ベルリン観光といえば、ベルリン中央駅です!(よね?)そんなベルリン中央駅についての記事を執筆していませんでした。そこで、ここではベルリン中央駅そのものについて述べます。ベルリン中央駅の位置、構内の様子、中心街とのアクセスといった実用的な側面、そしてベルリン中央駅に発着する列車の表情といった趣味的な側面の2つの面からベルリン中央駅の実態に迫ります。
写真1. ガラスが美しいベルリン中央駅
ベルリン中央駅の概要
歴史的な部分の解説は省略します。なぜって?以前にきちんと解説したからです。
ここでは実用的な情報を提供しましょう。
ベルリン中央駅の構造
図1. ベルリン中央駅の構内図(DBのサイトより引用)
まずは本家本元の鉄道会社が提供している構内図を示します(図1)。この図を見ると、5層構造になっていて、最も上の階(11-16番線)と下の階(1-8番線)はそれぞれホームが設けられています。真ん中の階には出入り口があります。ここから上に行くか下に行くかすることによって、目的のホームにたどり着けます。
観光ガイドに掲載されているSバーンは高いホームにあります。15番線、16番線からの発車です。地下のホーム1番線から8番線と、地上のホーム11番線から14番線は近郊列車や長距離列車が発車するホームです。なお、9番線と10番線は存在しません。
ベルリン中央駅は新しい駅ですので、石造りの重厚な建物ではなく、ガラスが中心の近代的な建物です。また、ヨーロッパによくある頭端式の構造ではなく、通り抜け型の構造になっていることも特徴です。
ベルリン中央駅の位置
図2. ベルリン中央駅の位置(いつも通りgoogleマップからの引用)
ベルリン中央駅の位置を示します(図2)。これでは実感がわかないと思いますが、中心街から離れています。駅の中はさまざまな店があるので、駅そのものは便利ですが…。
写真2. ベルリン中央駅の北側(駅前)
ベルリン中央駅前の光景を示します(写真2)。遠くに建物は見えますが、何となく中心街という感じがしないことがわかります。あくまでも鉄道の拠点であり、街の拠点ではないのです。
では、どのように中心街にアクセスするのでしょうか?答えはSバーンかUバーンを利用するというものです。以下に、主要ポイントへのアクセス方法を示します。
ベルリン中央駅からベルリン市内各地へのアクセス方法を簡単にまとめました。ドイツ語の駅名は識別できれば良いと割り切り、正式名称ではないものを記している場合があります。
中心部から離れているとはいっても、たったの3駅程度でアクセスできます。そのうち、この駅周辺も発達することでしょう。
ベルリン中央駅の構内を体験する
写真3. ベルリン中央駅の入口
ベルリン中央駅に入ってみましょう(写真3)。これは写真1とは異なり、北側の出入口です。ベルリン中央駅は高架線が東西に通っていますので、(日本の感覚でいうと)南口と北口があります。北口から入ったのです。
写真4. 中央駅で見かける光景
その入口を入ると、Sバーンが行き交う光景が見えます(写真4)。市内移動では重宝する交通機関ですね。入口を入ってすぐに列車が目の前に広がるのです。
写真5. そのSバーンの駅名標
Sバーンのホームに向かってみましょう。ここには駅名標が掲げられていますが、レアターという表示が見えます(写真5)。ベルリン中央駅がレアター駅と呼ばれていた時代の名残です。
写真6. 高架のSバーンのホームから下を眺める
そのホームから下を覗いてみましょう(写真6)。下のホームまで吹き抜けの構造になっていることがわかります。開放的なデザインを意図したのでしょうが、ちょっと怖さもあります。その吹き抜けを象徴する写真をお見せしましょう。
写真7. 吹き抜けが印象的なベルリン中央駅
写真8. 吹き抜けが印象的なベルリン中央駅
高架のホームと地下のホームの中間から周囲のを眺めたものです(写真7-8)。階ごとに天井があるスタイルではなく、中央部分が吹き抜けになっていることがわかります。この中には多くの店があり、パン屋やマクドナルドなどの食事ができる店、日本食の店、土産物屋など、駅構内で時間を過ごすことも可能です。ヨーロッパの駅には改札がないことが多く、ベルリン中央駅もその例に含まれます。そのため、「改札外」「改札内」という概念がありません。このことで、駅構内が街の一部として機能しています。
ベルリン中央駅にやってくる列車と触れ合う
駅の主役といえば、店ではなく列車です。その列車を観察しましょう。
写真9. 電車タイプの近郊列車
ベルリン中央駅には多くの系統のREが乗り入れます。私の目の前にRB21系統が現れました。RB21系統はベルリンフリードリヒ通り駅からポツダムを経由する系統のようです。同じポツダムを経由するRE1系統よりも停車駅は若干多いです。時刻表を調べますと、ポツダムよりも郊外側の運行になる列車もそれなりにあるようです。
写真10. 電車タイプの近郊列車
別のタイプの近郊列車もやってきました(写真10)。これはベルリンの北西部と南東部を結ぶ系統です。この系統に限らず、REは1時間間隔と本数が少ないです(30分間隔のRE1系統が多い方なのかもしれません)。その程度で足りる需要しかないのかもしれません。
写真11. バーゼル行きのICE
バーゼル行きのICEもやってきました(写真11)。ベルリンからフランクフルトを経由して、スイスのバーゼルまで向かいます。
写真12. アムステルダム行きのIC
アムステルダム(オランダ)行きのICもやってきました。スイス行きといい、アムステルダム行きといい、国際列車の見本市のようですね。その割には、ドイツ鉄道の車両ばかりなのですが…。
写真13. ICとICEの並び
そのICEとICが並びました(写真13)。同方向に2つの線路があるので、停車時間がある程度長くても問題ありません。先発は俊足を誇るICEで16:30の発車、次発はICで16:34の発車です。いずれも次はベルリンシュパンダウに停車します。ここですでに2分の差が開きます。すなわち、先発のICEと次発のICは6分の間隔なのです。ヴォルフスブルク発車時はさらに差が開き、23分の間隔が開いています。
余談ながら、フランクフルト方面に向かうICEは2時間に1本しかヴォルフスブルクに停車しません。それならヴォルフスブルクに停車するICEは2時間に1本かというと、そうではありません。同じ経路上にルール方面に向かうICEも走行しており、この系統も2時間に1本停車します。合わせて2時間に2本停車しているのです。このようにして、利便性と速達性をある程度の水準で両立しているのです。これだけ編成両数が長いのだから、編成両数を半減させて列車を増発すると良いのに、いや何でもありません。
写真14. ICEが走り去る
写真15. ICが走り去る(制御客車ではない)
ICE、ICの順で発車しました(写真14-15)。ベルリンに乗り入れるICは制御客車がついているものを見かけませんでした。昔ながらの客車というように見えます。ルール地方では制御客車が多いというイメージなんですけどね。
写真16. 美しいSバーン
最も本数が多いのがSバーンです(写真16)。発車のたびに独特のモーター音が響き渡ります。この他に、チェコ国鉄の車両による列車も見かけましたが、これはプラハへの移動の際に紹介しましょう。
ベルリンの観光名所を見てみましょう!以下のページにまとめています。
ベルリン観光のおすすめスポットとモデルコース(18年ベルリン観光)
前後でこれらを観光しました。
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