205系。国鉄末期に導入された通勤型電車ですが、JR化後にも導入は進みました。このうち、110km/h対応などの進化をとげた究極の205系の車内を紹介します。
写真1. 稲荷駅に入線する205系1000番台
復習:205系1000番台の概要
205系1000番台の概要を復習しましょう。
- 所属:JR西日本
- 運用:奈良線・大和路線(木津-奈良)
※阪和線用としてデビューしましたが、225系投入で転属です - 形態:4ドアロングシート
もともと205系1000番台は阪和線用としてデビューしました。快速電車として運用することも考慮して110km/h対応(205系の基本設計では100km/h対応)となっています。また、乗客サービス向上と狙い、前面展望しやすく改良しています。
阪和線の活躍の晩年は普通電車運用が中心だったのですが、その普通電車にも3ドア転換クロスシートの225系電車が導入され(運用共通化による合理化が目的でしょう)、奈良線に転属されています。
外観は青い帯をまとっていますが、現在に至るまでその姿を変えていません。奈良線では黄緑色の帯を巻くほうが親切な気がします。
205系1000番台の車内を眺める
さて、実際に205系1000番台の車内を眺めましょう。
写真2. 車内の全景
車内の全景です(写真2)。青い座席と黄色の握り棒が印象に残ります。
写真3. 車内の全景
車内の全景です(写真3)。207系などと同等の車内を目指しているように見えます。
写真4. 車端部の様子
車端部の様子です(写真4)。壁の色もJR西日本流の色に変わっています。
写真5. 車端部の様子
車端部の様子をもう少し近くから眺めました(写真5)。袖仕切りがオリジナルの205系よりも増設されています。下半分がもともとの仕切板、その上が増設されたものです。
写真6. 客用ドア
客用ドアです(写真6)。ステンレスむき出しで化粧板がなく、ドアも単板ガラスです。リニューアル車と見られますが、ドアはリニューアルされていません。東武鉄道の10000系だとドアがリニューアルされていますが、JR西日本車はそこまでやらないようです。
写真7. ドア上の電光掲示板
ドア上に電光掲示板が設置されています(写真7)。確か一部のドアに電光掲示板が設置されています。文字はやや小さめと思います。
写真8. 天井の様子
天井の様子です(写真8)。207系とは異なり、蛍光灯にカバーはありません。
写真9. 天井の様子
天井を別の角度から撮影しました(写真9)。
写真10. 運転席後ろの仕切壁
運転席後ろの仕切壁です(写真10)。窓が大きく、前面展望に優れています。前面展望は悪いより良いに越したことはありません。
写真11. 前面の形状
前面の形状を改めて眺めます(写真11)。運転席側の窓が小さく、反対側の窓が大きくてかつ下方向に伸びています。運転席後ろの仕切壁の窓の形状を含めて前面展望に工夫されています。
205系1000番台に触れ合ってみて
205系1000番台。205系そのものが国鉄からJRへの移行期に製造された車両ですから、国鉄型とJR型の両方の香りがします。その205系の中でオリジナリティが発揮されたのが205系1000番台です。さらにJR西日本流にリニューアルされ、JR型という雰囲気が出ています。とはいえ、銀色むき出しのドアや単板ガラスの窓などの造作はJR西日本風でなく、国鉄型らしさを感じさせます。
2022年時点で、205系1000番台はJR西日本のなかでは車歴は高いほうではありません。そのため、しばらく活躍することでしょう。