ベルリン中央駅を楽しむ(18年ベルリン旅行記、23年情報更新)

記事上部注釈
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ベルリン観光といえば、ベルリン中央駅です!ベルリン中央駅の位置、構内の様子、中心街とのアクセスといった実用的な側面、そしてベルリン中央駅に発着する列車の表情といった趣味的な側面の2つの面からベルリン中央駅の実態に迫ります。

補足

本記事はオリジナルを2018年に執筆しましたが、2023年に再訪した際に情報を改めて上書きしています。そのため、2023年更新版としてご認識ください。

写真1. ガラスが美しいベルリン中央駅

重要

本記事で詳細に解説しますが、ドイツの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。

ベルリン中央駅の概要

歴史的な部分の解説は省略します。なぜって?以前にきちんと解説したからです。

こちらもチェック!関連リンク

ベルリン中央駅についての歴史を簡単に解説しました。

16年夏ドイツ鉄道旅行記~ベルリン中央駅での列車観察

※別ウィンドウで開きます。

ここでは実用的な情報を提供しましょう。

ベルリン中央駅の構造

図1. ベルリン中央駅とその周辺(ドイツ鉄道公式サイトより引用)

ベルリン中央駅は東西方向の線路と南北方向の線路が交差しています(図1)。

図2. ベルリン中央駅の構内図(公式サイトより引用)

では、その線路はどのように交差しているのでしょうか。構内図を示します(図2)。この図を見ると、5層構造になっていて、最も上の階(11-16番線)と下の階(1-8番線)はそれぞれホームが設けられています。真ん中の階には出入り口があります。ここから上に行くか下に行くかすることによって、目的のホームにたどり着けます。

観光ガイドに掲載されているSバーンは高いホームにあります。15番線、16番線からの発車です。地下のホーム1番線から8番線と、地上のホーム11番線から14番線は近郊列車や長距離列車が発車するホームです。なお、9番線と10番線は存在しません。

ベルリン中央駅は新しい駅ですので、石造りの重厚な建物ではなく、ガラスが中心の近代的な建物です。また、ヨーロッパによくある頭端式の構造ではなく、通り抜け型の構造になっていることも特徴です。

主要な発車番線

ベルリン中央駅を発車する系統の発車ホームを大まかにまとめます。

  • Sバーン東方向(フリードリヒ通り、アレクサンダー広場駅方面):15番線
  • Sバーン西方向(ツォー、ポツダム方面):16番線
  • 長距離線東方向(コトブス方面):11、12番線
  • 長距離線西方向(ポツダム、マクデブルク方面):13、14番線
  • 長距離線北方向(ハンブルク、ロストック、ワルシャワ方面):5~8番線
  • 長距離線南方向(フランクフルト、ミュンヘン方面):1~4番線
補足

本記事ではベルリンの都市交通についても述べています。SバーンやUバーンという名称を多く使います。

また、路線図についても示します。

図3. ベルリンSバーンとUバーンの路線図(ベルリンSバーン公式サイトより引用)

図4. ベルリンの地域交通(VBB公式サイトより引用)

図5. ドイツの長距離ネットワーク(ドイツ鉄道公式サイトより引用)

ベルリン中央駅の位置

図6. ベルリン中央駅の位置(いつも通りgoogleマップからの引用)

ベルリン中央駅の位置を示します(図2)。これでは実感がわかないと思いますが、中心街から離れています。駅の中はさまざまな店があるので、駅そのものは便利ですが…。

写真2. ベルリン中央駅の北側(駅前)

ベルリン中央駅前の光景を示します(写真2)。遠くに建物は見えますが、何となく中心街という感じがしないことがわかります。あくまでも鉄道の拠点であり、街の拠点ではないのです。

では、どのように中心街にアクセスするのでしょうか?答えはSバーンかUバーンを利用するというものです。以下に、主要ポイントへのアクセス方法を示します。

中心部から離れているとはいっても、たったの3駅程度でアクセスできます。そのうち、この駅周辺も発達することでしょう。

ベルリン中央駅の構内の様子

まず、ベルリン中央駅の構内の様子を紹介します。

ベルリン中央駅のコンコース

写真3. ベルリン中央駅の入口(北側)

北側からベルリン中央駅に入ってみましょう(写真3)。ベルリン中央駅は高架線が東西に通っていますので、(日本の感覚でいうと)南口と北口があります。北口から入ったのです。

写真4. ベルリン中央駅を北側から入った光景

その入口を入ると、Sバーンが行き交う光景が見えます(写真4)。市内移動では重宝する交通機関ですね。入口を入ってすぐに列車が目の前に広がるのです。

写真5. ベルリン中央駅を南側から入る(2023年に撮影)

ベルリン中央駅を南側から入ります(写真5)。

写真6. ベルリン中央駅を南側から入る(2023年撮影)

ベルリン中央駅を南側から入ったところです(写真6)。

写真7. エスカレータで上がったところ(2023年撮影)

南側からエスカレータで上がります(写真7)。この階から11~16番線への階段(エスカレータ等)につながっています。

写真8. 1Fからの光景

1Fからの光景です(写真8)。黒系の空間でモダンに見せつつ、外光を取り入れることで暗い空間にはしていません。

写真9. 1Fから眺める

少し角度を変えて眺めました(写真9)。

写真10. 南側のコンコースの様子

1F(日本でいう2F)のコンコースの様子です(写真10)。吹き抜けが駅をより広く見せています。

写真11. 2Fのホームからコンコースを眺める(2023年撮影)

2Fのホームから下る角度でコンコースを眺めます(写真11)。これは北側のSバーンのホームから降りたところです。

写真12. レストランがあった!(2023年撮影)

レストランがありました(写真12)。VAPIANO Berlin Europaplatzです。列車に乗る前に夕食をとるにはちょうど良かったです。列車に乗る前に夕食?ということは夕食後に列車に乗るの?

写真13. VAPIANO Berlin Europaplatzの様子(2023年に撮影)

そのレストランの様子です(写真13)。日本のフードコートと同様、札を持って席で待つスタイルでした。後会計なことが興味深かったのです。

写真14. (ベルリン基準で)軽食をいただく(2023年撮影)

軽食をいただきました(写真14)。私にとってはしっかりした夕食でしたが。

写真15. 地下1Fに向かう(2023年に撮影)

今度は地下1Fに向かいましょう(写真15)!0Fにコンコース、1Fに高架ホーム、地下1Fに地下ホームという配置でも良いのでしょうが、そうすると、0Fの階段設置場所に制限が増えてしまいます。そのため、クッションとして1層ずつ設けたのでしょう。

写真16. 地下1Fの様子(2023年撮影)

地下1Fの様子です(写真16)。ここから1~8番線に行くことができます。鉄道会社の検索システムではベルリン中央駅の1~8番線はBerlin Hbf(tief)地下ホームであることが明確になっていることが多いです。東京駅の京葉線ホームより近いので、tiefと書かれていても特に問題ありません(高架ホームでも地下ホームでも入口から2フロア下がることには変わりません!)。

写真17. 地下1Fからの光景(2023年撮影)

地下1Fから吹き抜けを眺めました(写真15)。

写真18. 地下1Fの様子

地下1Fの様子です(写真18)。

写真19. ホームへの階段(2023年撮影)

地下ホームへの階段があります(写真19)。

写真20. スーパーマーケットがある

スーパーマーケットがありました(写真20)。2023年にベルリンを観光したときは日曜と祝日でした。そのため、街の商店はやっておらず(休店法がある)、休日でも営業が許されている駅のスーパーマーケットは大賑わいでした。ベルリン中央駅には多くの店舗があり、改札がないこともあり(車内で検札がある)、ベルリンの活気がそのまま駅に反映されている印象でした。

ベルリン中央駅は複雑な構造ですが、中央部に大きな吹き抜けがあります。そのため、吹き抜けを通じ現在地を常に把握でき、迷いにくいと感じました。

ベルリン中央駅のホーム

さて、ホームの様子を観察しましょう。まず、高架ホームに向かいます。

写真21. そのSバーンの駅名標

高架ホームのうち、Sバーンのホームに向かってみましょう。ここには駅名標が掲げられていますが、レアターという表示が見えます(写真21)。ベルリン中央駅がレアター駅と呼ばれていた時代の名残です。

写真22. 高架のSバーンのホームから下を眺める

そのホームから下を覗いてみましょう(写真22)。下のホームまで吹き抜けの構造になっていることがわかります。開放的なデザインを意図したのでしょうが、ちょっと怖さもあります。

写真23. 高架ホームの様子(2023年撮影)

高架ホームの様子です(写真23)。15番線と16番線はSバーンホームです。ここから高架ホームの11~14番線の列車を眺めることができます。基本的には11~16番線であれば雰囲気は変わりません。

写真24. 高架ホームから北側の出口を眺める(2023年撮影)

高架ホームから北側の出口を眺めます(写真24)。

写真25. ホームの中ほどはドームに覆われる

ホームの中ほどはドームに覆われています(写真25)。

次に地下ホームの雰囲気も堪能しましょう!

写真26. 地下ホームに降りる(2023年撮影)

地下ホームに降ります(写真26)。

写真27. 地下ホームの様子

地下ホームの様子です(写真27)。私が見た限り、1~4番線は南方面の列車が発車し、5~8番線は北方面の列車が発車します。この列車は南方向のフランクフルトから来たICEです。

写真28. ベルリン中央駅地下ホームはやや地味な印象

ガラス張りのドーム屋根が印象的な高架ホームより、地下ホームは地味な印象です(写真28)。とはいえ、長距離列車の多くはここ地下ホームにやってくるので(高架ホームの4線に対し、地下ホームは8線)、長距離列車利用はこちらのほうがなじみ深いかもしれません。

ベルリン中央駅にやってくる列車と触れ合う

駅の主役といえば、店ではなく列車です。その列車を観察しましょう。

写真29. 電車タイプの近郊列車

ベルリン中央駅には多くの系統のREが乗り入れます。私の目の前にRB21系統が現れました(写真29)。RB21系統はベルリンフリードリヒ通り駅からポツダムを経由する系統のようです。同じポツダムを経由するRE1系統よりも停車駅は若干多いです。時刻表を調べますと、ポツダムよりも郊外側の運行になる列車もそれなりにあるようです。

写真30. 電車タイプの近郊列車

別のタイプの近郊列車もやってきました(写真30)。これはベルリンの北西部と南東部を結ぶ系統です。この系統に限らず、REは1時間間隔と本数が少ないです(30分間隔のRE1系統が多い方なのかもしれません)。その程度で足りる需要しかないのかもしれません。

写真31. バーゼル行きのICE

バーゼル行きのICEもやってきました(写真31)。ベルリンからフランクフルトを経由して、スイスのバーゼルまで向かいます。確かバーゼルまではドイツ国内の扱い(※)です。

※バーゼルはスイス第3の都市ですが、フランスとドイツに接する国境の都市です。

写真32. アムステルダム行きのIC

アムステルダム(オランダ)行きのICもやってきました。国際列車なのにECではないのですか?スイス行きといい、アムステルダム行きといい、国際列車の見本市のようですね。その割には、ドイツ鉄道の車両ばかりなのですが…。

写真33. ICとICEの並び

そのICEとICが並びました(写真33)。同方向に2つの線路があるので、停車時間がある程度長くても問題ありません。先発は俊足を誇るICEで16:30の発車、次発はICで16:34の発車です。いずれも次はベルリンシュパンダウに停車します。ここですでに2分の差が開きます。すなわち、先発のICEと次発のICは6分の間隔なのです。ヴォルフスブルク発車時はさらに差が開き、23分の間隔が開いています。

余談ながら、フランクフルト方面に向かうICEは2時間に1本しかヴォルフスブルクに停車しません。それならヴォルフスブルクに停車するICEは2時間に1本かというと、そうではありません。同じ経路上にルール方面に向かうICEも走行しており、この系統も2時間に1本停車します。合わせて2時間に2本停車しているのです。このようにして、利便性と速達性をある程度の水準で両立しているのです。これだけ編成両数が長いのだから、編成両数を半減させて列車を増発すると良いのに。

写真34. ICEが走り去る

写真35. ICが走り去る(制御客車ではない)

ICE、ICの順で発車しました(写真34-35)。ベルリンに乗り入れるICは制御客車がついているものを見かけませんでした。昔ながらの客車というように見えます。ルール地方では制御客車が多いというイメージなんですけどね。

写真36. 美しいSバーン

最も本数が多いのがSバーンです(写真36)。発車のたびに独特のモーター音が響き渡ります。

写真37. Sバーンがやってきた(2023年撮影)

2023年もその風情は健在でした(写真37)。塗装変更車です。

地下ホームにはより多くの長距離列車がやってきます。その地下ホームに向かいましょう。

写真38. チェコ車によるECが停車中

チェコ車によるEC(プラハ本駅行き)が停車中です(写真38)。

写真39. プラハからやってきた列車

プラハ方面からやってきた列車です(写真39)。

写真40. チェコ車らしい色づかい

チェコ車らしい色づかいです(写真40)。

写真41. ベルリンブランデンブルク空港行きのRE(2023年撮影)

ベルリン中央駅からベルリンブランデンブルク空港行きのREは毎時4本程度運転されていますが、30分間隔で北側を迂回、30分間隔で高架線を経由します。個別に見ると、毎時2本の運転です。

写真42. ICEがやってきた(2023年撮影)

ICEが南側からやってきました(写真42)。フランクフルト方面かミュンヘン方面からやってきたのかな?

写真43. 妙な表示(2023年撮影)

電光掲示板を見ると、同じ時刻にICとNJが発車します(写真43)。種明かしをすると、座席車はIC扱い、寝台車はNJ扱いです。

写真44. 妙な列車がやってきた(2023年撮影)

オーストリアを経由しないのにオーストリア国鉄が運営するチューリッヒ行きがやってきました(写真44)。

写真45. その正体は夜行列車ナイトジェット

その正体は夜行列車のナイトジェットでした(写真45)!

ベルリン中央駅の地下鉄5号線の様子

ベルリン中央駅は地下鉄5号線によってウンターデンリンデン方面につながっています。その表情も観察します。

写真46. U5を上から眺める(2023年撮影)

U5を上から眺めます(写真46)。U5はベルリン中央駅では南北方向に通っています。

写真47. ドイツ鉄道との乗りかえ口(2023年撮影)

ドイツ鉄道との乗りかえ口です(写真47)。ちょっと裏口感がありませんか?

写真48. 地下鉄が停車中

地下鉄が停車中です(写真48)。ベルリンの地下鉄は路線に関わらず、黄色の車体です。

ベルリン中央駅周辺

写真49. ベルリン中央駅を南側から眺める

ベルリン中央駅を南側から眺めました(写真49)。2020年代になり、Cube berlinが建設されました。ここの中はイカした内装ですよ!

写真50. インターシティホテルから眺めるベルリン中央駅

駅前にはインターシティホテルがあり、そこからベルリン中央駅を眺めることもできます(写真50)。

前後を読みたい!

ベルリンの観光名所を見てみましょう!以下のページにまとめています。

ベルリン観光のおすすめスポットとモデルコース(18年ベルリン観光)

前後でこれらを観光しました。

←(前)ベルリンUバーンとトラムに親しむ(2018年)

(次)ベルリンからプラハまでEC(国際特急列車)に乗る→

※別ウィンドウで開きます。

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