接続風景~代々木上原での小田急線と千代田線の接続

記事上部注釈
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代々木上原で並ぶ急行と準急

写真1. 今回の接続の白眉、急行と準急の並び

新宿を拠点に町田、小田原、藤沢、多摩ニュータウンを結ぶ小田急線。そして、都心部のビジネス街(霞ヶ関、大手町など)や高級ゾーン(表参道)を串刺し、その先にも直通する地下鉄千代田線。これら2路線のジャンクション、代々木上原。その代々木上原ではどのような景色が展開するのでしょう?

小田急新ダイヤの解析~ダイヤ改正の意図は?変化点は?でこのときのダイヤ改正の概要を探っています。

接続風景とは

異なる路線だけれども、関係が深い2路線。これらの路線の結節点ではどのような接続が行われているのか(あるいは直通しているのか)、それを探るシリーズが「接続風景」です。この2路線、そしてジャンクションの選定は私が実施いたします。

概要紹介

代々木上原は小田急小田原線(新宿-小田原)と地下鉄千代田線(代々木上原-綾瀬)の分岐点です。小田急線は東京の西側である新宿と直結、千代田線は都心エリア(表参道、霞ヶ関、日比谷、大手町)に直結しています。小田急線で代々木上原まで向かった乗客は新宿方面7:千代田線3にわかれます。このバランスが重要といえます。この2路線が同一ホームに発着しています。そのため、直通でなくとも、簡単に乗り換えられます。
また、代々木上原から西側の小田急線は複々線が完成しており、多くの列車をさばくこともスムーズな運転も可能になっています。別のいいかたをすると、新宿方面からの小田急線と千代田線という2つの複線が、代々木上原から西側の複々線になっているということです。このさばきかたも重要でしょう。

なお、千代田線はそのまま小田急線の緩行線に通じています。千代田線-緩行線の列車は新宿-急行線をの列車を支障しないようになっています。

ダイヤ紹介

平日日中時間帯のダイヤを解説いたします。20分サイクルのパターンダイヤとなっています(ここでは代々木上原を通過する特急を除きます)。小田急線側は新宿から毎時18本(1サイクル当たり6本)、千代田線は毎時12本(1サイクル当たり4本)となっていて、代々木上原以西は毎時21本(1サイクル当たり7本)の運転です。

小田急線(新宿側)は以下の内訳です。
10分間隔で快速急行、急行、各駅停車がそれぞれ1本ずつ設定されます。ただし、上りについては完全な10分間隔ではなく、どの種別も11分間隔と9分間隔の交互です。これは、20分間隔で特急が設定されているためです。

千代田線は以下の内訳です。
5分間隔で運転されています。その4本に1本(20分間隔)が小田急線に直通します。千代田線内で完結するか、常磐線に直通するかの違いはありますが、小田急線からの利用者にとっては大きな違いはないでしょう。

小田急線(代々木上原以西)は以下の内訳です。
10分間隔で快速急行、急行、各駅停車がそれぞれ1本ずつ設定されています。これらは全て新宿発着です。これに千代田線からの準急が20分間隔で加わります。休日ダイヤだと準急が10分間隔に倍増されます。ただし、休日に増発される準急は成城学園前発着です。

代々木上原での接続風景

さきにも述べたように、都心側から2つの複線が合流して、郊外側が複々線になっています。それでは、どのような接続となっているのでしょうか?

ダイヤを読みとく

他社線の接続ということもあり、上下で微妙に異なります。そこで、方向別に述べることにしましょう。

下りの接続ダイヤ

下りの発着ダイヤを取り上げます(表1)。

表1. 下りの接続ダイヤ

18.3.17ダイヤ代々木上原接続(下り)

ここでは、代々木上原断面で12:00~12:20を取り上げます。

まず、12:02に新宿からの各駅停車が到着、発車します。この1分後に千代田線からの代々木上原どまりがやってきます。両列車はギリギリのタイミングで接続しません。

この3分後の12:06に新宿からの快速急行(小田原行き)が到着、発車します。千代田線からの接続時間は3分ですね。この2分後の12:08に新宿からの急行(新松田行き)と千代田線からの準急(向ヶ丘遊園行き)がほぼ同時にやってきます。私の休日ダイヤ観察から推測すると、千代田線からの準急がわずかに早く到着します。千代田線から急行という乗り換えもそうですが、新宿から準急停車駅(千歳船橋、祖師谷大蔵、狛江)への乗り換えも成立します。これは、準急が急行通過駅のうち利用の多い駅と新宿のチャンネルとして成立していることを意味します。ここでの接続が急行であり、快速急行ではないことが重要です。そう、混雑する快速急行ではなく急行に接続することで、新宿-代々木上原で快速急行の混雑を緩和しているのです。準急は緩行線を走行しますから、新宿からの急行と平面交差しません。これはよく考えたものです。

12:13になると、千代田線から代々木上原どまりと新宿からの各駅停車が到着します。そして、各駅停車はすぐに発車します。その3分後に新宿からの快速急行(藤沢行き)が到着、発車します。12:18になると、千代田線と急行(唐木田行き)が同時に到着します。そして、急行が唐木田に向けて発車します。

下りは千代田線→急行の接続はジャストタイミング千代田線→快速急行の接続はそれなりに良好という感じですね。

上りの接続ダイヤ

表2. 上りの接続ダイヤ

18.3.17 代々木上原接続(上り)

ここも12:00~12:20について取り上げたかったのですが、説明の都合上12:01から開始します。

まず、12:03に小田原からの快速急行が到着します。12:04に発車し、それと同時に千代田線も発車します。この2分後に各駅停車がやってきて発車します。各駅停車が発車して2分、千代田線も発車します。

12:10に唐木田からの急行が到着します。この急行は12:09発の千代田線に接続できません。つまり、あと4分待つ必要があるのです。この後すぐに藤沢からの快速急行が到着します。快速急行が発車して1分、千代田線も発車します。12:15に各駅停車が到着して12:16に発車します。

12:18に準急がやってきて、12:19に発車します。その1分後に新松田からの急行がやってきます。この急行は12:19発の千代田線に接続しません。準急から新宿へのチャンネルは開かれていますが、急行から準急(千代田線)へのチャンネルは開かれていません。下りは快速急行に接続する千代田線と、急行に接続する千代田線が異なっていました。しかし、上りは同じ千代田線が快速急行と急行からの乗客を受けます。これは、上りの急行が到着する直前に千代田線が発車するためです。快速急行への乗客集中を防ぐのであれば、千代田線の発車時刻をあと1分遅らせて、急行→千代田線のチャンネルをスムーズにすべきでしょう。

上りは、急行→千代田線の接続は4分待ちと悪く、快速急行→千代田線の接続はジャストタイミングで良好です。急行と快速急行が受ける千代田線が同一というのがスマートではありませんね。

実際のダイヤを接続を軽く観察する

実際の接続風景を観察できましたので、いくつか例を挙げましょう。

上り快速急行と千代田線の接続

上りで接続が良好な例は快速急行→千代田線でしょう。

快速急行と千代田線が停車中

写真2. 快速急行が到着し、乗り換えられる

快速急行が停車すると、目の前に千代田線が停車しています(写真2)。この千代田線は始発ですので、昼間であれば着席できます。

快速急行と千代田線のドアが閉まる

写真3. 快速急行、千代田線のドアが閉まる

ほぼ同時にドアが閉まりました(写真3)。実際の発車は千代田線がわずかに早かったです。

このように、上りでは快速急行と千代田線はかなり良い接続が実現しているのです。

下り急行と準急

下りの接続で良好なのは、急行と準急でしょう。

準急が代々木上原に到着、急行はまだ到着していない

写真4. 準急が到着

千代田線からの準急が代々木上原に到着します(写真4)。この時点ではまだ急行は到着していません。

代々木上原で並ぶ急行と準急

写真5. 急行と準急が並ぶ

その直後、急行が到着して準急と並びます。余談ながら、急行は4000形、準急はJRのE233系でベースが同じ車両ですね。この後、急行、準急の順で発車しました。

代々木上原での接続まとめ

代々木上原ではそれなりに接続に気をつかっています。新宿と準急停車駅のチャンネルを確保するために接続に気をつかっていることもわかりました。また、日中時間帯は千代田線と小田急線の直通は小田急線内は緩行線を走行し、新宿-急行線の進路をふさがないようにしています。昔は小田急線が10分間隔ベース、千代田線が6分間隔とサイクルが合いませんでしたが、現在はともに10分間隔ベースとなっており、接続パターンは比較的一定となっています。これからも2本の複線から1組の複々線に変化するジャンクションとして代々木上原はその役割を果たすことでしょう。

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