仙石線の前面展望(松島海岸→仙台、20年夏)

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東北地方にありながら、首都圏の香りのするJR仙石線。現在は全て普通電車で地元の足として活躍しています。そんな仙石線の前面展望を堪能しました。

205系(松島海岸)

写真1. 205系電車はある程度前面展望を堪能できる

復習:仙石線の概要

いまさらですが、仙石線の概要を紹介します。

仙石線の概要

・区間:あおば通-石巻
 ※始発は地下鉄仙台駅に近いあおば通です。仙台は1つめの駅です

・距離:49.0km

・複線区間:仙台-東塩釜

・本数:毎時2~10本
 ※仙台よりでは日中でも毎時4本が確保されています(2022年3月から毎時3本)

仙石線はもともと仙台-石巻の路線でした。戦時中まで国鉄(=JR)とは別組織で運営され、戦時中に国策によって国鉄運営路線に加わったという経緯があります。私鉄として建設されたため、集落を丹念に結ぶこともあり、仙台よりはカーブと踏切が多い路線でした。これを解消するために、仙台よりは地下化されました。それと同時に仙台の中心に近い、地下鉄仙台駅付近まで路線を伸ばしました。この駅を「あおば通」と称しています。

もともと私鉄として敷設され、集落沿いを結ぶ路線として建設されています。そのため、国営化されてからも本数が多く確保されていました。また、周囲の東北本線や仙山線が電化される前から電車で運転されていました。乱暴な言葉でいうと、東北本線や仙山線は「汽車型の運転」である中、仙石線は「電車型の運転」がなされていました。

その名残はホームの高さに現れています。周囲の在来線の各駅ではホーム高さは920mmですが、仙石線は1100mmです。ホーム高さ1100mmという数値は首都圏の各駅と同じです。電化方式も仙石線が直流電化なのに対し、周囲は交流電化と異なります。

これだけ運転の条件が異なりますので、車両は首都圏と共通です。車両が首都圏と共通(というより首都圏のお古)だったり、地方都市のJR線としては破格の本数だったりと、東北地方にありながら、「首都圏の香り」がする路線です。

現在は、仙石東北ラインが仙台と石巻の速達輸送を担っていますので、快速の運転はありません。全て普通電車での運転です(高城町-石巻の「仙石東北ライン」は全て快速です)。

仙石線の前面展望を楽しむ

仙石線の前面展望を堪能しましょう。松島海岸から仙台までの前面展望です。

205系(松島海岸)

写真2. 仙石線の電車がやってきた

この色の電車はかつてはロングシートとクロスシートを転換できる機構を備えた車両がありました(石巻より1両だけです)。しかし、現在はロングシートモードに固定されています。当初は快速電車にこの車両を充当する気遣いがありましたが、いつの間にか区間運転の普通電車にも運用されるようになり、クロスシートモードが邪魔になっていたようです。

現在は長距離輸送は仙石東北ラインの快速列車のクロスシートでまかなえるので、わざわざ仙石線にクロスシートを設置しないで良いという判断なのでしょう。

写真3. トンネルが多い

松島付近は山が海岸線に迫っている地形です。線路はその隙間を縫うように通りますので、トンネルが多いです(写真3)。

写真4. カーブを行く

海岸線は直線ではないので、線路もカーブが多いです(写真4)。

写真5. 国道をいっしょにカーブ

このようにカーブが続きます(写真5)。

写真6. またトンネルがある

またトンネルが現れました(写真6)。

写真7. 少し開けてきた

少し開けてきたようにも見えます(写真7)。

写真8. 東北本線と並走

陸前浜田の仙台よりで東北本線と並走します(写真8)。連絡線はこちらに建設したほうが、松島観光などの受益者が増えるので良かったのでは?

写真9. トンネルに入る

トンネルに入ります(写真9)。

写真10. 東塩釜に到着!

陸前浜田の次は東塩釜です。ここから複線区間で、一気に都市近郊の風景に変わります(写真10)。

写真11. 高架を走る

この付近は高架です(写真11)。渋滞解消の効果があるのです。

写真12. 塩竃の中心を走る

塩竃市の中心を走ります(写真12)。地名は塩竃ですが、駅名は塩釜です。

写真13. 本塩釜に停車!

塩竃市の中心の本塩釜に停車します(写真13)。塩釜駅は東北本線の駅ですので、間違えないように注意したいですね。

写真14. カーブが多い

本塩釜から西塩釜は近いです。その西塩釜を出たところです(写真14)。本塩釜、西塩釜、下馬は駅間距離が0.8kmずつと非常に短いです。

写真15. 下馬に停車!

下馬にとまります(写真15)。住宅が多く、昔からの住宅街という景色です。

写真16. 意外と起伏が多い

仙石線沿いは平坦なイメージがありましたが、意外と起伏が多いことに気づかされます(写真16)。

写真17. 多賀城に停車!

仙石線でも大きな駅である多賀城に停車します(写真17)。ここも2面3線です。多賀城から先は待避設備のある駅はありません。

写真18. 多賀城を発車!

多賀城を発車します(写真18)。立派な高架であっても、カーブは昔のままでしょうか。

写真19. カーブの後にカーブ!

カーブを抜けたらまたカーブという線形です(写真19)。このような線形であれば、石巻までの速達輸送を仙石東北ラインに譲る意図も理解できます。

写真20. 直線区間もある

直線区間もあります(写真20)。

写真21. 福田町を発車

いつの間にか中野栄、陸前高砂を過ぎていました。福田町を発車しました(写真21)。

写真22. やはりロングシートモードで固定されている

右手に車庫が広がります。ここに仙石線の電車が置かれています。マンガッタンライナーがとまっていました。よく見ると、背もたれの高いシートが並んでいます(写真22)。これこそがロングシートモードに固定されている証拠の1つです。

写真23. 水田がある

このあたりでは珍しい光景が広がります。水田が広がっているのです(写真23)。

写真24. 小鶴新田付近の景色

小鶴新田付近の風景です(写真24)。小鶴新田は仙石線では2番目に新しい駅です。づるしんでんと読みます。車庫に近い新駅なので2面4線と想像していましたが、2面2線と待避線のない構造です。

写真25. 昔からの住宅街が広がる

小鶴新田は仙台から5.1kmです。つまり、この付近は仙台駅まで5km圏内です。そのため、住宅は多いです(写真25)。

写真26. カーブが多い

この先は地下化されたのを機にカーブが減っていますが、地下化されていない区間はカーブが多いです(写真26)。

写真27. またカーブすると苦竹

苦竹にとまります(写真27)。昔は苦竹発着がありました。これは苦竹からの利用者に対応するのでなく、さきほどの車庫(写真22に示したもの)への入出庫の便を客扱いしていたものです。現在は車庫最寄りの駅が小鶴新田に変わったので、小鶴新田発着に延長されています。

写真28. トンネルに向かって下る

ここから地下化された区間です。陸前原ノ町に向けて下ります(写真28)。

写真29. 東北本線の貨物線と交差

トンネルに入る直前で東北本線の貨物線が見えました(写真29)。

こうして、30分の前面展望の時間が終わりました。

余談:高城町での接続

仙石東北ラインが開業してから、仙石線の快速は仙石東北ラインにシフトしました。しかし、仙石東北ラインと関係ない区間まで本数が減ったら、既存の仙石線の利用者にはデメリットばかりです。

そこで、従来のあおば通駅-石巻の快速をあおば通-高城町の普通に振りかえました。では、高城町ではどのような接続をとっているのでしょうか。

写真30. 高城町の駅名標

高城町の駅名標です(写真30)。確かに2股に分かれています。松島海岸が仙石線、塩釜が仙石東北ラインの駅です。

写真31. 折り返しの普通あおば通行きがやってきた

接続時間はやや長いです。仙石東北ラインが行ってからしばらくして、仙石線の高城町行きがやってきました(写真2)。これが折り返し普通あおば通行きになります。

本当であれば、高城町を2面3線にして、上下ともにジャストタイミングで接続したほうが良いでしょう。

仙石線のまとめ

仙石線は東北地方では唯一と言って良いほど、充実した運転が行われています。ただし、これは仙台近郊に限った評価です。仙石東北ラインの開業で快速運転が廃止されました。これは仙台に近い駅の運転間隔を適正化するため、石巻への速達輸送は仙石東北ラインがある、というのが公式な発表でしょう。

しかし、日中時間帯は普通電車は15分間隔です。快速電車は仙台-多賀城を13分(普通電車は22分)で結んでいました。その所要時間差は9分です。そうであれば、普通電車の12分後(=次の普通電車の3分前)に出発し、多賀城には3分後に着くというダイヤを組むことができます。

先行の普通電車を多賀城行きとし、快速電車は多賀城-松島海岸でも3駅通過すれば、松島海岸へは現在よりも12分程度短縮されます。そして、この快速を高城町-石巻を各駅にとめれば、従来の仙石東北ラインを含めて速達列車が曲がりなりにも毎時2本確保されます。

せっかく「仙石東北ライン」が開業したのだから、仙石線もこのようなグレードアップをしてくれたら、なんて思ったのです。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

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★旅行記のまとめです!
新潟、宮城鉄道旅行記の計画と感想

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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