名古屋地区中央線の混雑状況(休日夕方、大曽根-新守山、現場調査)

記事上部注釈
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名古屋の各路線の中で目立たないものの、利用の多い中央線。その証拠に、名鉄や東海道線にはない10両編成が存在します。では、実際の混雑はどのようなものでしょうか。休日の夕方に実際に調査してみました。
211系5000番台快速(大曽根)

写真1. 主力211系5000番台による快速

中央線の混雑状況

長い本文を読みたくないという人もいることでしょう。そのため、結論を簡単に記します。

・座れるか快適に立てる程度の混雑
・8両編成、10両編成の端部は空いている
・高蔵寺発着は空いている

混雑調査の概要

どのような指標を導入したのか、そしてどこで調査したのかの概要をまとめます。

混雑ポイントについて

弊サイトでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。
※この写真は別件の混雑調査の際に撮影したものです。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真2と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

調査区間の選定

(名古屋地区の)中央線の起点は名古屋です。では、その名古屋で乗客がおおかた乗るのか、というと違います。中央線は名古屋から金山、千種と中心街の外周を回ります。そして、名古屋の郊外に向けて走行します。そのため、最混雑区間は名古屋から離れた場所であると想定できます。都心側最後の駅が大曽根(地下鉄に接続)ということができ、最混雑区間が大曽根-新守山と推定できます。大まかにわければ、名古屋-大曽根が地下鉄的に利用する区間、大曽根以北が郊外電車ということです。そのような背景から、大曽根-新守山で調査しました。

実際の混雑状況

実際の混雑状況を示します(表2-3)。ここでは主となる流動(都心から郊外)だけではなく、逆方向(郊外から都心)の流動についても示しています。

表3. 大曽根→新守山の混雑状況

18.10 大曽根→新守山

表4. 新守山→大曽根の混雑状況

18.10 新守山→大曽根

逆ラッシュの方向はとても空いていることがわかります。

混雑状況の分析

6両編成から10両編成までさまざまな組成の列車がありますので、10両編成しか停車しないであろう、編成端部の混雑はゆるい傾向にあります。その他にわかることは以下の通りです。

・高蔵寺行きは空いている
→多治見行きの混雑の差から、ある程度多治見の利用があることがここからわかります(定光寺、古虎渓の利用者は少ないです)。
・快速と普通の混雑の差はあまりない
→快速の停車駅が比較的多いことがその要因でしょう。また、快速と普通の待ち合わせがないこともその要因です。
・混雑する列車が10両編成というわけではない
→車両運用の都合で編成両数を決めていると思いますが、混雑する快速に8両編成を、空いている高蔵寺発着に6両編成を使うことが良いでしょう。

ここまで長々と分析しましたが、いずれも着席できるか、ラクに立てるというレベルです。理想的な混雑状況がすでに実現していることがわかります。東京の鉄道に慣れている自分からすると羨ましく思います。

コラム 車両の使い分けは?

中央線には大まかに言って3種類の車両があります。

211系5000番台(大曽根)

写真5. 主力車両211系5000番台

最も多いのが211系5000番台です(写真5)。人によっては5000番台の中で区別する人もいることでしょう。そのような細かい人はともかくとして、211系5000番台と区別するだけで大丈夫です。車内はロングシートです。いわゆる普通の通勤電車という感じです。

313系(大曽根)

写真6. 313系1000番台

次に多いのが313系1000番台です(写真6)。1000番台、1100番台、1300番台、1500番台、1600番台、1700番台という細かな区分がありますが、そんな細かなことを気にする必要はありません(ただし私は気にします)。車内は車両中央部が転換クロスシート、車両端部がロングシートという独特の配置です。やや長距離向けの内装ですね。

313系8500番台(大曽根)

写真7. 313系8500番台

少数派なのが313系8500番台です(写真7)。もともとはセントラルライナーという料金制列車に使われるために製造された車両です。しかし、セントラルライナーの需要がなかったため、現在はセントラルライナーはなくなっています。そのため、現在は普通の列車にも使われています。もともと料金を要する列車で使われたため、座れれば居住性は高いです。

313系8500番台

写真8. 313系8500番台の車内

吊革も少なく、高級感ある内装であることがわかります(写真8)。長距離移動には最適ですが、逆にいうと混雑に対応しにくいということでもあります。

このような3種類の車両をどのように使い分けているのでしょうか。前提として、いずれの車両も2両~4両と単独では10両編成を組成できないことがあります。2両~4両を巧みに組み合わせて4両編成~10両編成を組成する必要があるということです。

私が見た限りでは、名古屋寄りに313系を連結することが多く見られました。大曽根での乗りかえが名古屋寄りが不便であるために、名古屋寄りが空いている傾向があるのかもしれません。空いている箇所に詰め込みの効かない車両がくるように工夫しているのです。

一方、長距離列車に313系8500番台を使い、高蔵寺発着に211系5000番台を集中的に使うということはありませんでした。私が確認した範囲では、高蔵寺発着に313系8500番台(居住性を重視した車両)を使い、中津川発着は211系5000番台だけという例もありました。つまり、夕方の場合は長距離列車と短距離列車での車両の使い分けは行っていないということです。

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