静岡地区東海道線(東部地区の前面展望)




国鉄末期から10分間隔運転が行われた静岡地区。現在は10分間隔運転が行われているのは、静岡駅を中心とした興津-島田だけですが、その他の区間でも20分間隔で運転が行われています。今回は、18きっぷシーズンに東部地区の富士から熱海までに乗ってみました。

313系2000番台(熱海)

写真1. 熱海に停車中の313系



復習:静岡地区東海道線のダイヤと車両

いきなり本題に入ってもわかりにくいでしょうから、ダイヤと車両を簡単にまとめます。

東海道線静岡地区のダイヤ

静岡地区東海道線は基本的に普通のみの運転です。後述する例外はありますが、以下の系統が20分間隔で運転されていて、両者が重なる興津-静岡-島田は10分間隔で運転されるようになっています。

・熱海-静岡-島田
・興津-静岡-浜松(一部豊橋直通あり)

ただし、熱海駅そのものはJR東日本管轄であることから、(会社の異なる)JR東海の都合による20分間隔運転ができないこともあります。そのため、熱海発着ではなく、三島発着に短縮されることがあります。その場合は、富士や沼津から熱海までの区間運転があります。そうでなくとも、三島-沼津の区間運転があり、この区間は1駅ながら本数が増えるのです。おおむね毎時4本~5本が確保されています。沼津発着だけでなく、富士発着もあります。

この他に、掛川-浜松の区間運転もあります。この区間運転があり、掛川-浜松は毎時4本が確保されています。ただし、この区間は15分間隔に合わせるのではなく、20分間隔が基本で一部だけが10分間隔になっているということです。

つまり、以下の本数になっているということです(地図に合わせて左側を西側にしています)。いずれも1時間あたりの本数で示しています。

浜松(4本)掛川(3本)島田(6本)静岡(6本)興津(3本)富士(3-4本)沼津(4-5本)三島(3本)熱海

ただし、富士-三島はほとんどの時間が毎時3本で、毎時4本になるのはラッシュに近い時間帯だけです。

静岡地区東海道線の車両

東海道線の静岡地区は短編成、高頻度運転が基本です。そのため、車両も3両編成と2両編成が基本です。また、短距離利用が多いという想定で、基本的にロングシート車です。211系と313系です。211系(写真2)はトイレなし、313系(写真3)はトイレありという違いがあります。

211系6000番台(熱海)

写真2. 静岡地区で活躍する211系

313系2000番台(熱海)

写真3. 静岡地区で活躍する313系

211系は5000番台と6000番台がありますが、その違いは編成両数です。5000番台は3両編成、6000番台は2両編成です。静岡地区の313系は2300番台、2350番台、2500番台、2600番台と細かな番台区分がありますが、その違いは編成両数や発電ブレーキの有無だけで、大きな違いはありません。2両編成のロングシート車と3両編成のロングシート車があるということです。

実際に前面展望を満喫する

さて、能書きはともかくとして、実際に乗ってみましょう。

写真4. 富士を発車

富士を発車します(写真4)。富士は製紙工業の街です。そのため、富士駅近くにも工場があります。googleマップのクチコミでは、この工場について「この工場は街の衰退の元凶だ。」とありますが、工場があるおかげで産業があり、雇用もあるという事実はこのようなクチコミには反映されません。

写真5. 工業地域を走る

やはり工業地帯を走ります(写真5)。

写真6. まるで貨物駅のような吉原

吉原に停車します。ここは岳南鉄道の分岐駅です(写真6)。岳南鉄道は貨物扱いがなくなって経営が苦しくなったと聞きます。やはり、このような地域の鉄道は工業生産物を輸送することが重要な役割なのです。

写真7. 住宅街を行く

工場がある=職場があるということです。そのため、この付近には住宅街があります(写真7)。

写真8. 東田子の浦に停車中

田子の浦という名所があります。その名所の東側にあるので、東田子の浦という駅名になっています。中線があり、昔多くの特急や急行が東海道線を走っていた時代が忍ばれます。今ですか?新幹線がありますよね!

写真9. 片浜手前:少しのどかになってきた

富士と沼津の間は直線区間が続き、しばしば100km/hを超える速度で走ります。上り列車の先頭車はモーター車ですので、いっそうスピード感が増します。少しだけのどかになってきました。東京と異なり、通勤距離はそこまで長くないのでしょう。

写真10. 直線区間を行く

沼津直前でも直線区間があります。鉄道の武器はスピードと便利さです。直線区間が多く、スピードも出すこの区間はその条件を満たしています。そのため、普通だけの運転でもそこまで不便さがないのです。

写真11. 沼津に停車中

静岡県東部の主要駅である沼津に停車中です(写真11)。

写真12. 沼津に211系が停車している

静岡地区のメインは211系と313系です。そのような車両が停車しています(写真12)。

写真13. 下り普通がやってきた

下りの普通がやってきました。6両編成のようです。18きっぷシーズンということなのでしょうか?5両編成や6両編成が主体のように見えました。臨時に増結しているようです。私が乗ったの列車も5両編成です。インターネット上の情報だと3両編成となっていましたが、5両編成に増結されていたのです。

写真14. 沼津から三島も飛ばす

沼津は静岡県東部の拠点ですが、新幹線の駅はありません。そのためでしょうか、沼津から三島まで本数が多くなっています。この他にも、両都市がそれなりに人口が多いこともあるでしょう。

写真15. 沼津よりも規模の小さい三島に停車

その三島に停車します(写真15)。私の前の列車は三島どまりです。そのため、三島で多くの乗客が乗ってきました。熱海のやりくりの関係でしょうが、静岡から沼津までの有効列車は38分も間隔が開いてしまうのです。これがもし3両編成だったら、と考えるとぞっとします。

写真16. 三島では伊豆箱根鉄道ともご対面!

その三島では伊豆箱根鉄道とも出会います(写真16)。この車両は自社で導入したボックスシートの車両ですね。

写真17. 三島を発車!

乗客を多く乗せた列車は三島を出ます(写真17)。三島からは遮光幕が一番右側を除いて閉められました。そのため、ここからは右側の窓から眺めます。

写真18. 函南までの区間にはトンネルがある

なぜ、遮光幕が閉められたのでしょうか?答えはすぐに明らかになります。今まで平地を走ってきましたが、これから伊豆半島の付け根の山越えをします。その山越えのために、トンネルが多いのです(写真18)。このような山がちな地形のためか、熱海と三島の間には道路があまりありません。道路事情が貧弱なため、地方にしては鉄道利用が多いという側面もありましょう。

写真19. 山の中にある函南に停車

その中間地点の函南に停車します(写真19)。今回の旅行で最後のJR東海の駅です。

写真20. 函南を出ると丹那トンネルに!

その函南を出ると丹那トンネルに入ります。トンネル内の画像はありません。

写真21. 丹那トンネルを出た!

丹那トンネルを出ると、JR東日本管内という風情です。それもそのはず、ここは熱海駅構内の扱いとなっていて、JR東日本管内なのです。

写真22. 伊東線の来宮の横を通過!

来宮の横を通過します(写真22)。土曜なのか、多くの観光客が伊東線の電車を待っていました。伊東線はJRの路線でありながら、伊豆急行の車両が主力を占める路線です。その伊豆急行の車両はリゾート21や元東急の車両ということで、どうしてもJRの路線でないように見えてしまいます。

写真23. 海岸線が見える:リゾート地と実感!

この区間は海岸線が見えます。リゾート地らしい光景ですね。ただし、わが東海道線は静岡県の各都市を結ぶ役割が大きいのか、あまりリゾート感はありません。

写真24. 熱海に到着

熱海に到着します(写真24)。

写真25. 東京方面の電車が隣のホームに停車中!

熱海には4番線に到着し、東京方面への接続も完璧です。熱海に15:13に到着し、快速アクティが同じホームから15:14に発車します。輸送量の違いから直通運転ができなくとも、接続をきちんとしておくことは重要です。

熱海での接続を観察する

それでは、熱海の接続の様子を簡単に見てみましょう。1番線は伊東線のホーム、2、3番線が東海道線下り、4、5番線が東海道線上りとなっていて、2・3番線と4・5番線はそれぞれ同じホームです。2番線の列車と3番線の列車は同じホームで乗りかえられるということです。

写真25. 興津からの列車が到着

興津からの列車が到着します(私の乗っていた列車です、写真25)。興津から乗っていた列車はすでに浜松行きの表示になっています。4番線に到着し、上り列車の先の発車は5番線です。乗りかえ時間は1分しかありませんが、無理なく乗りかえられます。ただし、快速アクティが10両編成になっていることが気になります。熱海発車時点で満席なのです。これであれば、快速アクティを30分間隔に増発しても罰は当たりませんね。

写真26. 東京方面の東海道線が発車

そのようなことを考えたりする暇もなく、東京方面の列車は発車しました(写真26)。

313系2000番台(熱海)

写真27. 今度の下りは3番線から発車

今度の下りは3番線から発車します(写真27)。というより、東海道線三島・沼津方面はたいてい3番線から発車します。静岡や浜松は引上線を駆使して、上りホームと下りホームを統一していますが、熱海はそのようなことは行っていません。接続時間が短い場合は同一ホームにする程度の気遣い(気遣いであり、そう統一されているわけではありません)がなされている程度です。熱海を基準にダイヤを決めているのではないので、接続時間が一定しないことは仕方ありません。それでも、本線を引上線にするなどの細かな芸をするなどして、熱海で乗りかえる際に同じホームで乗りかえられるようにする工夫は必要です。

静岡地区の普通列車に乗ってみてのまとめ

今回は富士から熱海という比較的短距離しか乗りませんでしたが、スピードも遅くないため、各駅にとまるというストレスはあまり感じませんでした。また、一部区間で間隔が崩れるとはいえ、どのような区間であっても、毎時3本の運転を確保していること、一部区間では毎時6本まで本数を確保していることについては賞賛に値します。鉄道の大きな武器はスピードと利便性です。この2点を満たしていることは静岡地区のサービス水準がそれなりに高水準であることを示しています。

ただし、快適性についてはやや疑問な部分もあります。日中時間帯なのに多くの区間で立ちが生じていたことは快適性の面では問題です。また、富士以前から乗っていた乗客の多くが沼津まで乗っていました。これは中距離以上の距離を利用する人がある程度多いことを示します。このような利用客が多ければ、ロングシート車での運用はどうかと思います。転換クロスシート車による運用が適正でしょう。しかし、静岡駅周辺などは短距離利用もあり、この区間での運用は逆にロングシート車での運用が適正でしょう。逆に、名古屋地区東海道線の普通は短距離利用が前提であるのにも関わらず、クロスシート車による運転です。これはこれで車両と運用の実態が合いません。

これらの車両を交換することも1つの手です。交換後にクロスシート車は長距離運用に充当し、ロングシート車は短距離運用に充当することが、利用実態と車両設備がよりフィットすることになります。つまり、熱海-浜松の長距離運用と、それぞれの地区の区間運転に分けて、長距離運用は基本的にクロスシート車、短距離運用は基本的にロングシート車とするのです。また、混んでいる列車については増結という処方も必須でしょう。それには車両の増備が必要ですが、利用される路線の車両を増備することは当然の行動です。

このように、快適性というファクターにも目を向けてさらに利用したくなる路線に改良して欲しいものです。


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