おおさか東線の素顔を探る

記事上部注釈
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新大阪-放出が開業したことで、とりあえず全線が開業したおおさか東線。前面展望を眺めながら、そんなおおさか東線の素顔を探ってみましょう。

おおさか東線201系

写真1. 新大阪に停車中の201系

復習.おおさか東線の概要

まず、おおさか東線の概要を復習しましょう。

おおさか東線の概要

・区間:新大阪-久宝寺
・距離:20.2km
・開業(旅客営業開始):2008年(新大阪-放出は2019年)
・運転間隔:15分間隔

箇条書きで書かせていただきました。新大阪から大阪の中心街の東側の郊外を通る経路で鴫野(「しぎの」と読みます)、放出(「はなてん」と読みます)を通り、久宝寺に達する路線です。大阪の東側を通る路線なので、おおさか東線というといえば納得できるでしょうか。久宝寺では奈良方面に直通できる構造となっており、奈良と新大阪を結ぶ直通快速も運転されています。ただし、線内運転の電車のほうが多く、直通快速は1日に4本の運転でしかありません。一方、線内運転の普通電車は1時間に4本運転されています。ただし、平日の朝ラッシュ時の普通電車は20分近く間隔が開くことがあります。これは20分間隔の普通電車の間に直通快速が挿入されるためです。本来は普通電車を15分間隔で運転しつつ、直通快速をプラスアルファで設定するべきでしょう。

開業(旅客営業開始)とわざわざ記したのは、もともと城東貨物線として使用されていたためです。この貨物線が旅客化したのは南側が2008年3月、北側が2019年3月のことです。2019年現在、普通電車は201系6両編成、直通快速は207系(321系)7両編成が使われています。103系は使われていません。

写真2. 春日大社の参道には新大阪直結の旗がある(でも1日4往復!)

実際におおさか東線に乗る

時間の関係上、直通快速ではなく普通電車に乗ることになりました。

写真3. 新大阪は主に2番のりばから発車

新大阪では一番西側のホームの2番のりば(一部1番のりばと3番のりば)から発車します(写真3)。おおさか東線は新大阪から東側に向かう路線ですので、一番東側のホームを使うと思っていましたが、西側のホームから発車します。これは、今後北梅田まで延長させる意図があるためかもしれません。

写真4. 201系リニューアル車の車内

充当されるのは201系電車です。1979年から使用されている車両形式です。この記事を執筆しているタイミングだと、40年経過していることになります。しかし、車内はリニューアル工事を行っていて、そこまで古い車両には見えません(写真4)。ただし、1980年ごろに多くの通勤電車に取り入れられた小さなドア窓、国鉄を感じさせる小さな運転台仕切り窓は健在です。

写真5. 特急はるか号が京都方面に出発した

わがおおさか東線の電車が発車する前に、1番のりばから特急はるか号京都行きが発車しました(写真5)。このはるか号は東海道線に入って、京都まで向かいます。おおさか東線は2番のりばから発車しますが、特急はるか号と平面交差してしまいます。毎時4本程度のおおさか東線であれば平面交差することも問題なしという判断なのでしょうか。

写真6. 発車して左側の線路に合流する

発車して、左側の線路に合流します(写真6)。それにしても雨だと前面展望を満喫できませんね。

写真7. 神崎川を越える

東淀川の横を通過し、神崎川を渡ります(写真7)。神崎川はこのあともう1度渡ります。

写真8. 他の貨物線などと離れる

貨物線などと離れて、ここからおおさか東線の単独区間に入ります(写真8)。ここで135°向きを変えて、今まで北に向かっていた電車は南東に向かいます。

写真9. 207系直通快速とすれ違う

直通快速とすれ違いました(写真9)。この日は休日でしたので、私の乗った夕方にも新大阪行きの直通快速が運転されます。この感じは207系ですね。

写真10. 城北公園通に停車中

城北公園通に停車中です(写真10)。このあたりは大阪の住宅地であり、座席が埋まる程度に乗客が乗っていました。

写真11. JR野江に停車中の普通電車が見える

城北公園通の次はJR野江です。この区間にはJRと付く駅名が多いです。これは、もともと私鉄が作り上げてきた街に新たにJRの駅が新設されたことを示しています。JR野江は(昔からある)京阪の野江駅の近くにあります。野江は京橋の隣で、そこまで大阪の中心部からは遠くありませんね。

写真12. 鴫野に停車!

鴫野は片町線(学研都市線)と接続する駅です(写真12)。ここでは方向別ホームにはならずに、京橋→新大阪が同一ホームで乗りかえられるようになっています。京橋方面-久宝寺方面と新大阪方面-四條畷方面の乗りかえは次の放出で行えば良いからです。新大阪→京橋は階段を使う構造になっているのが残念ですが…。

写真13. 放出に停車!

鴫野-放出は学研都市線とおおさか東線が併走していて、一見複々線区間のようにも見えます。その(見た目)複々線区間は次の放出で終わります。放出ではおおさか東線は内側に、学研都市線は外側に位置しています。

写真14. 放出に停車!

よく見ると、おおさか東線の201系と学研都市線の207系が顔合わせしていることに気づかされます(写真14)。

写真15. 放出を発車

その放出では乗客が入れ替わりました。放出でやや空いたところで、発車します(写真15)。ここで、学研都市線の下り線(木津→京橋の方向の線路)が高くなっています。これは、おおさか東線を超えるためです。おおさか東線は貨物列車も走りますので、急勾配を避けています。

写真16. 学研都市線と分岐する

そして、学研都市線と分岐します(写真16)。

写真17. 高井田中央に停車

放出の次の駅は高井田中央です。地下鉄の駅は高井田ですが、おおさか東線ができる前から大和路線に高井田があります。そのため、この駅は高井田とすることができず、高井田「中央」と言っています。JR高井田と地下鉄高井田は乗りかえができなくて、JR高井田中央と地下鉄高井田は乗りかえができるのはややこしいですね。

写真18. JR河内永和では近鉄と乗りかえができる

次はJR河内永和です(写真18)。近鉄の河内永和と区別するためにJRという冠を付けました。それは良いのですが、JRという冠と河内という冠の両方があると長ったらしいという声もあるでしょう。しかし、永和はJR東海管内の関西線の駅にあるため、それにJRを付けると変だし、近鉄も旧国名を案内に使うようになったからという事情もあります。近鉄の駅に近いのにわざわざJRと付ける必要もないような気がします。

写真19. JR俊徳道が見える

そのJR河内永和からはJR俊徳道が見えます(写真19)。山手線の駅には前の駅に停車している電車が見える駅もあると聞きますが、ここもその1つですね。ちょうど山手線と同じ黄緑色の電車が使われていることも共通点です。

写真20. JR長瀬に停車

JR俊徳道の次は、JR長瀬です(写真20)。JRが3連続なのも何となく違和感がありますね。JRを付けるということは、それだけこの地域でJRが後発の路線なのです。

写真21. 新加美に停車中

おおさか東線最後の駅は新加美です(写真21)。ここから加美まではそう距離はありません。両駅を移動しようという人はわざわざ電車に乗らないことでしょう。どうせなら同じ駅扱いでも良さそうです。

写真22. 大和路線に合流

新加美を過ぎると、大和路線の内側に合流します(写真22)。

写真23. 久宝寺に進入!

終点の久宝寺に入ります(写真23)。この駅は大和路線と共用の2面4線のため、作業はあわただしいです。おおさか東線の折り返しに内側線の容量が取られますので、待ち合わせ時間の少ない大和路線の速達列車が内側に入ります。

写真24. 201系が回送になった

こうして、久宝寺に着いた普通電車は回送に変わったのです。

おおさか東線のまとめ

趣味者の姿も見えましたが、おおさか東線は地元の人が多く利用していました。私が乗ったのは全線開業1か月も経過していない時期です。それでも地元の人が乗っているということは、それだけ潜在的に地元の利用が見込まれる路線ということです。15分間隔というダイヤは関東地区に住んでいる私にとってみては不十分に感じますが、近隣のJR線の多くが15分間隔(学研都市線、大和路線、阪和線)であることを考えると、そこまで本数が少なくて不便というわけでもありません。

今後は奈良と新大阪の需要の開拓が課題となりましょう。詳しいダイヤは全く考えていませんが、直通快速が1日4往復というのは少なすぎます。せめて1時間に1本でなければ使いにくいでしょう。今後は地元の人たちに親しんでもらう他に、広域需要の取り込みも重要となるでしょう。

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