豊橋鉄道に乗る(路面電車、郊外電車両方収録!)

記事上部注釈
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豊橋から三河田原までの路線と、豊橋市内に路面電車を有する豊橋鉄道。あまり取り上げられる機会は多くありませんが、15分間隔運転を行っていたりするなど、地方民鉄でも優等生といえる鉄道でしょう。この優等生の実態に触れてみました。

豊橋鉄道の路線網

図1. 豊橋鉄道の路線網(wikipedia先生より)

このページの概要(目次、タップできます)
  1. 豊橋市内の路面電車
  2. 豊鉄渥美線に乗る

豊橋市内の路面電車

まずは、基本的な概要を示します。

豊橋鉄道の路面電車(豊鉄市内線)の概要
  • 路線名:東田本線(あずまだほんせん)
  • 区間:駅前-赤岩口、井原-運動公園前
    ※正式名称は豊橋駅前ではなく、駅前です。
  • 距離:5.4km
  • 路線形態:全線電化、駅前-競輪場は複線、他は単線

愛知県東部に位置する豊橋市。人口37万人とそこまで多くありませんが、路面電車があります。その路面電車は豊橋市ではなく、豊橋鉄道が運営しています。路線図は上に示した(図1)通りで、基本的には1本の系統ですが、終点側で2つに分岐しています。この路面電車は1998年に豊橋駅前に乗り入れて、新幹線を筆頭とする各路線との接続強化をはかったことが1つのポイントでしょう。

駅前から赤岩口の路線が主体で、井原-運動公園前は枝線的な位置づけです。この区間は1982年開業の比較的新しい区間です。そのためか急なカーブがあり、その半径は11mと日本一の急カーブです。

さて、実際に乗ってみましょう。

写真1. 豊橋駅西口にある看板(市電は市内電車の略?)

豊橋駅西口には案内の看板があります(写真1)。豊橋市が運営していないのに市電とは変だと思いますが、よく考えれば豊鉄市内線の市内電車の略かと納得することにしました。

写真2. みどころの多い豊橋市

豊橋は名古屋大都市圏の外縁に位置するだけの都市と認識していましたが、いろいろと見どころはあるようです(写真2)。

写真3. 駅前電停は1線だけ

公式には駅前-競輪場は複線とされていますが、駅前は1線しかありません(写真3)。これは土地の問題や折り返しの問題があるためと理解できます。乗るためのホームと降りるためのホームは分かれており、停車時間は最小限で済ませる工夫があります。

写真4. 車内の最新の液晶テレビ

きた車両はビンテージものでしたが、案内には抜かりはありません。現代的なテレビジョンが設置されています(写真4)。

写真5. 時代を感じさせる車内

しかし、最新の設備なのはテレビジョンだけでした。他は古い時代を隠そうとしない内装です(写真5)。新車(かそのまがい物)に統一されている都電荒川線は稀有な存在なのでしょう。

写真6. 豊橋の住宅街を行く

そのような観察をしていたら、電車は駅前を出ました。豊橋の市街地を走ります(写真6)。

写真7. 元名鉄の車両とすれ違う

豊橋鉄道にはビンテージものの車両、ほっとらむのような新車、そして名鉄からの中古車(それなりに新しい)があります。その1つの名鉄からの中古車とすれ違います(写真7)。このような車両に乗れたので、後で軽くレポートしましょう。

写真8. 街道ぞいに広がる古い街を行く

古くからの街も走ります(写真8)。江戸時代にはここは宿場町だったのでしょうか。それは風情があるのですが、車内は揺れます。都電のレベルの高さを実感しました。

写真9. 競輪場前からは単線!

途中の競輪場前からは単線です(写真9)。ここからは末端で利用が少なく、本数も少なくて良いという判断でしょうか。

写真10. 井原のカーブを眺める

井原のカーブです(写真10)。ここが日本一の急カーブです。これがあるために最新の低床車は運動公園前に乗り入れできません。

写真11. 運動公園前に到着した

その井原から1つ、終点の運動公園前に到着しました(写真11)。確かに、近くに広いグラウンドがありました。

図2. 運動公園前と赤岩口の位置関係

運動公園前から赤岩口までは歩ける距離です。そのため、私は歩くことにしました。井原-赤岩口だけ乗り残すのも情けないですしね。

写真12. 赤岩口の車庫

赤岩口に到着しました。赤岩口には車庫があります(写真12)。ここからは14分間隔ですので、観察する時間が生まれたのです。ここで、地元の若い(中学生かな?)のアベックを目撃しました。私についていく形で彼らも軽く車庫を観察していました。この2人は将来有望と判断しています。

写真13. 車庫へは1回赤岩口を通り過ぎる

その車庫に入るには、赤岩口を通り過ぎて、スイッチバックするかたちで行く必要があります。オペレーション的にはやりにくいでしょう。

写真14. 元名鉄車がやってきた

そのアベックと私の前にやってきた車両は、元名鉄車でした(写真14)。さっきのビンテージものより新しい車両です。もともと岐阜市内の路面電車に使われていました。

写真15. 名鉄時代の内装が色濃く残る

横引きカーテンなど名鉄時代の内装が色濃く残っています(写真15)。

写真16. 比較的新しい内装

さきほどの車両よりも新しい時代のものであることが感じられるとおもいます(写真16)。

写真17. それでもステップはある

それでも、ステップはあります(写真17)。これでは乗り降りしにくいですね。

写真18. 補助板も出る

そのような弱点を知っているのか、補助板も出ます(写真18)。この車両に揺られて駅前に戻ったのです。

豊鉄渥美線に乗る

豊橋鉄道は新豊橋から三河田原までの路線もあります。この路線の概要を復習しましょう。

豊橋鉄道渥美線の概要
  • 区間:新豊橋-三河田原
  • 距離:18.0km
  • 路線形態:全線単線電化

新豊橋(豊橋駅からすぐ!)から三河田原までの18.0kmを結びます。車両は東急の中古車で、3両編成です。本家東急では7700系がなくなったと話題になっていますが、ここ豊橋鉄道ではさらに古い車両が現役で活躍中です。この3両編成が15分間隔で発車しています。大都市圏の外れとはいえ15分間隔で運転していることは大変立派です。そうであれば、電車利用の動機も産まれるというものです。

さて、実際に乗ってみましょう。

写真19. コンビニが目立つ新豊橋駅

新豊橋は豊橋駅のすぐ近くにあります(図3)。同じ駅名でも良さそうなくらい、近いです。利用者の中には「ここが豊橋駅とは違う駅である新豊橋駅」という認識がない人も多いかもしれません。それにしてもコンビニの存在感が大きいですね。

図3. 新豊橋駅の位置

写真20. 新豊橋には2本が停車中

その新豊橋の改札を入ると2本が停車中です(写真20)。座席がほどよく埋まる程度の混雑と記憶しています。ただし、先頭車は改札から遠いためか空いていたようにも記憶しています。

写真21. 渥美線の路線図

渥美線の路線図です(写真21)。速達列車も分岐もなく、単純な路線であることがわかります。

写真22. 新豊橋を発車

新豊橋を発車しました(写真22)。

写真23. JRの隣を走る

JRの隣を走ります(写真23)。この線路とわかれたら三河田原まで1本道です。

写真24. 国道の隣を走る

東海道線などを乗り越えると、国道の隣を走ります(写真24)。少し路面電車のような雰囲気もありますね。

写真25. 車庫が広がる

国道から離れると高師です。だれかの名前のような響きですね。その高師では車庫があります(写真25)。みんな同じ車両でつまらないです。

写真26. 丘陵を走る

高師を過ぎると丘陵地帯です(写真26)。国道沿いの市街地からの急な景色変化に驚きました。ただし、周囲は住宅街であり、豊橋の市街地を抜けたのではありません。

写真27. 急カーブと急勾配

このように急カーブと急勾配もあります(写真27)。

写真28. 開けた風景を走る

いつまでも豊橋の市街地を走るわけではありません。このような開けた風景もあります(写真28)。

写真29. 川を渡る

開けた風景の最も顕著な例が川でしょう(写真29)。

写真30. 前面展望は良好!

この路線の車両は前面展望が良好です。これは開放感を確保するという意味では非常に良いものです。私のようなファンにとっても。

写真31. 三河田原の立派な駅舎

写真32. 美しい三河田原駅

三河田原に着きました。近年建て替えたのか、立派な駅舎です(写真31-32)。ただし、住民のコミュニティスペースが多く、よそ者のための施設(土産物屋など)はありません。それでも、終点の駅が立派なきれいな駅舎であることはサービス上プラスになりますし、地元の自治体が鉄道を重要な交通機関として認めている証拠にもなります。

写真32. 三河田原に停車中の電車

三河田原に停車中の電車です。ホームはそこまで手を加えていないこともわかります。

今回はファンにあまり注目されない豊橋鉄道渥美線について見てきました。15分間隔で運転されており、その車内もそこそこ混雑していることから、地元の足として定着していること分かりました。また、終点の三河田原には新しい駅舎が建設されて、その中には地元民のための施設があることから、三河田原が地域の拠点として機能していることも確認できました。路線図だけ見ると名鉄と直通できそうに見えますが、都市間輸送の名鉄と地域輸送の豊鉄という機能の違いから直通は難しいことでしょう。これからも地域に溶け込む鉄道であって欲しいものです。

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