地下鉄有楽町線、副都心線(過去ダイヤ)

記事上部注釈
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地下鉄有楽町線と副都心線のダイヤを2001年からまとめます。

写真1. 新宿三丁目に停車中の各駅停車

ダイヤパターンとは?

都市鉄道のパターンダイヤを簡単にまとめたものです。都市鉄道ではダイヤは繰り返し単位になっており、そのようになっているダイヤをパターンダイヤと称します。また、パターンダイヤの周期をサイクルと呼びます。本記事はダイヤの繰り返しの単位とその内訳から、その路線のダイヤの骨格を理解することを目的としています。

例えば、20分に急行1本と各駅停車2本ならば、「20分サイクルのパターンダイヤでその内訳は急行1本と各駅停車2本」と表現できます。原則をつかむために、基本的には朝ラッシュ上り、日中時間帯、夕方ラッシュ下りについて述べます。

なお、厳密には大きいサイクルで論じるべき部分もありますが、厳密さを無視すると小さなサイクルで論じることができる場合もあります。この場合、小さなサイクルを疑似サイクルと称します。先の例だと、実は急行が1時間間隔で遠方に向かう場合、厳密には60分サイクルです。しかし、遠方に直通するか否かがあまり重要視されない場面だと、20分サイクルと考察することも可能です。このような場合、疑似20分サイクルと称するということです。

地下鉄有楽町線、副都心線の朝ラッシュ時のダイヤパターン

有楽町線は和光市から都心に向かう流れが主体ですが、副都心線は両側からの流れがあります。そこで、本記事では両方向について述べることにします。

和光市から都心への流れ

2001年7月時点では15分サイクルのパターンダイヤといってよく、和光市(や東武線)からの新木場行きが15分に3本、西武線からの新木場行きが15分に2本、和光市からの新線池袋行きが15分に1~2本運転されていました。西武線から新線池袋行きは設定が少なく(新木場行きと交差するため)、新線池袋行きが小竹向原以西での本数稼ぎという部分が強かったです。このほかに小竹向原始発の新木場行きも15分に1本程度設定されていました。

2007年3月時点では西武線直通電車が5分間隔、和光市方面が平均5分間隔でそれぞれ設定され、小竹向原以北の「本数稼ぎ」として和光市方面から新線池袋行きが別途設定(約10分間隔)され、当該の電車は小竹向原で西武線からの新木場行きに接続していました。

2008年6月には副都心線が開業(渋谷-池袋)し、地味だった新線池袋は副都心線池袋に役割を変えました。また、新線池袋-小竹向原に要町、千川のホームが設置され(副都心線までは両駅は通過扱いだった)、装いを新たにしました。さらに副都心線池袋と丸ノ内線池袋の間に連絡通路が設置され、副都心線を活用した都心方面へのチャンネルも新たに設定されました。

基本的に15分サイクルのパターンダイヤで以下の構成でした。

  • 有楽町線:西武線から2本、東武線から2本、和光市始発2本
  • 副都心線:西武線から急行1本、東武線から通勤急行1本、西武線から各駅停車1本、東武線から各駅停車1本

従来は西武線から新線池袋への設定はほぼありませんでしたが、西武線からの副都心線も設定したいという理由で、今回から15分に2回設定されました。このため、従来のダイヤでは発生しなかった平面交差が発生し(西武線からの副都心線と和光市方面からの有楽町線は同時に発車できない)、ダイヤが乱れる原因となりました。なお、通勤急行は和光市から小竹向原までの各駅にとまる急行という定義ですので、西武線直通電車はその定義には合致せずに急行と案内されます。

2013年3月時点では副都心線と東横線の直通運転を開始し、新宿地区と東横線の動脈にもなりました。朝ラッシュ時は池袋や新宿三丁目からの各駅停車が増発されていますが、どちらかというと渋谷からの折り返しでしょう。なお、2008年6月時点で問題となった「西武線からの副都心線と和光市方面からの有楽町線は同時に発車できない」点については、このダイヤ改正時点で立体交差の完成にともなって解消されています(逆方向は2016年の完成)。

2016年3月時点では平日ダイヤでも急行が明治神宮前に停車するようになりました。そのため、朝ラッシュ時の西武線からの急行通勤急行に改称されています(2023年に通勤急行が明治神宮前に停車するようになり、再び急行に改称されました)。ただし、名称の定義が変わったためであり、2016年時点では従前の停車駅と同じです。

2017年には西武線から早朝に1本だけS-trainという座席指定列車が走り始めました。

2023年には通勤急行が明治神宮前(原宿)に停車するようになり、7年ぶりに西武線からの速達列車が急行と名乗るようになりました。これで速達列車が終日明治神宮前に停車するようになったのです。

渋谷からの流れ

本記事では2008年の副都心線開業以降について取り上げます。2008年時点では下りを逆にしたダイヤの速達列車と各駅停車の平均7.5分間隔でした。このときは東急東横線との直通はなされておらず、この流れは弱いものでした。

2013年3月に東急東横線との直通運転を開始し、従来通りの速達列車、各駅停車の各平均7.5分間隔のほかにパターン外で池袋行きが設定されました。東横線からの渋谷行きが多いと後続の直通電車に乗客が集中するという懸念があったのでしょう。

2023年3月の相鉄直通に合わせ、新宿三丁目行きが増発されました。これにより、朝8時台の渋谷到着の東横線電車は最低でも新宿三丁目まで行くことになり、便利になりました。

地下鉄有楽町線、副都心線の日中時間帯のダイヤパターン

2001年7月時点では新木場-小竹向原は6分間隔が基本で、30分に2本が西武線直通、30分に3本が和光市方面というのが基本でした。西武線直通電車で抜けるぶんの「本数稼ぎ」で新線池袋-和光市が30分に2本設定され、小竹向原で西武線直通電車と相互に連絡していました。

2007年3月時点では西武線直通電車が30分に3本に増発されており、増発ぶんは新線池袋発着でした。新線池袋と西武線の相互利用は主目的ではなく(西武池袋線のほうが合理的)、西武有楽町線内の「本数稼ぎ」のための設定です。

2008年6月には副都心線が開業(渋谷-池袋)し、地味だった新線池袋は副都心線池袋に役割を変えました。また、新線池袋-小竹向原に要町、千川のホームが設置され(副都心線までは両駅は通過扱いだった)、装いを新たにしました。さらに副都心線池袋と丸ノ内線池袋の間に連絡通路が設置され、副都心線を活用した都心方面へのチャンネルも新たに設定されました。

2008年時点では30分サイクルのパターンダイヤが基本で、以下の構成でした。

30分サイクルのパターンダイヤです。1サイクル当たりの内訳は以下の通りです。

  • 有楽町線:新木場-西武線2本、新木場-東武線1本(東武線内が30分サイクルではないため時刻はずれる)、新木場-和光市2本
  • 副都心線急行2本(15分間隔、西武線直通1本と東武線直通1本)、各駅停車4本(西武線直通1本、東武線直通1本、和光市発着2本)

ただし、東武線が15分サイクルのパターンダイヤを放棄したことや(従来のダイヤでは川越市以北が15分間隔という問題があった)、有楽町線準急の設定もあり、正確には60分サイクルでした。

有楽町線準急は不評だったのか(要町以北で10分以上のダイヤホールが発生)、2010年時点では廃止されています。

2013年3月時点では副都心線と東横線の直通運転を開始し、新宿地区と東横線の動脈にもなりました。直通先の東武が30分サイクル(森林公園以北は60分サイクルだが)になったこともあり、有楽町線、副都心線は線内についてはともに美しい30分サイクルに統一されました。

  • 有楽町線:新木場-西武線2本、新木場-東武線1本、新木場-和光市2本
  • 副都心線急行2本(15分間隔、西武線直通1本と東武線直通1本)、各駅停車4本(西武線直通1本、和光市発着2本)、区間運転各駅停車1本(新宿三丁目-渋谷1本)

2013年以前と比較し、東武線直通電車が整理された(=和光市折り返しが増えて線内の本数は変更なし)一方、新宿三丁目以南運転の区間運転が30分間隔が増発されました。渋谷折り返しが多すぎると地下鉄直通電車に混雑が集中するという読みもあったのでしょう。このほか、西武線直通電車の西武線内の種別が従来の快速から快速急行に変更されました。

2015年3月時点では土曜・休日ダイヤの急行は明治神宮前に停車するようになりました。ただし、平日の急行通勤急行は通過します。土曜・休日ダイヤの通勤急行はどうでしょうか?もともと土曜・休日ダイヤには通勤急行は存在しないので、それは愚問です。2016年3月時点では平日ダイヤも急行が明治神宮前に停車するようになりました。

また、2016年時点ではFライナーの名称も使われるようになり、東武線直通の東武線内も従来の普通から急行に変更されました(東武線内急行と種別を入れ替えたため、速達列車と各駅停車系の総本数は変わらない)。

2019年には新宿三丁目-渋谷の区間運転が池袋まで延長され、池袋-渋谷の区間運転になっています。この区間は東新宿で速達列車各駅停車を追い抜く設定ですので、この延長で池袋-新宿三丁目の有効列車が毎時2本増えたことは大きいと思います。

2020年には有楽町線-西武線を30分間隔で増発し、有楽町線の日中時間帯を6分間隔から5分間隔に短縮し、抜本的な増発でした。これで小竹向原断面で有楽町線副都心線の本数が合致しますが、1:1の接続とはなりませんでした。この意欲的な設定も2022年には池袋-西武線内で放棄され、2023年には全線で放棄され、有楽町線は従来の6分間隔に戻りました。

その2023年ダイヤ改正で東武線直通は東武線内は急行から快速急行に変更されました。池袋発着急行はベーシックな速達列車として運転し、速達性という付加価値と地下鉄直通という付加価値を1本の電車で兼ねた形です。同時に相鉄直通も開始しましたが、副都心線的には行先の変更程度であり、構成はそこまで変わっていません。

地下鉄有楽町線、副都心線の夕方ラッシュ時のダイヤパターン

朝ラッシュ時と同じく、都心から両方向への流れがありますので、それぞれを記します。

都心から和光市方面と西武線への流れ

2001年7月時点では約5分間隔で運転され、約10分間隔で西武線直通電車が設定され、同等の本数だけ新線池袋始発の和光市方面行きが設定されていました。両者は相互に接続し、新線池袋発着は小竹向原以北の「本数稼ぎ」として機能していました。

2007年3月時点では微妙に増発され、西武直通電車は30分に3本になっています(2001年7月時点では特定の60分を切り取ると5本だった)。同数の新線池袋発着の和光市方面が設定されています。

2008年6月には副都心線が開業(渋谷-池袋)し、地味だった新線池袋は副都心線池袋に役割を変えました。また、新線池袋-小竹向原に要町、千川のホームが設置され(副都心線までは両駅は通過扱いだった)、装いを新たにしました。さらに副都心線池袋と丸ノ内線池袋の間に連絡通路が設置され、副都心線を活用した都心方面へのチャンネルも新たに設定されました。

基本的に有楽町線は4分~5分間隔、副都心線は日中時間帯同等の本数(15分サイクルに速達列車1本、各駅停車2本)でした。従来は新線池袋から西武線への設定はありませんでしたが、副都心線から西武線直通電車が設定され、平面交差が発生しています。

2013年3月時点では副都心線と東横線の直通運転を開始し、新宿地区と東横線の動脈にもなりました。夕ラッシュ時は副都心線の始発駅が渋谷から東横線に変わったほかは大きな変化はありません。ただし、逆方向の送り込みという意図か、渋谷から新宿三丁目行きの区間運転が15分~30分間隔で増発されています。

2016年には立体交差完成により、小竹向原の平面交差が解消しています。反対方向は2013年に完成していますが、ダイヤ乱れに対する1つの回答です。

2017年には夕方、夜間、深夜にそれぞれS-trainが1本ずつ運転開始しました。2019年には1時間間隔に増強されています。もともと有楽町線は過密ダイヤではないので、そのほかの列車は間引かれていません。

2023年には通勤急行が明治神宮前(原宿)に停車するようになり、7年ぶりに西武線への速達列車が急行と名乗るようになりました。これで速達列車が終日明治神宮前に停車するようになったのです。

副都心から渋谷への流れ

本記事では2008年の副都心線開業以降について取り上げます。2008年時点では下りを逆にしたダイヤで、速達列車が15分間隔、各駅停車は平均7.5分間隔でした。このときは東急東横線との直通はなされておらず、この流れは弱いものでした。

2013年3月時点では副都心線と東横線の直通運転を開始し、新宿地区と東横線の動脈にもなりました。夕ラッシュ時は急行(あるいは通勤急行)15分間隔、各駅停車が15分に2本のほかに、新宿三丁目始発の各駅停車が15~30分間隔で増発されています。

2023年3月時点では速達列車の間に各駅停車が3本挿入される時間帯があり、その先の東急線内の混雑を見据えたものですが、反対方向より混雑していない一方、本数が多いのはちょっとどうかと思ってしまいます。

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