西武池袋線の急行に乗る

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東京から北西方向に向かう西武池袋線。この路線は多数の種別が設定されていることで有名です。といっても、日中時間帯は種類は多くありません。その日中時間帯の主力となる急行に乗ってみました。

京急カラーの西武9000系

写真1. 京急カラーの9000系

このページの概要(目次、タップできます)
  1. 西武池袋線の列車種別
  2. 急行を堪能する

西武池袋線の列車種別

基礎知識として、西武池袋線(と秩父線)の停車駅を復習しましょう。

西武停車駅

図1. 西武池袋線の停車駅一覧(西武鉄道公式サイトから引用)

特急、S-train、快速急行、急行、通勤急行、快速、通勤準急、準急、各駅停車の9種類の種別が運転されています。S-trainは限定的にしか運転されておらず、指定席券が必要なため、あまり考える必要はありません。通勤急行と通勤準急は朝ラッシュ上りのみ運転されているため、一見さんにはあまり関係ありません。日常的に使う「プロフェッショナル」の乗客が把握していれば良いだけです。また、快速は通勤急行や通勤準急ほどではありませんが、運転時間は限られています。そのため、快速についてもそこまで考慮する必要はありません。

というわけで、一見さんが把握するべきなのは、特急、快速急行、急行、準急、各駅停車のみとなりました。これならばだいぶラクですね。日中時間帯は以下のパターンで運転されています。

特急:60分間隔で運転。池袋-西武秩父で運転
急行:60分に3本を運転。池袋-飯能で運転。池袋を毎時00、20、50分に発車。飯能を毎時15、25、45分に発車
快速急行:30分間隔で運転。元町・中華街-小手指は30分間隔、小手指-飯能は60分間隔。
準急:60分に3本を運転。池袋を毎時10、27、40分に発車。所沢を毎時04、19、52分に発車。
各駅停車:池袋を1時間に8回発着。

わけがわかりませんね。特に、急行の30分のダイヤホールが気になります。この30分のダイヤホールに特急がはさまっています。「急いでいるのなら特急に乗れ!」という意図なのかもしれませんが、これは不親切です。

池袋発着の準急と地下鉄直通の快速急行は練馬で連絡しています。これを活用すれば、急行の30分のダイヤホールは埋まります。池袋と飯能を往復することを考えてみましょう。

池袋:00、10(練馬と小手指で乗りかえ)、20、40(練馬で乗りかえ)、50
飯能:06(小手指と練馬で乗りかえ)、15、25、40(練馬で乗りかえ)、45

池袋から飯能までは1時間の5回の乗車チャンスがあり、それなりといえます。所沢では乗車チャンスが1時間に6回に増えます。ただし、上りは各駅停車が先着という無茶苦茶なダイヤですが…。西武を弁護するようですが、この各駅停車は所沢から池袋まで36分とそこまで時間がかからない各駅停車であることは記しておきます。

地下鉄直通が30分サイクルを基本としているのに対し、準急と急行が1時間に3本運転だったり、特急が1時間間隔ではさまるのがこのような難しいダイヤである理由でしょう。

急行を堪能する

そのような基礎を復習が終わったら、急行に乗ってみましょう。乗ったのは20分発の急行です。前の急行から20分開いています。10分後に特急が発車していますが、特急に追いつかれません。

写真2. 池袋の液晶掲示板

池袋には電光掲示板が設置されています。というより、液晶の表示です(写真2)。これはこれでわかりやすいですが、快速急行に接続する準急について、「快速急行連絡」のような表示はなされるのでしょうか。

写真3. 京急カラーの9000系

私が選択した急行は9000系でした(写真3)。9000系は10両編成であるため、各駅停車に充当されません。今回は京急カラーの車両でした。なお、車内は通常の9000系です。

写真4. 先発の各駅停車が発車した

11:18、先発の各駅停車が発車しました(写真4)。私が乗る急行は11:20に発車しますから、わずか2分前の発車です。

写真5. 信号が青になって発車!

信号が青になった途端に発車です(写真5)。進行表示になっていない間に発車メロディーが鳴っていました。ロスタイムを少しでも減らすことに敬意を示します。

写真6. 40000系とすれ違う

椎名町を通過する前に各駅停車とすれ違います。この各駅停車は11:22に到着します。わが急行が早く発車しないとこの各駅停車が入線できません。その各駅停車の直後に池袋に着くのが準急です(写真6)。新鋭40000系が使われています。

写真7. 東長崎手前で警戒信号が連続

やはり2分続行というのは無理があるのでしょうか。東長崎手前で警戒信号が連続しています(写真7)。手前は注意信号でも良さそうですが…。

写真8. 先発の各駅停車が待避線に入る

やはり先発の各駅停車が待避線に入っていました(写真8)。ここで各駅停車を追い抜き、速度を上げます。

写真9. 練馬手前で有楽町線と合流!

練馬手前で有楽町線と合流します(写真9)。西武有楽町線です。地下鉄ではありません。2010年度の統計からは流動は以下の通りです。

・桜台-練馬では22.79万人/日
・新桜台-練馬では3.93万人/日

つまり、練馬以東の流動のうち、15%が有楽町線に流れ、残り85%が池袋線に流れています。この数値はそこまで多くありませんが、練馬以東の混雑緩和と速度向上(少し本数を減らしても問題ないため)に貢献していることは確実です。

写真10. 練馬から複々線

その練馬から複々線になります(写真10)。外側が急行線、内側が緩行線の構造です。この練馬は複々線の外側に通過線があります。時間帯によっては、地下鉄直通の準急が各駅停車と接続をとっている停車時間を活用して、急行の待ち合わせを行っています。これはこれで合理的なダイヤです。練馬は代々木上原や中目黒ほど乗りかえが多くないでしょうから、通過線を設けることじたいは問題ありません。

写真11. 複々線を地下鉄直通電車が行き交う

複々線では急行は急行線(外側)を走行します(写真11)。だいたいの複々線は外側に急行線、内側に緩行線という配線になっています。小田急は例外的といえます。内側線に東急の車両が見えます。これは副都心線直通の各駅停車です。この各駅停車は小竹向原で有楽町線に連絡しています。

写真12. 地下鉄からの保谷行きに追いつく

新木場からの各駅停車保谷行きに追いつきます(写真12)。複々線だからこそできる芸当ですね。

写真13. 複々線の終点石神井公園に入線

複々線の終点である石神井公園に入線します(写真13)。石神井公園から西は複線ですが、輸送量は桜台-練馬よりも少ないです。石神井公園が急行停車駅であることからしても、ここで複々線が終了するのはそれなりに納得できます。

写真14. さっき追い抜いた各駅停車がやってきた

そう思っていたら、さきほど追い抜いた各駅停車がやってきました(写真14)。各駅停車から急行への連絡ができるようになっています。この各駅停車は有楽町線からやってきます。つまり、有楽町線方面からの所沢方面へのチャンネルがここで開かれています。ただし、この各駅停車は副都心線からのチャンネルは実質ありません。小竹向原断面で4分前に快速急行が発車しているためです。副都心線の乗客は前の快速急行を利用します。それでも、接続していることは高く評価できます。

写真15. 石神井公園を発車して複線区間へ

その石神井公園を発車すると複線に収束します(写真15)。

写真16. また地下鉄直通の各駅停車がやってきた

地下鉄直通の各駅停車がやってきました(写真16)。西武線からは、副都心線方面、有楽町線方面はそれぞれ毎時4本運転されています。副都心線へは毎時2本の各駅停車が、有楽町線へは毎時4本の各駅停車が運転されています。それは本数が多いわけです。

写真17. 西武線のフラッグシップ、特急レッドアロー

西武の看板列車である特急とすれ違います(写真17)。新型特急導入を機に特別車と一般車の連結という形態になることを期待していました(=特別車と一般車いずれも乗車チャンス増大)が、結局特別車のみの編成になっていますね。

写真18. ひばりヶ丘で準急を追い抜く

ひばりヶ丘で準急を追い抜きます(写真18)。準急は石神井公園からは各駅に停車しますので、各駅停車への連絡と同じと考えることができます。

写真19. ひばりヶ丘で副都心線直通の各駅停車がやってきた

そのひばりヶ丘で上りの各駅停車もやってきました(写真19)。西武線のダイヤパターンでは有楽町線直通のスジなのですが、この電車は副都心線直通になっています。車両精算の関係なのでしょうか、イレギュラーな行先になっています。もっとも、小竹向原で同一ホームで接続をとっているので、機能的には大差ありません。本来のダイヤパターンであれば小竹向原で、和光市-副都心線と西武線-有楽町線の組み合わせなのが、和光市-有楽町線、西武線-副都心線の組み合わせに変わっただけなのです。

写真20. 上りの快速急行がやってきた

そして、上りの快速急行がやってきました(写真20)。この快速急行はひばりヶ丘で先ほどの各駅停車を追い抜きます。

写真21. 清瀬も2面4線の駅

清瀬を通過します(写真21)。ここも2面4線なのですね。ここで待避する電車は多くありませんが、朝のラッシュ時に副都心線直通の快速が快速急行を待ち合せます。

写真22. 秋津を過ぎると武蔵野線との連絡線が合流

秋津を過ぎると、武蔵野線との連絡線と合流します(写真22)。この線路を活用した定期営業列車はありませんが、車両のやり取りには重要な線路です。この線路は武蔵野線の府中本町方面に通じています。武蔵野線を利用する主たる流動は所沢方面と南浦和方面と聞きます。そのため、この線路を活用した直通はダイヤ上が困難で、なおかつ流動にあっていないため、実現する可能性は限りなく低いです。

写真23. 昔ながらの黄色の電車は少ない

急行とすれ違います。だいぶ黄色の電車が減ってきましたね(写真23)。

写真24. 所沢停車中に上りの各駅停車がやってきた

所沢に到着します。急行はここから各駅に停車します。所沢は西武線の一大拠点です。すると、またしても黄色い電車がやってきました。しかし、この電車は邪道です。有名なキャラクターでスマイルトレインにラッピングしているだけです(写真24)。せっかくの美しい車体が台無しですね。

写真25. 西所沢で狭山線と分岐

西所沢で狭山線と分岐します(写真25)。

写真26. 小手指も立派な2面4線の駅

小手指も立派な2面4線の駅です(写真26)。ここからは本数が減少します。東上線の川越市のようなものですね。

写真27. 小手指には車庫がある

その小手指には車庫があります(写真27)。多くの車両を確認できます。

写真28. 快速急行は通過!

急行は所沢以西で各駅に停車しますが、快速急行は飯能まで通過駅があります。その小さな駅を快速急行が通過します(写真28)。

写真29. 入間の自衛隊基地

右側を眺めると、入間の自衛隊基地が見えます。航空ショーをやる日は大変な人出と聞きますが、この日は平穏でした。

写真30. 入間市では高低差がある

入間市付近では高低差が見られます。この付近は関東平野の外縁部なのでしょう。

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