平日朝ラッシュ時の埼京線と湘南新宿ラインの混雑状況(池袋→新宿)




日本でも有数の混雑路線、その最混雑区間は池袋到着と言われます。その一方、池袋から新宿までの混雑については取り上げられません。並行する湘南新宿ラインの混雑ともども語られることがありません。その状況はどうなのでしょうか。実際に確認しました。



埼京線池袋に停車中のりんかい線70-000系

写真1. 埼京線の電車に使われるりんかい線の車両

埼京線と湘南新宿ラインの朝ラッシュ時(池袋→新宿)の混雑状況

以下、長い文章を読みたくない人のために、簡単に結論をまとめます。

・埼京線の混雑率はおおむね143%である。定性的に表現すると、ドア部分が圧迫しているということである。
・湘南新宿ラインの混雑率はおおむね133%程度である。定性的に表現すると、座席前の吊革が埋まり、ドア部分の立ち客の密度がやや高まるということである。
・埼京線の場合、種別に関わらず、新宿行きが空いている。逆に、新木場行きが混んでいる。その混雑の差はおおよそ2倍である。
・湘南新宿ラインの場合、行先(つまり始発が宇都宮線か高崎線か)による混雑の違いは大きくない。
・埼京線、湘南新宿ラインともに前よりの車両は空いていて、後ろよりの車両は混んでいる。

混雑調査の概要

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

調査区間の選定

埼京線と湘南新宿ラインでも混んでいそうな池袋から新宿までの混雑を取り上げます。双方の沿線でなくとも、西武線や東武線から新宿方面に向かう乗客はこの区間の電車に乗ると想定できるためです。

調査方法と調査結果

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

混雑調査結果とその分析

生データを示した後に、詳しい分析をしましょう。

混雑状況の生データ

まずは、各列車の各号車ごとの調査結果を示します(表2)。各列車の混雑率も示すことにしましょう。

表2. 埼京線と湘南新宿ラインの混雑状況

埼京線、湘南新宿ライン混雑状況(朝ラッシュ、池袋→新宿)

全体的には、湘南新宿ラインのほうが空いていることがわかります。これではデータ量が多い?そのような人のために両線の混雑を別々に表にしました(表3-4)。

表3. 埼京線の混雑状況

埼京線混雑状況(朝ラッシュ、池袋→新宿)

何となく、新宿行きが空いていることがわかります。後の章で解析しませんが、赤羽始発の混雑が(他の新木場行きよりも)ゆるいこともわかります。

表4. 湘南新宿ラインの混雑状況

湘南新宿ライン混雑状況(朝ラッシュ、池袋→新宿)

特定の列車が混んでいるという感触は見られません。

混雑状況の解析

生データだけを示して、「はい、おしまい!」というのはいただけません。人格者である私のイメージ(そんなイメージない?)が崩れてしまいます。そのため、簡単に混雑状況を解析します。同じくさいたま市から新宿に向かう路線ですが、経由地が異なるので、埼京線と湘南新宿ラインそれぞれ解析することにします。

埼京線の混雑状況の解析

このような生データから混雑状況を解析します。新宿行きと新木場行きで混雑状況が大きく異なります。そこで、新宿行きと新木場行きそれぞれで混雑状況を集計しました(表5)。なお、混雑率での集計だけではなく、わかりやすいように言葉による表現も加えています。なお、この集計では9時過ぎの2本については除外しています。これは、他の新木場行きよりも混雑がゆるく、ラッシュピーク時が終了したと判断したためです。

表5. 埼京線の種別・行先ごとの混雑状況

埼京線混雑状況(朝ラッシュ、池袋→新宿、行先と種別ごと層別)

新宿行きが空いていて、新木場行きが混んでいることがわかります。新宿行きはおおむね混雑率95%程度、一方で新木場行きの混雑率は170%です。この数字を単純に考えると、池袋発車時では新宿に向かう乗客と渋谷より先に向かう乗客はおおよそ1:1といえます。いいかたを変えると、池袋発車時点では半数強の乗客が新宿で降りるのです。なお、通勤快速と各駅停車ではそこまで混雑に差はありません。遠めの駅から新宿方面に向かう人は通勤快速に乗るのでしょうが、近距離利用者は各駅停車に乗るしかないためです。現在のダイヤで通勤快速と各駅停車で混雑率に大きな差がないのであれば、一部で言われている通勤快速の各駅停車格下げは現実的ではないことがわかります。

なお、全体の混雑率は138%です。調査日は3月下旬とやや空いている時期に当たりますので、実際はこれより高い混雑となるでしょう。以前の記事で3月の混雑は年間平均よりも3%程度低いと述べました。年間平均に換算すると、混雑率143%になります。埼京線の池袋発車時点の平均的な混雑はドア部分に圧迫が生じる程度ということです。

※3月の通勤電車が空く理由は、3月に向けて通勤電車が空く理由にまとめています。

国土交通省の調査結果によると、池袋到着時点の混雑率は180%です。池袋で多くが降りることがわかります。

湘南新宿ラインの混雑状況の解析

始発駅(つまり宇都宮線か高崎線)で混雑の差はあるのでしょうか。路線ごとにまとめました(表6)。

表6. 湘南新宿ラインの混雑状況

湘南新宿ライン混雑状況(朝ラッシュ、池袋→新宿、路線ごと層別)

宇都宮線からの列車は混雑率133%、高崎線からの列車は混雑率126%と、わずかながら宇都宮線から列車のほうが混んでいます。これは、8:34発の小田原行きが空いているためです。宇都宮線からの列車にしろ、高崎線からの列車にしろ、大宮より都心側での乗車はそれなりに多いことでしょう。彼らにとっては、始発駅は関係ありません。先に来た列車に乗るだけです。8:34発は6分続行です。そのため、大宮以南からの乗車が少ないことでしょう。そのため、この列車は空いているのでしょう。それを除けば、宇都宮線と高崎線による違いはありません。

なお、両者の平均値は129%です。3月下旬ということを考えると、年間平均の混雑率は133%程度になりましょう。湘南新宿ラインの平均的な混雑は、池袋発車時点では吊革が埋まり、ドア部分の立ち客の密度がやや高いというものです。

混雑回避のテクニック

全体として混雑の傾向は埼京線新宿行き < 湘南新宿ライン < 埼京線新木場行きとなっています。池袋から乗るときには、混雑を回避したければ埼京線新宿行きに乗るのがベストです。しかし、渋谷方面に行きたい場合もあるでしょう。その場合は、湘南新宿ラインのほうが混雑はマシです。では、車両の位置はどうでしょうか?各路線でまとめました(表7-8)。

表7. 埼京線の各号車の混雑状況

埼京線混雑状況(朝ラッシュ、池袋→新宿、車両別層別)

表8. 湘南新宿ラインの各号車の混雑状況

湘南新宿ライン混雑状況(朝ラッシュ、池袋→新宿、車両ごと層別)

いずれも新宿よりを左側、大宮よりを右側に記しています。空いている車両が良ければ、埼京線は10号車~8号車、湘南新宿ラインは1号車~3号車が良いでしょう。空いているということは、それだけ、新宿や渋谷で駅の外に出るのが不便ということなのです。

逆に、埼京線も湘南新宿ラインも後ろ寄りの車両は混雑します。可能ならば、この車両(埼京線は1号車、湘南新宿ラインは15号車)を避けたほうが良いです。

ダイヤ案の考案

埼京線の中でも混んでいる電車と空いている電車があります。混んでいる電車は新木場行きで、空いている電車は新宿行きです。ラフな感覚ですが、池袋発車時点で新宿までに降りる乗客が約半数です。それは新宿行きが相対的に空くわけです。このような混雑の格差は解消したいところです。池袋発7:50~8:50で考えると、新宿行きが6本、新木場行きが12本となっています。手元の東京時刻表2008年7月号を見ても新木場行きが12本と新木場行きは増発されていません。

近い将来には相鉄線直通が始まります。その後、羽田空港に直結する計画もあります。相鉄線直通では毎時2~3本が運転されると言われています。また、羽田空港直結も同等の本数でしょう。ということは、将来的には新宿行きがなくなります。相鉄直通も、羽田直通も新木場には行きませんが、池袋発車時点でりんかい線まで向かう乗客はそこまでいないと推定できます(渋谷・恵比寿・大崎までの乗客がそれなりに多いと推定)ので、新木場行きばかり混雑することはなくなるでしょう。つまり、2019年11月30日に開始される相鉄線直通で新木場行きに乗客が集中する事態はやや改善するのです。

埼京線の各駅停車がそこそこ混雑しているということは、埼京線の近距離からの乗客が多いことを意味します。その乗客は埼京線内各駅か赤羽での乗りかえのどちらでしょうか。都市交通年報を見てみましょう。2010年度の赤羽-十条の定期券の輸送量は1日あたり24.45万人です。一方、北赤羽-赤羽の定期券の輸送量は1日あたり9.12万人です。ということは、赤羽からの乗客が多いことがわかります(大宮-赤羽を通り抜ける人は武蔵浦和経由ではなく、浦和経由で算出されることは理解しています)。このデータをそのまま解釈すると、赤羽から埼京線に乗り込む乗客が多いことがわかります。

現在の埼京線の本数は毎時18本と、乗車の多い赤羽の停車時間を考えると、これ以上増発することは困難です。とすれば、埼京線のかわりに湘南新宿ラインを増発することも1つの手です。埼京線が3分間隔であれば、6分間隔であればじゅうぶんに利用されるでしょう。湘南新宿ラインは15両編成というキャパシティの大きさを誇ります。現在の湘南新宿ラインはピーク時に毎時7本運転されています。これを毎時10本とするのです。増発される湘南新宿ラインが混雑率130%だとしても、それでも54600人の輸送力です。ピーク時の埼京線の輸送量が50000人減少すれば、板橋-池袋の混雑率は現在の180%から160%となります。これでも混んでいるほうですが、赤羽などの利用者は湘南新宿ラインという逃げ道があります。このように、湘南新宿ラインに乗客をシフトさせて、少しでも混雑を緩和する方策を考えるべきでしょう。将来的には増発のネックとなる新宿折り返しが減少するので、このような改善もしやすくなるのです。

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