立川を出ると多摩川を渡ります(写真18)。このあたりの多摩川はのんびりとした雰囲気です。

写真19. 高尾を過ぎて山間部に入った

立川、八王子と停車する間に若干の乗客を乗せて立ちが発生した状態で走ります。外に目を向けると、いよいよ山岳区間に入ります。高尾までは山岳区間という印象はありませんが、曲線や勾配があり、山岳区間の助走です。その高尾を過ぎると本格的な山岳区間に入ります(写真19)。

写真20. 鳥沢付近の鉄橋から下を眺める

このような山岳区間が続きます。そこでの白眉が鳥沢付近の鉄橋でしょう。高い場所から眺めることができます(写真20)。

写真21. 大月を過ぎると川が出てきた

山岳区間でも川はあります。というより、川の源流は山にあります(写真21)。

写真22. 甲府盆地をみおろす

勝沼ぶどう郷付近からは甲府盆地をみおろすことができます(写真22)。ここも中央線の旅の白眉といえましょう。

写真23. 酒折付近で一時停車(甲府駅が満線だった)

甲府の中心に近づく前に一時停止しました(写真23)。この日はダイヤが乱れており、甲府駅が満線のためにここで一時停止したとのことです。甲府は3線(中線含めれば4線)しかありませんので、ダイヤ乱れの際はネックかもしれません。甲府の裏手には土地があるので、もう少し設備をアップグレードして欲しいですね。

写真24. 甲府で身延線の車両に出会う

甲府では身延線の車両に出会えました(写真24)。身延線の幕車ということですから、ボックス配置の3000番台ですね。

写真25. 甲府を過ぎて川を渡る

甲府では乗客が降り、立客がいなくなったどころか、空席も発生しました。甲府を過ぎて川を渡ります(写真25)。日本は川が多い国です。

写真26. 高原らしい風情

韮崎を過ぎたあたりからは、景色が一変します。今までは山と山の間を縫うように通ってきたのが、高原に達した感覚です(写真26)。

写真27. ここも高原らしい風情

このような景色はまだ続きます(写真27)。

写真28. 鉄橋から眺める

突然、鉄橋を渡ります(写真28)。鳥沢付近のような展望(写真19を参照)が開けます。

写真29. 飯田線の車両と出会う(上諏訪)

上諏訪はこのあたりでも主要な駅です。飯田線の車両と出会います(写真29)。2両編成で2ドアの車両ですので、飯田線には適している車両かもしれません。

写真30. 諏訪湖は意外と見えない(これも拡大して何とか撮影)

上諏訪と岡谷の間は諏訪湖の北側を通りますが、意外と諏訪湖は見えません。岡谷手前の高架橋で何とか撮影できました(写真30)。

写真31. もうそろそろ塩尻

岡谷(この列車は通過です)をすぎれば、もう塩尻まですぐです。岡谷と塩尻の間にみどり湖という駅がありますが、みどり湖は確認できませんでした。線路から少し離れた場所にあるようです。

図1. みどり湖と線路の位置関係

このようにして、50分くらい遅れて塩尻に着きました。

今後のあずさ号の方向性は?

さて、今後のあずさ号(やかいじ号)の方向性はどのようなものなのでしょうか。ダイヤ面と営業政策の双方から考えてみました。

ダイヤ面から考える

現在、E257系がE353系に置き換わろうとしています。これは車両性能的には高速運転できる車両に統一できることを示しています。曲線通過速度が向上しているためです。現在のスーパーあずさ号の最速は2時間25分(スーパーあずさ14号)です。一方、あずさ号は2時間45分ほどかかっています(いずれも新宿-松本)。これは停車駅の差もありますから、車両統一でここまで速達化することはないでしょう。では、現実にはどの程度になるのでしょうか。

新宿-甲府間のあずさ号の所要時間は1時間29分程度です。一方、スーパーあずさは最短1時間23分です(いずれも八王子のみ停車)。ここから考えると、6分ほど短縮できます。また、小淵沢-松本のスーパーあずさ33号の所要時間は43分、あずさ21号の所要時間は46分です。この2つの列車の停車駅は同じですから、同じ停車駅でも3分短縮できるということです。甲府-小淵沢の所要時間はスーパーあずさ6号で25分、通常のあずさ号で26分です(いずれも韮崎停車)。

以上から新宿-松本でおおよそ10分の短縮が見込まれます。現在2時間45分程度の列車が2時間35分程度まで短縮されるということです。10分の短縮では大したことはないかもしれませんが、それでも競争力が増す以上やらない手はないでしょう。

営業政策:自由席の廃止?

自由席の廃止も噂されています。その理由の1つが座席ランプの取り付けです。中央ヨーロッパの列車のように、「事前に指定されていたら指定席、そうでなければ自由に座ってOK」というシステムです。ただし、中央ヨーロッパと異なることは、座席をあらかじめ指定していても、指定していなくとも料金が同じであることです(中央ヨーロッパは座席指定料金がかかります)。常磐線と同様のシステムを採用するでしょうから、座席未指定でも料金が同じことが予想されます。これは言いかえると、自由席の実質的な値上げです。本来であれば、座席未指定の場合は自由席料金と同額、指定した場合は指定席料金と同額とし、座席指定区間を表示すれば、現行ユーザーにとって不利益がありません。そのほうが空席を活用できますからより良いでしょう。

これはこれで合理的なシステム(現在は指定席の空席があっても座れないため、無駄な空席が発生しています)で評価できますが、細かな配慮が足らないように感じます。制度変更があると有利になる人や不利になる人がどうしても発生してしまいます。それでも制度変更に伴う不利益が極力発生しないようにしてもらいたいものです。


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