接続風景~阪神尼崎

大阪と神戸を結ぶ阪神電車。実は阪神の大阪のターミナルは梅田と難波と2つあります。梅田からの路線と難波からの路線のジャンクションが尼崎です。この尼崎ではどのような光景が見られるのでしょうか?


接続風景とは

異なる路線だけれども、関係が深い2路線。これらの路線の結節点ではどのような接続が行われているのか(あるいは直通しているのか)、それを探るシリーズが「接続風景」です。この2路線、そしてジャンクションの選定は私が実施いたします。

概要紹介

阪神尼崎は阪神本線(梅田-元町)と阪神なんば線(大阪難波-阪神尼崎)のジャンクションです。ここで、梅田からの電車と大阪難波からの電車が巧みに接続を行い、短い時間で目的地に移動できるようになっているのです。

ダイヤ紹介

平日日中時間帯のダイヤを解説いたします。正確には60分サイクルのダイヤですが、阪神内では20分サイクルのパターンダイヤと考えて差し障りありません。阪神線内の20分サイクル+山陽の30分サイクルの最小公倍数が60分サイクルなのです。

阪神本線

梅田-元町(実際はもっと遠くまで行きますが、ここでは元町と表現します、以下同じです)の特急が2本、梅田-元町の普通が2本、梅田-西宮の急行と梅田-尼崎の急行が各1本です。梅田段面では、特急、急行、普通が10分間隔で発車するというイメージです。

阪神なんば線

大阪難波-神戸三宮の快速急行が1本、大阪難波-尼崎の普通が2本です。なお、近鉄線に直通し、「区間準急」などの種別を名乗ることがありますが、大阪難波-尼崎間では各駅に停車するため、ここでは「普通」と表現します。また、実際の発着駅は大阪難波ではなく、もっと東側の近鉄線の駅ですが、ここでは簡単のため、大阪難波と表現します。

阪神尼崎の連絡風景

何も考えなければ、梅田から元町までは10分に1回の乗車チャンス、大阪難波から神戸三宮までは20分に1本の乗車チャンスとなってしまいます。大都市と大都市の間の移動で20分待ちとはとても不便です。そこで、尼崎での接続を工夫することによって、乗車チャンスを拡大しているのです。具体的に見ていきましょう。

表1. 下りの接続ダイヤ

阪神連絡時刻表

下りでまず目に付くのが、梅田からの急行が尼崎に着くと、大阪難波からの快速急行が待ち構えていて、これらのリレーにより梅田-西宮・神戸三宮へのチャンネルとして機能することです。具体的には、12:22に下りの急行が到着して、12:24に下りの快速急行が発車するところです。この急行はもう役割を終えたとばかりに尼崎が終点となります。

次に、目に付くのは、大阪難波から尼崎に向かった普通が特急に接続していることです。具体的には、12:15に着いた普通は12:18発の特急に、12:27に着いた普通は12:28発の特急に接続します。これによって、大阪難波で20分間隔の快速急行を逃しても、その後に発車する普通を利用して尼崎で乗り換えれば、神戸三宮に行けることがわかります。

表2. 上りの接続ダイヤ

阪神連絡時刻表(平日上り方向)

上りも下りと同様に、快速急行と急行の接続があります。一方、梅田に向かう特急と大阪難波に向かう普通の接続は2本に1本だけになっています。具体的には、12:53に着いた特急は12:54に発車する普通に乗り換えらますが、13:03に着いた特急は乗り換えられません。このことにより、神戸三宮から大阪難波に向かう際、最大で12分の待ち時間が発生してしまいます。その代わり快速急行の神戸三宮から大阪難波までの所要時間は41分と短くなっています(逆方向は45分)。

尼崎特有の光景

これだけであれば、そう珍しいことではないかもしれません。時刻表をよく見てみましょう。梅田-元町の普通が5分停車している間に、快速急行と急行の待ち合わせを実施しています。同じホームの両面に快速急行と急行を接続して、さらに普通の待ち合わせ?3本の列車を同一ホームで乗り換えができれば簡単ですが、現実はそうもいきません。京急蒲田のように先頭に普通専用のホームを作るのも手ですが、そうすると、普通との乗り換えにホームを歩く羽目になってしまいます。

それに対して、阪神が編み出した解法は、「空いている普通電車を通路がわりに使用する」というものです。実際の光景をご覧いただきましょう(写真1)。

普通電車の左右に阪神なんば線と急行が並ぶ

写真1. 梅田行き普通電車をはさんで急行と阪神なんば線の普通が並ぶ

私が現地に行った際は、休日の夕方ラッシュへの以降時間帯ということもあってか、教科書通りの急行と快速急行の組み合わせではありませんでしたが、普通電車を通路がわりに使用している場面を眺めることができました(写真1)。

梅田行きの急行から大阪難波方面の普通(このときは普通東花園行きでした)に乗り換える乗客は、真ん中の普通電車を通路がわりに通っているのです。真ん中の番線を通るのは普通電車だけの特権ではありません。特急も真ん中の線路を使用して、なるべく乗客の便宜を図っているのです(写真2)。真ん中の番線を使うほうが、どちらにも乗り換えやすいですからね。

特急が両側の扉を開ける

写真2. 特急が真ん中に停車して乗り換えの便宜をはかっている

今回のまとめ

尼崎での接続を上手に活用することにより、梅田・大阪難波双方から神戸方面にスムーズに連絡するようにできているのです。この連絡が20分間隔で展開するのです。


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