世界最古のモノレールに乗る(18年GW)

記事上部注釈
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世界最古のモノレールはどこにあるのでしょう?鉄道発祥の地、イギリス?それとも世界屈指の工業力を誇るアメリカ?実はドイツにあります。それもヴッパータールというあまり有名ではない街にあります。実際に現地に行って、実情を探ったところ、日本のモノレールにはない特徴も見えてきました。

世界最古のモノレールの概要

概要をご覧いただきましょう。

ヴッパータールの空港鉄道の概要

ヴッパータールの空中鉄道の概要を示します。

    都市:ヴッパータール(ドイツ西部ノルトラインヴェストファーレン州にあります)
  • 開業:1901年
  • 区間:Vohwinkel(西側終点)-Oberbarmen Bf(東側終点)
  • 営業キロ:13.3km
  • 運転間隔:およそ4-5分
  • 方式:懸垂式(細かく分けるとランゲン式といいますが、詳しいことは専門家まで!)

もともとヴッパータールは川沿いに発達した都市です。そのため、土地が狭くて川や道路の上に鉄道を建設する必要がありました。そのため、土地を有効に活用できるモノレール(空中鉄道)を建設したのです。1901年という20世紀最初の年に開業しています。建設は1898年から開始されていますので、19世紀の設備が使われていることになります。わが日本にモノレールが建設されたのは1964年のことですから、実に63年先行しているわけです。

ヴッパータールへのアクセス

「世界最古のモノレールはヴッパータールにあります」と述べても、「じゃあ、ヴッパータールにはどう行けば良いの?」と新しい疑問が生じるだけでしょう。そこで、ヴッパータールへのアクセスを簡単に解説します。

ヴッパータールはデュッセルドルフに近い都市です。そのため、デュッセルドルフからアクセスすることを考えます。デュッセルドルフからREで12分ほどです。

NRW州の路線図

(参考)図1. ノルトラインヴェストファーレン州の近郊列車網

この地区には多くのREが通じていますが、デュッセルドルフからはRE13系統、RE4系統が通じています。また、S8系統でもアクセスできます。公式サイトの時刻表によると、RE13系統がデュッセルドルフ毎時12分発で毎時1本(60分間隔)、RE4系統がデュッセルドルフ毎時40発で毎時1本(60分間隔)と、合計約30分間隔で運転されています。また、Sバーンはデュッセルドルフ発毎時10分、30分、50分の20分間隔です。

ヴッパータールのモノレールに乗る

写真1. モノレールの入口(ヴッパータール中央駅)

では、実際にモノレールに乗りましょう。

写真2. 24時間券を購入する画面

私は乗車券を買いなおす手間がもったいないので、1日乗車券を購入しました(写真2)。自動券売機で24-Stunden Ticketを選択すれば問題ありません。

写真3. ホームからは川も見える

私はヴッパータール中央駅から西側の終点へ乗車し、そこから東側の終点まで乗りました。そのヴッパータール中央駅付近でも川が流れており、モノレールのホームから川が見えます(写真3)。懸垂式ですので、下は無防備です。

写真4. ヴッパータール中央駅に到着する新型車両

写真5. 私が乗る方向も新型車両がやってきた

私が見た感じでは、新型車の割合が多かったです。私が乗る直前に来た電車は両方向ともに新型でした(写真4-5)。私は後方の展望が開ける最後尾の位置に陣取りました。最後尾には運転席がないので、視界が開けるのです。

写真6. 川の上を行く

写真7. 川の上を行く

川の上を走る区間が多いです(写真6-7)。やはり川の上しか土地を有効活用できなかったのでしょうか。

写真8. 国鉄(ドイツ鉄道)線をくぐる

全体的に見ると、国鉄線に併走しているのですが、一部区間では国鉄線をくぐります(写真8)。

写真9. 保存車両とすれ違う

これは珍しい光景です。保存車両のお召し列車とすれ違いました(写真9)。

写真10. 折り返しの様子

西側の終点(Vohwinkel)に着きました。ここで折り返すのですが、ループ線をぐるりと回って折り返します(写真10)。ランゲン式は後退できませんので、逆向きに走行できません。そのため、終点ではぐるりと回って、車両は常に同じ方向を向くようにしています。

写真11. 川の上を行く

さて、東側の終点(Oberbarmen Bf)に向けて進みます。やはり川の上を行く区間が多いですね(写真11)。

写真12. 道路を眺める

道路を眺めて走ります(写真12)。

写真13. 古めの車両とすれ違う

古めの車両とすれ違います(写真13)。この車両は以前の主力車両でした。ここまでで気づくことは、支柱が道路の端に立っていることです。支柱を真ん中に設置しようとしたら、道路を拡幅しなければなりません。これでは、限られた土地の有効活用という当初の予定が霞んでしまいます。モノレールのために道路を拡張できるということは、道路そのものの幅を広げれば良いだけですし。

写真14. 国鉄線に接して走行する

国鉄線と出会いました(写真14)。なかなか列車が走行するシーンには出会いませんでしたが…。

写真15. ヴッパータール空中鉄道の車内(進行方向を向いて撮影)

ここで、車内を観察します。進行方向の右側だけに扉と通路があることに気づきます(写真15)。各駅のホームは進行方向右側にあり、車両が進行方向が固定されているためにできる芸当です。つまり、進行方向右手にドアと通路があれば良いのです。こうすれば、スムーズな乗降と座席数の確保が両立できそうです。

このように、世界最古の空中鉄道は地元民の気軽な足として利用されているのです。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

←ルール地方のREとSバーンに乗る(18年GW)

世界最古のモノレールに乗る(18年GW):今ココ!

デュッセルドルフから成田まで航空機に乗る(18年GW)→

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

★この旅行の全体像を旅行後の感想といっしょに簡単にまとめています。
ヨーロッパ5か国旅行のまとめ(振り返り)

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