西鉄夕方の混雑調査【現場調査】

記事上部注釈
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日本で最も西に位置する大手民鉄、西日本鉄道。この路線はどの程度混雑するのでしょうか?夕方ラッシュ時に実際に調査しましたので、その結果をまとめます。

薬院に到着する特急

写真1. 薬院に到着する特急

調査区間の選定と時期の特殊性

西鉄は福岡(天神)と薬院(※)で乗客を集め、郊外の駅で乗客を降ろすという傾向にあります。そのため、薬院ー高宮が最混雑区間です。そのため、薬院発車時に調査しました。また、私はお盆休み中の平日に調査しました。この日は休日ダイヤだったものの、ある程度の通勤客の存在も確認できました。このため、土曜と同等の状況と考えることができます。

※薬院は博多駅へのバスが発着します。地図を見たらわかりますが、博多地区へは天神で地下鉄に乗りかえるよりも、薬院でバスに乗りかえるほうがショートカットできるのです。

まとめると、土曜の夕方(と同等の状況)の最混雑区間を調査したということです。

混雑の生データ

弊サイトでは、混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

さて、実際の混雑状況を示します(表2)。

表2. 西鉄夕方時間帯の混雑状況

夕方ラッシュ時 西鉄薬院下り 混雑状況

参考までに、上りの状況も調査しています(表3)。

表3. (参考)西鉄夕方上りの混雑状況

夕方ラッシュ時 西鉄薬院上り 混雑状況

混雑状況の分析

生データだけではよくわかりませんので、混雑状況を分析しましょう。

種別ごとの混雑状況

まずは、種別ごとでどの程度混雑が異なるか分析します。急行は30分サイクルに2本運転されていますが、ここでの対象は1本のみです。花畑行きと小郡行きでそこまで混雑状況は異ならないでしょう(西鉄の利用客の多くは二日市以北です、西鉄の流動は二日市以北で5割を占め、久留米以北で8割りを占めると鉄道ジャーナル2001年8月号にあります)。

・特急は140ポイント(座席前まで吊革が埋まっている状態)に近い
・急行は120ポイント(座席前の吊革が半分程度埋まっている状態)である
・普通は座席が埋まって、少しだけ立ちが発生する

特急への乗客集中が目立ち、普通はかなり空いている、そして急行はその中間程度ということがわかります。特に、2017年8月から特急が大橋に停車するようになってからは、特急に乗客が集中していることでしょう。土曜日相当でここまで混雑するということは、通常の平日の特急はさらに混雑が激しいことが予想されます。(平日ダイヤでは実施しているかもしれませんが)夕方ラッシュ時には7両編成や8両編成での運転も実施すべきでしょう。

なお、普通電車を減便してそのぶん速達列車を増発することは、あまり賛成しません。普通電車の停車駅はJRの駅から遠くもなく、減便すればJRにシフトしてしまう可能性が高いからです。バスにシフトするぶんには(同じ西鉄運営なので)経営的にはそこまで痛くないでしょうが、運転手の増加(バス1台で運べる乗客数と電車1本で運べる乗客数を比較してみましょう)という問題があります。

号車ごとの分析

福岡(天神)のターミナル

写真2. 福岡(天神)のターミナル

福岡(天神)駅は頭端式ホームの駅(写真2)です。そのため、大牟田方の車両は全く混雑せずに、福岡(天神)方の車両は大混雑しているという予想をしていました。しかし、現実には混雑は分散しています。この理由は多くあるでしょうが、福岡(天神)の南口(※)の利用客がそれなりにいることと、薬院での乗車があるためでしょう。福岡(天神)の南口を利用する人は大牟田方の車両に乗り込み、福岡(天神)のメインの出入口を利用する人が福岡(天神)方の車両に乗り込み、という具合で混雑が均等になるのでしょう。

※天神のメインの出入口は北側の出口ですが、南側にも出入口があり、ここを利用する人もそれなりに認められました。

逆方向の利用について

今までは「順方向」の混雑について述べましたが、反対方向についても簡単に述べましょう。反対方向はかなり空いていました。普通電車に至っては空席ばかりという状況でした。ただし、19:08の普通電車についてはそれなりに混んでいました。この普通電車の前には速達列車が運転されていませんでした(本来は急行がある)。このため、本来は急行に乗るであろう人もこの普通電車に乗っていたのでしょう。余談ですが、急行は福岡(天神)の折り返しの間合いをそれなりにとっていると見られ、下りまでは遅れの影響は波及していませんでした。

やはり特急への乗客集中が見られます。車内の客層まで観察できませんでしたが、福岡市内に宿泊していて太宰府や柳川への日帰り旅行の帰りの乗客が多かったのかもしれません。7両編成の急行の最後尾はガラガラでしたが、これは7両編成が停車する機会が少ないために、7両編成の停車位置で待っている乗客が少ないためでしょう。

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