223系6000番台の車内(223系2000番台も共通)

記事上部注釈
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JR西日本のアーバンネットワークのスタンダードとなった223系電車。多くの番台がありますが、多くが2000番台や6000番台です。その車内を紹介しましょう。

写真1. 223系6000番台の外観(中央の細いオレンジ帯が特徴)

復習:223系電車の概要

223系の概要を復習しましょう。

223系電車の概要
  • 所属:JR西日本
  • 運用:関西地区(奈良線、東西線、学研都市線、おおさか東線など入線しない路線あり)
    ※大和路線は阪和線用(0番台・2500番台)が天王寺-新今宮で一応乗り入れます
  • 形態:3ドア転換クロス

その223系は大きく分けて、4パターンの座席配置があります。

  • 0番台:阪和線用、横3列・ドア間6列
  • 1000番台、2000番台、5000番台、6000番台:横4列・ドア間5列
  • 2500番台:横3列・ドア間5列
  • 5500番台:横4列・ドア間5列だが、車端部ロングシート
    ※この設計思想は北陸地区の521系広島地区の227系に引き継がれます

阪和線用の0番台と2500番台は空港輸送を考慮したのか、横3列配列です(車端部は横4列配列)。ほかの車両は横4列配列です。基本的に車端部まで含めてオールクロスシートですが、2両編成の5500番台は車端部ロングシートです。同じ2両編成でも5000番台は車端部もクロスシートですが、5000番台はJR四国車と連結することが基本で単独で運用されないためでしょう。

多くの人が連想する223系電車は基本的に2000番台でしょう。また、2000番台と共通運用されている1000番台の印象もあるかもしれません。また、2000番台を221系性能にした車両が6000番台です。東海道線・山陽線系統から221系が引退したら、223系性能にするのでしょうか。

今回紹介する223系6000番台は223系2000番台の最終増備車と同等の内装です。

223系6000番台の車内

では、実際の車内を見てみましょう。今回は宝塚線のMA9編成でした。

写真2. 車内に広がる転換クロスシート

車内を眺めます(写真2)。茶色系のモケットのシート、微妙に彩度のある壁、茶色系の床、そして座席の握り手の緑色がシックな空間を生み出しています。

写真3. 窓割と座席割が合っている

窓割と座席割が一致しています(写真3)。風景を眺めるのに有利なだけでなく、カーテンを閉めるときにも自席に対応するカーテンを閉めれば良いので、サービスの基本と思います。車体構造の問題があるとはいえ、225系以降の車両はこの点は後退していますので、223系電車のサービスレベルの高さを思い知るところです。

写真4. 車両中央のドア付近

223系1000番台が登場した際、ドア間の座席が6列から5列に削減されました。そのぶん、ドア付近の空間が広がりました(写真4)。閑散時間帯には補助いすを引き出して着席定員を増やしています。

写真5. 車端部のドア付近

車端部のドア付近です(写真5)。車端部にはボックスシートがあり、ドア付近の空間はやや狭くなっています。車端部の収容力を高めるという意味では、車端部にロングシートを設置するのも1つの手ですが、オールクロスシートにこだわったのでしょうか。

写真6. 車端部のボックスシート

車端部のボックスシートです(写真6)。

写真7. 車端部のボックスシート

ボックスシートを少し異なるアングルで撮影しました(写真7)。

写真8. ボックスシートの様子

ボックスシートの様子です(写真8)。ドア寄りの座席は窓がありません。会社の外出でこの席に当たった場合は、上司をどこに案内するか迷いそうですね(私は上司を差し置いて、自分が一番眺めの良い席に座ったことを思い出しました)。

写真9. 転換クロスシートが並ぶ

ドア間には転換クロスシートが並びますが、ドアよりの1列は固定シートで転換しません(写真9)。ドアよりも転換シートにすると、ドア付近のスペースが狭くなってしまいます。そのため、ドアより1列は固定式なのでしょう。

写真10. 補助いすが格納されている

その固定式座席の背面(=ドア寄り)を見てみます。補助いすが格納されています(写真10)。補助いすは座っていない(=体重を掛けていない)と自動で格納されます。誰も座っていない椅子が出ていて立ちスペースを圧迫しないようにという配慮でしょうか。

写真11. 着席時の視線

着席時の視線です(写真11)。黄色の吊革が目立ちます。また、荷棚をパイプ式にしつつ、ある程度外観に気を遣っていることもわかります。223系2000番台の初期型では内折れ窓が採用されていますが、223系2000番台後期型や223系6000番台ではすっきりとした外観の下降窓に戻されています。

写真12. 天井の様子

天井の様子です(写真12)。カバー付きの蛍光灯が関西の電車を示しているように見えます。国鉄時代に関西と中京に専用に投入された117系電車からの精神なのでしょうか。

写真13. ドア上の電光掲示板

ドア上に電光掲示板が付いています(写真13)。文字はやや小さめです。電光掲示板のあるドアとないドアが(進行方向に対し)左右に1つずつあります。電光掲示板は各車両3つずつあり、221系の2か所より増えています。混雑時を考えると、各ドアにあるほうが親切です。

ドア窓は複層ガラスになっており、結露しにくくなっています。

写真14. 運転席後ろの仕切り壁

運転室と客席の間の仕切壁です(写真14)。窓が広くとられ、前面展望は抜群です。この点は後発の225系電車よりも勝っています。

写真15. 運転席後ろのドア

運転席後ろの客用ドアも撮影しました(写真15)。白色が強調される色合いです。全体的にシックなカラースキームが採用されていますが、明るい色を入れないと車内が暗くなるため、という観点でしょうか。関東民鉄の車両(例えば相鉄20000系)のようにドアの上部に握り板がなく、混雑時の対応に疑問が残ります(超満員だと体を支えるのに便利です)。もっともそのような設備がある通勤車両は本州のJR3社にはなかった記憶があります。

223系6000番台の車内を見てみて

JR西日本の標準的な内装の223系6000番台の車内を紹介しました。221系性能の有無を除いた純粋な車内という意味では、223系2000番台の最終形態と同等のものです。つまり、この形態は223系の最終進化系の車内です。基本を転換クロスシートにしつつ、ドア部分に空間を広げてある程度の収容力を確保するというものです。

この形態は後継型の225系などにも採用され、今なおJR西日本の標準です。これからも明るく広く快適な車両づくりを継続してもらいたいものです。

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