発展する東武アーバンパークライン

東京の外縁部を結ぶ東武アーバンパークライン(野田線)。かつては東武野田線と呼んでいましたが、2014年4月よりアーバンパークラインという名称を与えられています。そして、2020年には柏-船橋の急行運転も開始します。現地を訪れながら急行の停車駅など将来像を考えてみました。

東武60000系

写真1. 柏に停車する東武60000系(柏で撮影)



近年の東武野田線(アーバンパークライン)の足跡

2000年代までは東武野田線は重要な路線として扱われていませんでした。旧型車両の5000系が全廃されたのが21世紀に入った2004年のことです。逆にいうと、2004年までは旧型車両が残っていたということです。その後は停滞を続けます。停滞後、2013年から10030形や60000系が導入されました。その後は躍進が待っています。2016年には部分的ながら急行運転を開始、2020年には運河-柏-船橋にも急行運転が拡大されます。

さらに、2017年には部分的ながらも特急の運転も開始されています。この特急は浅草発ばかりではなく、大宮発も設定されています。大宮発の特急が設定されていることに、大宮を軸とする輸送需要があることにも気づきます。

運河-柏は複線化が完了しています。一方、柏-船橋は単線区間が残っています。この単線区間があるうちは急行運転を開始することは困難です。残る単線区間の複線化が急行運転の前提です。残る単線区間は逆井-六実です。この複線化が東武アーバンパークラインの脱皮の大きな鍵を握っているのです。

東武60000系急行

写真2. 2016年に運転開始した急行(60000系でした)

単線区間の実態を見る

その単線区間の実態を観察してみましょう。

私は60000系に当たりました。まずは、その車内を紹介します。

写真3. 東武60000系の車内

機能的な車内です(写真3)。東武の車両らしく、前面展望はそこまで良好ではありませんね。

写真4. 東武60000系の車内

照明です(写真4)。LED照明がみごとに天井と同一平面を築いていますね。

写真5. 東武60000系の車内

ブルーの座席が印象に残ります。30000系登場以来、東武の通勤電車は青色ベースの座席を採用しています。

さて、電車は船橋を発車し、鎌ケ谷まで着きました。船橋から7.5kmです。

写真6. 鎌ケ谷に到着

ここの鎌ケ谷は接続路線はありません。隣りの新鎌ヶ谷で各路線と接続しています。現在は新鎌ヶ谷のほうが利用客が多いです。六実を出て、単線区間に入ります。

写真7. 六実を発車

写真8. 工事が進む単線区間を行く

六実を発車すると単線区間を走ります。ただし、土地の準備は完了し、あとは工事本体だけという様子がわかります(写真7-8)。

写真9. 高柳が近づく

もう柏市に入ったのでしょうか。新鎌ヶ谷は鎌ケ谷市、六実は松戸市、高柳は柏市にあります。以前は高柳は沼南町にありましたので、新鎌ヶ谷から逆井(柏市)まで4駅連続で所属する自治体が異なっていたのです。六実-逆井の単線区間の中にある駅が高柳です。

写真10. よく見ると2面4線!

写真11. 2面4線対応工事がなされている

その高柳は2面4線にするようです(写真10-11)。昔は駅の片側は森だったように記憶しています。それが2面4線になり、開発が進むとは、時代が変わったようです。

写真12. 単線とは見えない

写真13. 電留線がある

写真14. 電留線に車両が停車している

高柳の逆井側には電留線があります(写真14)。この電留線は1999年ごろから使用されていると記憶しています。

写真15. 工事が進行している

跨線橋の工事が進行していることもわかります(写真15)。このように、高柳をまたぐ区間(3.9km)の複線化が進行していることがわかります。

急行運転の停車駅は?

ここでは、運河-船橋の急行停車駅を予想します。柏と船橋に停車することは確実です。また、両者の中間で2路線と接続する新鎌ヶ谷にも停車するでしょう。同様に、接続駅の流山おおたかの森にも停車するしょう。

この他の停車駅は予想が難しいです。第1候補は、鎌ケ谷市の代表駅である鎌ケ谷です。市内の利用者数1位の座を新鎌ヶ谷に奪われていますが、旧市街の最寄駅ということもあり、停車は有望視されるでしょう。次の候補は高柳です。せんげん台やふじみ野の例から考えると、わざわざ2面4線にした駅を通過するとは考えにくいです。

逆に、これ以外の駅に停車する可能性は低いと推定いたします。大宮から春日部の間(15.2km)で急行運転していますが、この間は岩槻しか停車しません。運河-船橋の29.5kmの間に3駅停車というのが、大宮-春日部の例からの推定です。私が挙げた停車駅は流山おおたかの森、柏、(高柳)、新鎌ヶ谷、(鎌ケ谷)、船橋です。これで最大5駅です。この5駅の他に停車させるとは考えにくいです。まとめると、流山おおたかの森、柏、新鎌ヶ谷が停車することは確実、他に高柳と鎌ケ谷が可能性ありということです。

東武アーバンパークライン急行の効果は?

東武アーバンパークラインが大宮-春日部と運河-船橋で急行運転したとしますと、所要時間はどの程度なのでしょうか。予想してみましょう。現在、大宮-船橋は急行(下り)で所要時間92分で結んでいます。現在の急行は7駅通過で6分短縮しています。これが(私の想定では運河-船橋を)10駅通過しますので、8分は短縮します。大宮から船橋まで直通するようになれば柏での接続時間は現在の6分から2分程度に短縮することでしょう。(通過による8分と停車時間短縮による4分を)合わせた12分の短縮が見込まれるということです。つまり、大宮から船橋へは現在の所要時間92分から80分程度に短縮されるということです。

仮に大宮から船橋まで80分で結ばれるとどうでしょうか。近隣を走る武蔵野線は南浦和-西船橋を44分で結んでいます。実際に武蔵野線経由で大宮から船橋まで移動しようとすると66分程度かかります。理論上は武蔵野線経由のほうが便利ですが、乗りかえを避ける人もいるはずです。これらの人にとってみたら、東武の急行運転拡大は朗報でしょう。この他に、柏-船橋についても同様の議論が成立します。

このような武蔵野線に並行する路線が便利になるということは、今まで東武を避けて武蔵野線を利用してきた人のシフトを意味します。場合によっては、東京を通る路線を使わずに東武アーバンパークラインを利用する流れも増えるかもしれません。このことは広義の混雑緩和を意味します。東武としてもせっかくの設備投資ですから、利用者を増やすことを考えることでしょう。この1つの策が急行運転拡大でしょう。

同様に、野田市内を複線化すれば、急行運転区間を全線に拡大できます。そうすれば、大宮-船橋の所要時間を70分台が実現でき、さらに周辺路線の混雑緩和にも寄与します。このように、東武アーバンパークラインの複線化は地味ながらも(下手すると)東京都心の混雑を緩和する効果まであるのです。


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