写真1. 美しい富士山ビュー特急
富士山ビュー特急に乗車しましたので、その模様をお伝えします。富士山ビュー特急は自由席主体ですが、着席できるのでしょうか?全員着席が難しければ、どの時間に向かえば着席できるのでしょうか?
富士山ビュー特急の概要
私の乗車記を記す前に、富士山ビュー特急の概要を再確認しましょう。
- 区間:大月-河口湖
- 設定日:原則的に毎日運転、ただし車両点検で平日を中心に一般車両で運転する日があり
- 料金:自由席は乗車券+特急券400円で乗車可能、1号車は特別車両券900円が別途必要
※土日を中心にスイーツプランとして4000円に変わる) - 車両:8600系電車(ページトップの写真1参照)
- 本数:1日2-3往復
概要を上にまとめました。文章にするとわかりにくいので、箇条書きでまとめた形です。それだけでは情報不足ですので、つらつらと記しましょう。
富士山ビュー特急は3両編成で、1号車は特別車両、2、3号車が自由席です。自由席なので、着席は保証されません。では、実際はどうなのかは乗車記で明かすことにしましょう。特別車両を利用する場合は、特別車両券900円が別途必要(=特別車両券と特急料金の合計1300円が必要)です。スイーツプラン設定列車では、スイーツが出るかわりに4000円が必要です。昔は富士山の反対側の御殿場線に使用されていた車両ですね。
実際に富士山ビュー特急に乗る
ここまで概要を復習しました。では、実際に乗車してみましょう。
大月での着席テクニック
私は大月までホリデー快速ビューやまなし号に乗車しました。
私は新宿から大月までホリデー快速ビューやまなし号に乗車しました。こちらについても、概要を述べています。また、気になるのが自由席に座れるかどうかでしょう。そちらについても詳細にレポートしています。
その大月で始発の富士山ビュー特急に乗車したのです。このとき、私は多くの利用客の裏をかくことで、いち早く車内に入れました。その方法ですか?多くの利用客はJR線と富士急行線の乗り換え改札に向かい、そこで列をなしていました。そこで、私はJRの改札を1回出て、富士急行の改札から入りました。私の読みが当たったのか、全く並ばずに富士急行のホームに入れました。
新宿からかいじ号が到着する前に車内に入れました。多くの利用客がかいじ号からの乗り換えでしたので、私は楽々と着席できました。
私が荷物を置いて、外から車両を観察していたら、熱心なファンがアテンダントさんに話しかけていました。彼は「あさぎり号時代に乗った」などと言っていましたが、豊富な知識を有するアテンダントさんはきちんと会話していました。これがプロフェッショナルというのでしょう。私は人見知りですし相手の仕事の邪魔をしたくないので、話しかけることができません…。
富士山ビュー特急の車内の観察
写真2. 黒がシックな印象のデッキ部分
まず、デッキに入ると、黒い扉が眼を引きます(写真2)。デッキ部分はその列車で一番先に利用客が触れるところです。昔の車両はデッキ部分にこだわりはありませんでしたが、現在はそのようなことはありません。玄関部分として意匠がこらされているのです。
写真3. 赤系の車内が美しい
2号車の車内に入ると、赤系の車内が美しいことに気づきます(写真3)。2号車は車内のイメージカラーを赤色にしています。木目調の車内と合いますね。
写真4. 赤系の車内でも座席の柄が異なる
観光特急ということで、同じ車両でも異なる柄の座席もありました(写真4)。このように座席の柄を変えることで、楽しい車内を演出しようとしたのでしょう。
写真5. 照明も美しい
電球色の照明で空間が演出されています(写真5)。ここまでは比較的高く評価していましたが、別の側面もあります。
写真6. 窓枠と座席の共演
ここで、視点を窓枠に向けましょう(写真6)。車窓を額縁に見立てたのでしょう。それは良いのですが、せっかくの車窓をさえぎってしまいます。余計な木枠を作成し、大きな窓の一部をフィルムで覆い、車窓を奪ってしまったのです。これはデザイナーのだたの自己満足でしかないと考えます。
写真7. 青系の車内(3号車)
3号車の車内も確認しましょう。3号車は青系の車内カラーでまとめられています(写真7)。ここでも「自己満足」の車内となっています。わざわざ窓を小さくする意味はあるのでしょうか。通路側の人が景色を楽しみにくくなってしまいます。
写真8. 前面展望も堪能できる
3号車から前面展望を楽しめます(写真8)。ここは種車の特長を生かしています。デザイナーの「自己満足」で元の車両の良さを失わせることはどうかと思いますが、ここの部位ではそのようなことがなく、安心しました。
富士山ビュー特急から車窓を堪能する
いよいよ、大月を出発です。私は進行方向左側の座席を確保しました。
写真9. 大月を発車した直後の車内
大月を出た車内は立ちが発生していました(写真9)。結局、河口湖まで立ちが解消することはありませんでした。確実に着席したければかいじ号が到着する前に車内に入ることですね(かいじ号から乗りかえても早ければ座れます)。ただし、立ち客が楽しげに車内にいたので救われました。この混雑を見ると、1日5本の行楽特急だけでは足りないように感じます。E353系に統一された暁には、一部のかいじ号の付属編成を河口湖に直通させると良さそうですね。新宿から河口湖まで112分程度で結べるでしょう。
特別車両に空席があったら、立ち客に300円増しでスイーツプランなしの「特別車両券」を販売すれば良いのに、とこの混雑した車内で感じました。
写真10. 桜の花が車窓を飾る
桜の花が車窓を飾ります(写真10)。わが首都東京では桜は散ってしまいましたが、ここではまだ咲いていました。道中はこの桜の花の美しさが1つのハイライトでした。まあ、元祖の桜(ソメイヨシノ)はわが首都東京にあるのです。
写真11. 赤坂を通過
そうこうするうちに、赤坂を通過します(写真11)。ここは東京の赤坂ではありません。そのため、赤坂サカスもありません。TBSに行く人は間違えないようにしましょう。
文章が続きましたので、美しい車窓をご覧いただきましょう。
写真12. 小川も美しい
写真13. 富士山がちらりと見える
写真14. 富士山が美しい
富士山が見えやすいポイントがあります。観光特急なのか、この列車はこのポイントで減速していました。そのため、富士山を拝むことができました(写真14)。
写真15. 元祖フジサン特急の車両が保存されている
写真16. 河口湖で出会った現代のフジサン特急
このように河口湖までの50分弱の道中をそれなりに楽しんだのです。でも、ハイデッカーで窓が大きいフジサン特急のほうが「ビュー」の名にふさわしいと感じました(写真16)。