特急しなのの乗車記(塩尻→千種、車内設備、景色、混雑は?)

記事上部注釈
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名古屋と長野を結ぶ特急しなの。1990年代に現在の383系電車に置き換わってから特に動きのない安定した系統です。どのような状態で安定しているのでしょうか。そして、3連休最初の土曜日の上りの混雑はどのようなものでしょうか。実際に乗って探ってみました。さらに将来像についても考えてみました。

塩尻に入線する383系

写真1. 塩尻に入線する383系電車

車内設備を確認する

まずは、特急しなの使用される383系の車内設備をご覧いただきましょう。私は普通車を利用しましたので、グリーン車の設備は撮影しておりません…。

383系普通車のデッキ

写真2. 383系のデッキ

383系普通車のデッキ

写真3. 383系のデッキ

デッキ部分です(写真2-3)。意匠的には特に工夫はなく、ノーマルなものです。逆にいうと、好みが分かれにくく万人に受け入れられる内装です。

383系普通車のお手洗い

写真4. 383系のお手洗い

383系普通車のお手洗い

写真5. 383系のお手洗い

お手洗いも特に意匠的にはこだわりは感じません(写真4-5)。ただし、タイル状の床面が新鮮さを感じます。ノーマルでありながら清潔な内装ですね。

383系普通車の全景

写真6. 383系普通車の全景

普通車の全景です(写真6)。照明が2列に並んでおり、彩度(鮮やかさ)の低い色味のシートが並んでいます。383系「しなの」の内装のテーマはノーマルのようです。特に特徴がないともいえますが、良くいうと万人にそれなりに受ける車両ということです。

383系普通車の前面展望

写真7. 383系普通車の前面展望

383系の特徴は前面展望が可能であることです(写真7)。グリーン車の前面展望が象徴的ですが、普通車であっても前を眺めることができます。そのために、デッキ部分と客席部分はここだけガラスが多い仕様になっています。

383系普通車の足のせ

写真8. 383系普通車の足のせ

その普通車はゆったりとしています。シートに腰掛けた際に、「広い!」と感じました。それもそのはずです。シートピッチ(シートとシートの間隔)が1000mmと、JR東日本の標準車の960mmよりも広いのです。そして、足のせも完備しています(写真8)。パッと見はそこまで特徴ありませんが、実はきちんとしているのが383系の内装なのです。

木曽路の車窓を楽しむ

この日は10両編成でした。時刻表にはしなの号は6両編成としか書かれていませんが、乗客の多さによって8両編成や10両編成にする列車があります。所定の6両編成の場合、自由席は5号車と6号車です。8両編成の場合の自由席車は7号車と8号車、10両編成の場合の自由席車は9号車と10号車です。つまり、6両編成でも、8両編成でも、10両編成でも、自由席車は名古屋よりの2両であることには変わりません。

塩尻での編成案内

写真9. 塩尻での編成案内

さて、私を乗せた列車は木曽路を進みます。予想通り、自由席はそれなりに空いていました。窓側席のどこにするかの選択肢があるほどです。3連休初日の上りであれば自由席でじゅうぶん座れます

写真10. 塩尻短絡線と合流する

塩尻ではいわゆる中央東線(新宿方面)と中央西線(名古屋方面)の短絡線があります。そこと合流します(写真10)。

写真11. 傾いていることがわかる

前面展望が可能な席でしたので、何とか前面展望をとらえることができました(写真11)。線路の傾きと車両の傾きが異なることから、車両が傾いていることがわかります。これが383系の特徴です。このように車体を傾けることで、カーブの通過速度を速めて、所要時間を短縮しているのです。

写真12. 木曽路の川を渡る

木曽路は諏訪方面よりもさみしい景色が広がります。諏訪地区よりも普通列車の本数が少ないことも納得できます。

写真13. 小川を渡る

小川を渡ります(写真13)。このあたりは山が迫っています。

写真14. 渓流がある

渓流があります。てっきり私は塩尻からどんどん下ると思い込んでいましたが、このあたりの川は進行方向と逆向きに流れています。いいかえると、川の上流に向かって進んでいます。つまり、坂道を登っていることになります。鳥居峠があり、ここまでは坂道を登っているのですね。

図1. (参考)鳥居峠の位置(googleマップより引用)

写真15. 木曽福島に停車中

その鳥居峠をすぎ、少し下ってきました。木曽福島に停車します(写真15)。

写真16. 川幅が広くなった

木曽福島からどんどん山を下ります。すると、川幅が広がります(写真16)。

写真17. 中津川が近づくと開けてくる

中津川が近づくと開けてきます(写真17)。険しい木曽路ともおわかれですね。

写真18. だいぶ開けてきた

岐阜県までくると開けていますね(写真18)。中津川を境に本数が異なることも納得できます。

写真19. 明智鉄道を発見!

途中の恵那で明智鉄道を発見できました(写真19)。ここから本格的な夜がやってきました。

写真20. 千種に到着

そのような夜の千種に到着です。私が持っている乗車券は東京都区内→東京都区内のもので、金山で折り返しの経路です。そのため、名古屋で途中下車できません。また、私の宿泊先は地下鉄東山線沿線でしたので、ここで地下鉄に乗りかえることも可能です。このような理由から、千種でしなのの旅を終えたのです。

図2. (参考)千種駅の位置

特急しなのの今後を占う

特急しなのは6両編成を基本としつつ、必要に応じて8両編成や10両編成に増結しています。これは、長年のノウハウで混雑しそうな列車に対応していることを示します。これは大変重要なことです。今後もこのような姿勢を保ってほしいものです。

特急しなのはしばらくはこのまま推移するでしょう。いずれ383系電車の置き換えが検討されましょうが、機能的には特に変わらないことが予想されます。名古屋と長野の都市間輸送であることから、極端な観光列車になることも考えにくいです。今後ともに都市を高速で結ぶという本分に忠実に運行することでしょう。そして、塩尻での接続を改善して、名古屋方面と新宿方面の流動も積極的に取り入れて少しでもしなの号、あずさ号の乗客を増やしてほしいと思います。

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