東上線には快速急行が設定されています。上りの快速急行は平日、休日ともに設定されていますが、下りの快速急行は休日の朝にしか設定されていません。その快速急行の実態はどんなものなのでしょうか?
写真1. 30000系による快速急行(平日の上り快速急行の多くは50090系です)
意外と少数派の下りの東上線快速急行
東上線には快速急行が設定されています。平日の快速急行は上りのみの設定で、朝ラッシュ後(池袋着9:59、10:29、10:59)と夕方以降に設定されています。前者は沿線住民が池袋地区に出るための意図、後者はTJライナーの車両を早く池袋に返すための意図であることが読み取れます。逆にいうと、下りの快速急行は休日にしか設定されていません。
では、休日の快速急行はどのような意図で設定され、その意図の通りに設定されているのでしょうか?特に、朝の下りについて気になりますね。朝の上りについては平日と同じでしょう。
下り快速急行設定の意図:公式発表から
東武鉄道側がどのような意図で設定しているのは、(建前かもしれませんが)ダイヤ改正のプレスリリースから読み取れることができます。少し古いですが、ここで、2013年3月16日ダイヤ改正の休日下り快速急行に関する記述を引用します。
"休日朝下りの快速急行は和光市で東急からの副都心線に接続するダイヤとし、横浜方面から東上線方面へのハイキング、ゴルフ等に便利にご利用いただけます"
ここから読み取れることは、ハイキングやゴルフなどの行楽的利用を想定しているということです(でも道具がかさむゴルフって自家用車利用が多いような気もします)。同様に2016年3月26日ダイヤ改正でも地下鉄直通快速急行について同様の発表を行っています。
公式発表と現場の違い
では、公式発表通りに利用されているのでしょうか?実際に検証しました。
調査日.16年6月土曜
調査列車.51列車(池袋7:00発)
調査結果.以下のコメントの通り
池袋→和光市 空席があるものの、ほぼ満席。1人で利用している方が多く※1、行楽客はほとんど存在しない(通常利用のように見受けられました)。
※1. 行楽に行く際は、通常2人以上で行動するように思われます(「じゃあ、お前はどうなの?」という指摘は黙殺いたします)。
志木→川越 高校生の乗車が多く、立ちも発生。高校生は参考書の類を眺めている人が多く見受けられ、土曜の授業か部活かは判断できない。部活の遠征らしき団体は存在せず。他にも私のように仕事に行かされるこれから社会に貢献する方もいました。
※私は仕事前でしたから、調査に専念できず、一部区間は寝ていました。
調査まとめ.行楽客はほとんど存在せず、下りの快速急行は現場の感覚では日常の列車という位置づけでした。ただし、もう少し遅い列車の場合は行楽客が存在した可能性も指摘できます。
補足.夕方上りの快速急行の利用状況
せっかくなので、仕事帰りは地下鉄直通快速急行を選択しました。そのために、仕事の時間を調整するというやる気のなさ有能ぶりを発揮しました。案の定というのか、小川町方面からの行楽客の存在は意識できませんでした。東上線沿線から新宿・渋谷地区に遊びに行く(って言いますけど、「遊ぶ」って何をするのでしょうか?)客層のほうが目立ちました。土曜の夜ですからね。