ベルリンの乗り鉄を楽しんだ私はベルリン中央駅に舞い戻ってきました。
ベルリン中央駅の概要と歴史
写真1. ベルリン中央駅(前日に撮影)
ベルリン中央駅は立派な駅です。4つの地下ホーム、3つの高架ホームと1つの地下鉄(2両編成という事実は見なかったことにします)が存在するのです。でも、何だか新しい感じがしませんか?同じく大ターミナル駅のフランクフルト中央駅は古くて風格があるのにも関わらずです。鉄道先進国のドイツ、それも首都ベルリンの中央駅なのだから、そんな新しいはずはないだろう、そう思いますよね?私もそう思っていました(参考までに東京駅開業は1914年です)。
写真2. フランクフルト中央駅(見たような写真であることには触れてはいけません)
実はベルリン中央駅は新しい駅で、2006年開業なのです。わが首都東京に遅れること92年です。その理由を簡単に振り返ってみましょう。
戦前、ベルリンはヨーロッパの大都市としては例外になく、分散型のターミナルを有する都市でした(ただし、一部のターミナル間は連絡線が存在しました)。現在でも、パリ、ロンドン、モスクワ、いずれも中央駅はありませんね(知っていましたか?)。戦後、復興がなされますが、ドイツ、そしてベルリンが東西に分断したことは交通網の形成に重要な影響を与えました(位置関係は図1)。
図1. 東西に分割されたドイツ、そしてベルリン
ベルリンが分断されると、戦前のターミナル駅も東西に分割されてしまいました。そのため、西側はベルリン動物園駅、東側はベルリン東駅を拠点としていました。ベルリン動物園駅は西側のターミナル駅となっていましたが、ターミナル駅とは名ばかりで1日10往復程度の長距離列車しか存在していなかったといいます(西ベルリンと西ドイツの連絡列車は東ドイツ-ある意味敵地-を走るので、本数も多く設定できないでしょう)。
そして、ある日突然、ベルリンの壁が開放されて、東西の行き来は自由になりました。それから1年も経過しないうちに、東西ドイツは再統一されました。ここではその政治的なことには触れませんが、我々の趣味的に重要な点は、ベルリンと国内各地の流動が増大したことです。これに対応するために、新路線を建設(南北方向の長距離線)を整備し、東西方向の長距離線と南北方向の長距離線の交点に新規中央駅を建設したのです。これがベルリン中央駅です(だいぶ適当な説明ですね)。
大規模な駅が建設できたということは、市街化が進んでいない地域であったということです。現にベルリン中央駅は市街地から外れています。
写真3. ベルリン中央駅周辺の景色
ベルリン市中央部で長距離列車が停車するのは、ベルリン中央駅のみです。従来からの市街地であったベルリン動物園駅やアレクサンダー広場駅(以上2駅は東西方向の長距離線が通ります)、新しく開発が進行するポツダム広場駅(南北方向の長距離線が通ります)は無視するのです。これらの駅には長距離列車を停車させたほうが良いと思います。せっかく中心部を通るのですから。
ベルリン中央駅でICEやベルリンワルシャワエクスプレスなどさまざまな列車を撮影する
さて、様々な列車を観察しましょう。
写真4. 高架を快走するICE
写真5. 朝撮り損ねたオール2階建ての中距離列車
写真6. ベルリンとワルシャワを結ぶ長距離列車(機関車)
写真7. ベルリンとワルシャワを結ぶ長距離列車(客車)
通常の通勤列車やICEだけではなく、国際列車とも出会えました。ドイツのベルリンとポーランドのワルシャワを直結させる国際列車です。時刻表を見ると、ワルシャワを6:00に出発して、ベルリンに11:15に到着する便であるようです。私が見た限りでは、ベルリン中央駅の高架ホームでは直接折り返す列車はありませんでした。
写真8. 快走するSバーン
写真9. きれいな駅に発着する中距離列車
写真10. 太陽を浴びながら待つ乗客
ホームの端部にある設備は椅子ではないように見えましたが、椅子としてノビノビ使用していたように見える人もいました(写真10)。
写真11. 多くの人で賑わうホーム
写真12. ベルリン中央駅構内から東側(ベルリン東駅)方面を眺める
私の乗る列車は地下ホームから発車します(つまり南北方向の長距離線を経由するのです)。そこで、地下ホームに移動しました。
写真12. ハンブルクからインスブルック(オーストリア)まで行く列車の電光掲示
私はこの先ミュンヘンに向かいますが、選択した列車はミュンヘンの先、インスブルックまで直通する列車でした。ICE-Tを使用した12両編成(7両編成+5両編成)でした。ICE-Tも座席は回転しません。どんな席に当たるのか不安でした。始発駅を10:19に発車して、終着駅に20:51に到着するという長丁場ぶりを発揮します。まあ、ハンブルクからミュンヘンまで行く乗客はこの列車を利用しないと思います(ハノーファー経由のほうが早いです)。
写真13. ICE-T入線の様子
きれいな写真を撮影したかったのですが、結局見知らぬ男性の頭がメインになってしまいました。まあ、それだけ多くの利用客で賑わっているという様子が撮影できたので、よしとしましょう。
1年半後に再度、ベルリン中央駅を訪問しています。今度は駅構内の解説など詳細なガイドとなっています。その意味でもご覧いただくとトクするでしょう。
さて、この移動の前後はどこに行ったのでしょうか?
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