接続風景~京成本線と押上線(青砥での列車さばきを観察する、18年12月ダイヤ改正対応)

記事上部注釈
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青砥でのアクセス特急と京成本線特急の接続
写真1. 接続する様子(上りホーム)

京成線のジャンクションである青砥。ここより都心側では京成上野方面と日本橋方面(都営線直通)に分岐します。この両者へのアクセスを確保することが重要です。そのアクセスはどのように確保しているのでしょうか。時刻表での確認と現場での調査の両方から考察しました。

※2018年12月ダイヤ改正対応済

接続風景とは

異なる路線だけれども、関係が深い2路線。これらの路線の結節点ではどのような接続が行われているのか(あるいは直通しているのか)、それを探るシリーズが「接続風景」です。この2路線、そしてジャンクションの選定は私が実施いたします。

京成本線と押上線の関係

まずは、京成電鉄の路線図をご覧いただきましょう(図1)。

京成路線図

図1. 京成線の路線網

この路線図を見ると、青砥から都心側は上野方面と押上方面(都営浅草線に直通)に分かれていることがわかると思います。朝夕時間帯は日本橋や新橋に直結する押上方面に輸送の重点が置かれ、日中時間帯は山手線に接続する上野方面に重点が置かれています(と私は推定します)。重点を置くと言っても、重点を置かないほうは全く無視して良いわけではありません。そこで重要になるのが両方向への分岐点である、青砥での接続です。今回はその青砥での接続について取り上げます。

青砥での接続概要

青砥での接続状況を時刻表で簡単に確認したあとに、現場での風景を取り上げましょう。

下り方向の接続

まずは、下り11:00~11:40のパターンを示します(表1)。

表1. 青砥下りの接続状況

青砥下りの接続状況

京成線は40分サイクルを基本としています。ここでは20分に1本の快速(日中時間帯は押上方面-京成本線に直通する唯一の例です)を基準に考えます。快速の間に特急(09、29分発)が入ります。この特急に接続する形で、都営線からの快速特急(07分着)かアクセス特急(27分着)が到着します。この快速特急アクセス特急はいずれも都営線内はエアポート快特であること、羽田空港始発であることから、ここでは同等と考えることが可能です(厳密には京急蒲田に停車か通過の違いはあります)。押上線の普通電車は02分から10分間隔で到着し、京成本線の普通電車は06分から10分間隔で発車するのが基本です。ただし、京成本線の普通電車は40分に1本だけ2分遅く発車します(この例では18分)。これは、千住大橋でスカイライナーを待避するためです。

これにより、以下の接続が確立されています。

・押上線の快速特急/アクセス特急特急

・押上線の普通→京成本線の普通は4分の乗り換え時間(4回に1回は6分)

また、高砂で以下の接続も確立されています。

・本線の普通→押上線からくる快速

・本線の特急アクセス特急

これにより、京成本線(日暮里/上野)からも都営線からも、20分に2本の速達列車への乗車チャンスが確保されています。ただし、京成本線から快速へのリレーは普通電車ですので、上野断面で2/18分間隔と等間隔ではないのが難点といえましょう。どうせなら、上野-青砥(か高砂)へのリレー列車として、同区間の特急を運転すれば良いのにと思います。

上り方向の接続

上りの青砥駅発車時刻を晒します(平日11:00~11:40、表2)。

表2. 青砥上り発車時刻

青砥上りの接続状況

京成線は40分サイクルを基本としています。ここでは20分に1本の快速(日中時間帯は押上方面-京成本線に直通する唯一の例です)を基準に考えます。快速の間に特急(13、33分発)が入ります。この特急に接続する形で、都営線への快速特急(13分)かアクセス特急(33分)が発車します。この快速特急アクセス特急はいずれも都営線内はエアポート快特であること、羽田空港行きであることから、ここでは同等と考えることが可能です(厳密には京急蒲田に停車か通過の違いはあります)。押上線の普通電車は07分から10分間隔で発車し、京成本線の普通電車は05分から10分間隔で発車するのが基本です。ただし、京成本線の普通電車はスカイライナーなどの都合で1分ほどずれます。

これにより、以下の接続が確立されています。

・京成本線の特急→押上線の快速特急/アクセス特急

・京成本線の普通→押上線の普通
※以上が上野方面→浅草線方面の乗り継ぎパターンです。

・押上線の快速→京成本線の普通
※これが浅草線直通→上野方面の乗り継ぎパターンです。

実際に上りの接続を観察する

時刻表で接続パターンを確認しましたら、実際に現場で見てみましょう

快速と普通の接続

まずは都営浅草線直通の快速と上野方面の普通の接続を観察しましょう。

上りの普通上野行きが入線

写真2. まず、2番線に普通が入線

上りの快速西馬込行きが入線

写真3. 次に1番線に快速が入線

上りの快速西馬込行きと普通上野行きが並ぶ

写真4. そして(ほぼ)同時に発車した

普通上野行きが2番線に入線します(写真2)。この普通電車は青砥でしばらく停車します。その後、快速西馬込行きが1番線に入線します(写真3)。両者がホーム両面に停車し、乗り継ぎが可能です。乗り継ぎが終了しましたら、ほぼ同時に発車したのです(写真4)。

特急とアクセス特急の接続

次に、特急アクセス特急の接続をご堪能いただくことにしましょう。この接続によって、北総線沿線-上野、京成本線沿線-都営浅草線のチャンネルも開かれるのです。

アクセス特急羽田空港行きが入線

写真5. 1番線にアクセス特急が入線

アクセス特急停車中にスカイライナーが通過

写真6. 次に特急が入線、と思いきやスカイライナーが通過

特急上野行きが入線

写真7. ようやく特急が入線

青砥でのアクセス特急と京成本線特急の接続

写真8. 相互に乗り換える乗客たち

アクセス特急も特急も発車

写真9. そして発車

まず、アクセス特急が1番線に入線します(写真5)。このアクセス特急は成田空港から羽田空港へ向かいます。その後、すぐにスカイライナーが通過します(写真6)。アクセス特急は何とか青砥までスカイライナーから逃げ切っているのですね。スカイライナーが去った後に特急が2番線に入線します(写真7)。この両者が接続し、相互に乗り換える乗客も存在します(写真8)。その後、発車します(写真9)。アクセス特急も扉が閉まっていることに気づくでしょうか?

なお、この接続劇は40分に1回しか開催されません。特急は20分間隔です。残るパターンは、特急上野行きから快速特急羽田空港行きへの接続劇です。快速特急羽田空港行きも都営浅草線内はエアポート快特として運転されるので、機能面は同等と考えることも可能です(京急蒲田の停車の有無くらいの違いはありますが、品川までと羽田空港へは機能的に同等)。

青砥での接続風景まとめ

このように、京成電鉄では巧みな接続によって、スムーズな移動を可能にしていることを意図しているのでしょう。2014年から実施されたこのダイヤは完成度が高いと思います。快速周りのダイヤ調整(押上で2分停車すること、快速から上野へのリレー列車が普通であること)が難点ですかね。

2018年12月ダイヤ改正での変化点

2018年12月にダイヤ改正が実施され、変化が見られました。基本的には下りのみの変更です。上りについては接続関係が変わるほどの変更はありません。

まずは接続関係を見てみましょう(表3-4)。

表3. 青砥での接続体系(下り)

青砥接続下り(18.12-)

下りの特急とアクセス特急の接続がなくなっています。具体的にはアクセス特急→特急の接続は維持されている(都営線→京成船橋へのチャンネルは確保されている)ものの、特急→アクセス特急の接続は維持されていません。高砂の時刻を確認してもやはり接続はありません。これは、一部でいわれている「成田空港行きがホーム両面に並んでわかりにくい」という意見を重視したためでしょう。

アクセス特急(または快速特急)から本線特急のチャンネルを確保しているものの、その接続時間は2分から4分に伸びています。したがって、都営線からの特急停車駅までの所要時間は伸びています。例えば、日本橋から京成船橋までの所要時間は、ダイヤ改正前の33分から34分に伸びています(他の駅間では2分伸びているところもあります)。わずか1分といえども、所要時間が増加して、それだけ競争力が低下しています。

余談ですが、下りの快速の時刻調整箇所が押上から高砂に変わっています。全体的な所要時間は平均0.5分伸びています。ダイヤ改正前は高砂以東で19分間隔と21分間隔の交互でしたが、ダイヤ改正後は20分間隔になっています。その代償として、半数の快速の時刻調整が長くなっています。その結果、快速の半数の所要時間が1分伸びて、平均所要時間が0.5分伸びたのです。

表4. 青砥での接続体系(上り)

青砥接続上り(18.12-)

上りについては、多少の時刻が変わった程度の変化はあるものの、接続関係がくずれるほどの変化はありません。特急系統の接続も保っています。また、快速の所要時間も変わっていません。

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