大阪環状線の前面展望(大阪→天王寺)

記事上部注釈
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大阪市内を走る大阪環状線。その東半分は大阪市の都心部に近いエリアを通り、都市内輸送を担う区間です。そんな大阪環状線の都心部の前面展望を満喫しました。

写真1. 天王寺に到着した阪和線からの普通電車

復習:大阪環状線の西半分と東半分

まず、大阪環状線の西半分と東半分について述べましょう。

図1. 大阪駅と天王寺駅の位置(googleマップより引用)

大阪環状線の性質を示すのに、東半分と西半分というキーワードで説明できると思います。大阪環状線には2つの大きな駅があります。大阪駅と天王寺駅です。その2つの駅を地図に示しました(図1)。大阪駅と天王寺駅を結ぶのは以下の3パターンが考えられます。

  • 地下鉄御堂筋線(梅田-天王寺)
  • 大阪環状線西半分
  • 大阪環状線東半分

大阪環状線は環状線ですから、直線状に結ぶ地下鉄御堂筋線よりも距離的なハンディキャップがあります。そのハンディキャップを克服するために、大和路快速や紀州路快速を15分間隔で運転し、両駅の速達性を確保しています。大和路線や阪和線が天王寺駅の東側から合流することもあり、これらの快速は大阪環状線の西側を通ります。

幸か不幸か、大和路快速や関空・紀州路快速が通る側(西半分)は中心街というよりも、住宅街を走ります。そのため、一部の電車に通過駅があってもそこまで大きな問題は生じません(利用客の多い時間帯は普通電車の本数が確保されています)。一方、大阪環状線の東半分は京橋や鶴橋のようなサブジャンクションを通り、これらの区間を結ぶ都市内交通としての役割も目立ちます。

大阪環状線の性質を無理やり2つに分類するとしたら、大阪-天王寺-大和路線・阪和線の通過旅客が多い西半分(大阪-西九条-天王寺)と、都市内交通としての役割の大きい東半分(大阪-京橋-天王寺)に分類されましょう。

西半分を通過駅ありの状態で走り抜けた快速群も東半分は各駅にとまります。別のいいかたをすると、大阪-京橋-天王寺を通る電車は各駅にとまり、通過駅は存在しないのです。

注意

もしも阪和線が西側から天王寺駅に向かっていた世界線を考えてみましょう。すると、阪和線から大阪に向かう直通電車は天王寺から大阪の途中で混雑する東半分を通ります。すると、東半分に乗客が集中し、運営側・乗客側双方に不利益が生じます。このようなことを考えると、大和路線や阪和線が天王寺駅の東側から出発する現在の状況はそれなりに良い状態なのです。

実際に大阪環状線の前面展望を楽しむ

御託はこの程度にして、実際に前面展望を満喫しましょう!

写真2. 大阪を発車!

大阪を発車しました(写真2)。大阪発車直後は東海道線(JR京都線)と並走します。

写真3. 東海道線と分かれる

東海道線と分かれます(写真3)。

写真4. ビル街を走る

ビル街を走ります(写真4)。ビル街を走る複線のJR線。総武線の浅草橋付近に似ている気もします。

写真5. 天満に停車!

天満に停車です(写真5)。下町の商店街といった趣の駅です。

写真6. 天満に停車中!

天満に停車中です(写真6)。2008年3月15日ダイヤ改正までは関空快速や紀州路快速は天満や桜ノ宮を通過していましたが、それ以後は両駅に停車するようになりました。これによって、大阪環状線東半分は全列車が各駅にとまるようになっています。

写真7. 天満を発車!

天満を発車しました(写真7)。大阪から天王寺に向かう電車は理論上右カーブを曲がると思うのですが、ここまで左カーブが多いように感じます。

写真8. 鉄橋が見える

鉄橋が見えます(写真8)。大阪中心部を流れる主要な河川の大川の橋りょうです。

写真9. 大川を渡る

大川を渡ります(写真9)。淀川橋りょうと書かれていますが、大川は旧淀川の通称ですから、このような書きかたでも問題ありません。

写真10. 桜ノ宮に停車!

桜ノ宮に停車します(写真10)。天満ですれ違ったのは環状線の電車ですが、ここでは関空・紀州路快速です。この区間の天王寺行きは普通電車表示ですが、大阪方面行きは快速表示なのですね!

写真11. 右カーブを走る

右カーブを走ります(写真11)。

写真12. 区間快速とすれ違う

区間快速とすれ違います(写真12)。やはり快速表示です。環状線内は各駅にとまりますが、普通電車として案内されていません。夕方時間帯で各駅の利用客も多いですから、大和路線直通電車を環状線内の各駅に停車させ、15分に2回の乗車チャンスを提供しているのです。

このあたりは商店街やビル街というよりも住宅街が広がります。

写真13. 右カーブを走る

また右方向にカーブします(写真13)。地図を見ると桜ノ宮から京橋の間で角度が変わっています。このあたりから天王寺の手前まではほぼ南方向に進みます。

写真14. 京橋に停車!

京橋に停車します(写真14)。京橋は京阪電車や東西線-学研都市線への乗りかえであり、拠点感はありますが、地下鉄は長堀鶴見緑地線1路線しかありません。

写真15. 引上線に電車が停車中

引上線に電車が停車中です(写真15)。ゆめ咲線に直通する始発電車でしょうか。平日夕方は京橋から桜島までの電車が15分間隔で運転されます。

写真16. 環状線電車がやってきた

その脇を環状線の電車がやってきました(写真16)。大和路線や阪和線に直通する電車は天王寺発着ですから、環状線の電車は天王寺の前後を直通するある意味貴重な存在です。

写真17. 環状線が入線

環状線が入線してきます(写真17)。

写真18. 京橋を発車!

京橋を発車しました(写真18)。

写真19. 車両基地が見える

車両基地が見えます(写真19)。

写真20. 大阪城公園に停車!

大阪城公園に停車します(写真20)。すぐに駅が現れたように見えますが、確かに京橋から大阪城公園の駅間は0.8kmと短めです。

写真21. 短い駅間を走る

大阪城公園と森ノ宮の間も駅間が短いです(写真21)。左にあるのは大阪環状線の車両基地です。

写真22. 森ノ宮に停車!

森ノ宮に停車します(写真22)。ここでは地下鉄長堀鶴見緑地線と中央線と乗りかえができます。環状線で地下鉄2路線以上と乗りかえできるのは大阪・天王寺とここだけです。ここでは関空・紀州路快速とすれ違いました。

写真23. 右にカーブする

右にカーブします(写真23)。このあたりも住宅が多く、大阪の真の中心を通るのは大阪環状線ではなく、地下鉄御堂筋線であることを実感します。

写真24. 大和路線に入る区間快速とすれ違う

大和路線に入る区間快速とすれ違います(写真24)。

写真25. 玉造に停車!

玉造に停車します(写真25)。

写真26. 建物の密度が上がってきた

建物の密度が上がってきました(写真26)。大阪環状線の東半分で主要な駅である、鶴橋が近づいてきました。

写真27. まもなく鶴橋!

まもなく鶴橋です(写真27)。大阪や京橋もそうですが、ホームドアが整備されています。このために大阪環状線は3ドア車に統一されました。大阪駅5番のりばや8番のりばと同様のロープ式ホームドアであれば、4ドア車も活躍できたような気がしますが。

写真28. 鶴橋に停車!

鶴橋に停車しました(写真28)。近鉄電車との乗りかえ駅で、近鉄との乗りかえはスムーズです。近鉄電車と梅田地区(大阪駅地区)の行き来であれば、大阪難波を通らずにここで乗りかえたほうが便利でしょう。

写真29. 桃谷が見える

鶴橋を発車してすぐに次の駅が見えます。桃谷です(写真29)。このあたりも昔からの住宅街のように見えます。

写真30. 桃谷に到着!

桃谷を到着します(写真30)。「ももたに」ではなく、「ももに」と読みます。

写真31. 桃谷を発車!

桃谷を発車しました(写真31)。このあたりは住宅街のように見えます。

写真32. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真32)。

写真33. 寺田町に停車!

寺田町に停車します(写真33)。

写真34. 右にカーブする

寺田町から天王寺までは右にカーブしていきます(写真34)。寺田町付近まではほぼ南に進み、天王寺付近では西に進んでいます。おおよそ90°進行方向が変わります。前に見えるのは阪和線の高架橋でしょうか。

写真35. 阪和線の特急列車が見える

阪和線の特急列車が走っていくのが見えます。大和路線の線路(※)から阪和線の線路に渡る連絡線です。

※阪和線と大阪環状線は直接つながっていません。そのため、大阪環状線から阪和線に入る電車は新今宮-天王寺で関西本線(大和路線)の線路を通り、天王寺駅の東側で大和路線から阪和線に転線します。

写真36. まもなく天王寺!

まもなく天王寺です(写真36)。大阪環状線的には大阪よりも天王寺のほうが拠点といえ、大阪駅は1面2線なのに対し、天王寺は2面3線+引上線という構成で、折り返しなども容易です。

左に221系電車が見えますが、この電車は天王寺どまりです。日中~夕方のダイヤパターンですと、天王寺をスルーするのは15分間隔の環状線だけです。天王寺どまりに当たった場合は、大和路線のホームに向かい、大和路線や阪和線からの快速に乗りかえる必要があります。そして、そちらのパターンのほうが多く、天王寺をまたぐ人にとっては不便に感じそうです。

写真37. まもなく天王寺!

天王寺に到着です。私が乗っていたのは普通天王寺行き(大阪まで関空快速)でしたので、中線に入ります。

写真38. 天王寺に到着した電車

天王寺に到着しました(写真38)。この電車はこのまま折り返します。天王寺停車中時点だけ「普通 大阪環状線」の表示です。天王寺から阪和線や大和路線に乗るのであれば、15・16番のりばの電車のほうが先に着くためです。

大阪環状線の東半分に乗ってみて

写真39. 人でにぎわう大阪駅の環状線ホーム

今回、大阪から天王寺まであえて東半分に乗ってみました。駅間が短いと感じました。大阪から天王寺まで10.7kmですが、駅は11あり(大阪と天王寺を含む)、平均駅間距離は1.07kmです。JRでは山手線も短いほうですが、1周の34.5kmに30駅と平均駅間距離は1.15kmとやや長いです(高輪ゲートウェイ開業前は1.19km)。

難波・心斎橋といった大阪の繁華街を通らないのですが、周辺は住宅街や繁華街が続き、乗客の数もそれなりでした。ただし、鶴橋から天王寺までは乗客がやや少ないとも感じました。

一般的に都市鉄道は編成の中ほどが混雑し、先頭と最後尾は空いている傾向にあります。しかし、大阪環状線は異なり、私の乗った8号車は混雑していました。これは大阪駅のメインが東側にあるためです。また、天王寺駅のメインが西側ということもありましょう。

大阪市内の南北の移動は御堂筋線を代表とする地下鉄に頼りがちですが、大阪市中心部に最も近い地上を走る鉄道ということもあり、大阪の香りを感じることができました。

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