快速みよしライナーの乗車記(三次→広島、21年GW)

記事上部注釈
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ローカル線のイメージが強い芸備線。しかし、広島よりの区間は都市圏輸送や都市間輸送を担い、ローカル線とは言い切れません。その代表格が快速みよしライナーでしょう。そのみよしライナーに乗ってみました。

写真1. 広島に到着した快速みよしライナー

復習:快速みよしライナーの概要

まず、快速みよしライナーの概要を示します。

快速みよしライナーの概要

・区間:広島-三次

・本数:平日2往復、土曜・休日4往復

・所要時間:1時間20分前後

・停車駅:広島-下深川の各駅、志和口、向原、甲立、三次

もともと、芸備線には急行列車が運転されていました。急行ちどり、急行たいしゃく、急行みよしという陣営です。1999年時点では1日4往復運転されていました。急行列車は広島-松江を木次線経由で結ぶというものでしたが、自動車交通の発達や特急やくも号への1本化などにより、三次と広島を結ぶ役割に変わっていきました。

2007年7月1日のダイヤ改正で急行列車は快速に変更されました。快速のほうが料金不要で乗車できるので便利で良いでしょう。

現在、1日2往復(土曜・休日は1日4往復)運転されています。その内訳は以下の通りです。

(広島→三次)

・広島発10:05(三次着11:27)
・広島発16:05(三次着17:26、土曜・休日は17:27)
・広島発17:05(土曜・休日のみ運転、三次着18:28)
・広島発18:05(土曜・休日のみ運転、三次着19:29)

(三次→広島)

・三次発8:11(広島着9:32)
・三次発10:30(広島着11:59)
・三次発12:12(土曜・休日のみ運転、広島着13:34)
・三次発16:09(土曜・休日のみ運転、広島着17:34)

かなり本数は少ないです。通勤よりも定期外使用を想定しているダイヤです。とはいえ、普通列車が広島-三次を所要時間1時間50分程度で結んでいて、1~2時間間隔で運転されています。この4往復を逃すと移動できないということではありません。余談ですが、広島-三次を通しで運転する普通列車は1日14往復程度設定されています(快速みよしライナーとは別勘定です)。

快速みよしライナーの車窓から

さて、実際に乗ってみましょう。充当車両は(大まかにいうと)40系気動車です。

写真2. 三次に停車中の快速みよしライナー

三次に停車しています(写真2)。

写真3. 快速みよしライナーの車内

快速みよしライナーの車内です(写真3)。ボックスシートとロングシートが並びます。私が乗ったときは、ボックスシートに1組が乗るくらいの混雑でした。

写真4. 三次を発車

三次を発車しました(写真4)。三次以東とは異なり、徐行区間はありません。鉄道ファンの姿が比較的少なく、都市間鉄道という感じがあります。純然たるローカル線ではないのです。

写真5. 三江線が分岐する

2018年に三江線が廃線になりましたが、まだ線路は残っていました(写真5)。廃線となった根拠はいろいろありますが、単純にさみしく感じます。

写真6. 江の川沿いを走る

列車は軽快に江の川沿いを走ります(写真6)。

写真7. 江の川を渡る

そして、江の川を渡ります(写真7)。

写真8. 里山という風景を走る

里山を走ります(写真8)。都市圏輸送があるとはいえ、三次よりは「田舎」の風景が広がります。

写真9. 高い場所を走る

高い場所を走ります(写真9)。

写真10. 自動車と並走する

自動車と並走します(写真10)。確か、自動車よりも速度は出していたように記憶しています。

写真11. 甲立に停車!

甲立に停車します(写真11)。「こうたち」と読みます。

写真12. のどかな風景が広がる

甲立を出てものどかな景色は変わりません(写真12)。

写真13. のどかな景色は続く

のどかな景色は続きます(写真13)。このあたりは三次市ではなく、安芸高田市です。

写真14. 山が迫っている

とはいえ、山の姿も認められます(写真14)。さっきまで車窓を飾っていた江の川は日本海に注ぐ川、そして広島側は瀬戸内海側にあり、どこかで分水嶺を越えねばなりません。山を越えるのでしょうか。

写真15. 山越えの雰囲気はない

しかし、山越えの雰囲気はありません(写真15)。それにしても窓が汚いですね。広島支社さんにはメンテナンスをきちんとすることをお願いしたいです。

写真16. 向原に停車

向原に停車します(写真16)。ここの駅は「むかいはら」と読みます。東京にも似た場所がありますが、こちらは「むこうはら」と読みます。

写真17. 山あいの雰囲気がある

その分水嶺に差し掛かるのでしょうか。山あいの雰囲気が漂ってきました(写真17)。種明かしをしてしまうと、向原駅手前に泣き別れの分水嶺があります。

図2. 分水嶺の位置(googleマップより引用)

そう、山でも何でもない場所が分水界なのです(図2)。

写真18. 小川を渡る

小川を渡ります(写真18)。

写真19. のどかな景色が広がる

日本海側から太平洋側(瀬戸内海側)に達するのに大した分水嶺がないまま列車は進みます(写真19)。

写真20. のどかな景色を走る

依然として景色はのどかなままです(写真20)。一応、中国地方最大都市広島市に入っているのですが。まあ、広島駅から33km以上も離れているので、大都市感がないのも無理はありません。

写真21. 志和口に停車!

志和口に停車します。ここで快速とすれ違います(写真21)。ここですれ違う快速も正面の方向幕は「快速」という表示です。JR西日本であれば、もう少し意匠性のある字幕で表示しそうですが、広島支社の国鉄車にはそのようなこだわりはないのでしょうか。考えてみたら、広島支社は国鉄型電車の多くは正面の方向幕は無表示でした…(写真22)。

113系電車(岩国)

写真22. 広島の113系電車の様子(岩国で撮影)

写真23. 住宅がある

三次を出てからしばらくなかった比較的新しい住宅が車窓を飾ります(写真23)。広島の通勤圏なのでしょうか。

写真24. やや険しい場所を行く

やや険しい場所を走ります(写真24)。

写真25. きれいな建物

きれいな建物です。これは何なのでしょうか(写真25)。

写真26. 河原が広がる

三篠川の河原が広がります(写真26)。

写真27. のどかな景色が広がる

やや新興住宅があるとはいえ、まだ都市圏に遠い感じの景色です(写真27)。

写真28. 川を渡る

また川を渡ります(写真28)。蛇行する川と直線で敷かれる線路が交錯しています。

写真29. のどかな景色が広がる

とはいえ、のどかな景色はこの辺りまでです(写真29)。

写真30. 都市圏の景色になってきた

急に都市圏の景色になってきました(写真30)。深川小学校と記憶しています。中深川あたりから都市圏に入る感じがありました。

写真31. 下深川に停車!

下深川に停車します(写真31)。ここは「しもふかわ」と読みます。ここから快速みよしライナーも各駅にとまります。下深川-広島は20分間隔(一部30分間隔)運転をしていて、快速といえどもこの中に組み込まれるのです。芸備線は単線で本数を増やせない中、少しでも各駅の乗車チャンスを確保するのです。

下深川から乗客が増えました。

写真32. 安芸矢口手前の光景

下深川-安芸矢口は太田川の土手沿いを走ります(写真32)。そのため、こちら側は土手ばかり眺めることになります。

写真33. 安芸矢口に停車

安芸矢口に停車します(写真33)。ここで反対方向の列車とすれ違います。

写真34. 住宅街を行く

住宅街を走ります(写真34)。ここで私は重大な事実に気づきました。沿線にはマンションがありますが、たいてい大きな駐車場を備えているのです。東京都心であれば、駐車場を備えたマンションは限られています。広島が自動車社会であることを実感したのです。

写真35. 戸坂に停車!

戸坂に停車します(写真35)。戸坂は「へさか」と読みます。ここは片面ホームの駅です。芸備線は2駅に1つの割合で交換設備があり、1駅5分程度です。つまり、2駅10分×2=20分間隔が最小運転間隔です。広島-下深川の全駅が交換可能となれば、10分間隔が可能になり、ダイヤ作成上の制約が1つ緩和します。

写真36. 住宅街を走る

広島は平野が少ない都市に見えます。そのため、山までびっしり住宅が建っています。これはこれで独特な風景です。

写真37. 矢賀に停車!

矢賀にとまります(写真37)。御殿場線に似た駅がありますが、あちらは谷峨と書きます。

写真38. 最後の1駅を走る

最後の1駅を走ります。矢賀の近くには府中町の領域がありますが、芸備線はかろうじてその境界線を越えません。

図3. 芸備線近くのコンビニエンスストア(このコンビニエンスストアは府中町に位置します、googleマップより引用)

写真39. 新幹線の高架わきを走る

新幹線の高架わきを走ります(写真39)。この反対側(=進行方向左側)には新幹線や在来線の車両基地があります。

写真40. 広島に到着!

広島に到着しました(写真40)。ここまで広島が終点のように書いてきましたが、事実芸備線の終点は広島です。

快速みよしライナーに乗ってみて

快速みよしライナーは最低限の速達性があり、本数も最低限は確保されています。また、利用もそれなりにあり、当面の存続については心配ないでしょう。しかし、鉄道以外に目を向けてみましょう。備北バスは広島の中心地のバスセンターから所要時間1時間20分で三次駅まで結んでいます。これに真っ向勝負するのは得策ではないかもしれませんが、

・転換クロスシート車による快適性向上
・広島-下深川ノンストップ(交換駅を増やして各駅の停車本数は確保)
・2時間間隔による信頼性確保
・市内中心部に直結するための横川直通(新白島乗りかえで中心部に速く向かえる)という

あたりを望みたいものです。

また、旅行者としては、のんびりとした平和的な風景が楽しめます。絶景こそありませんが、このようなのんびりとした旅も良いものでしょう。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

←(前)芸備線の山中を堪能する(備後落合→三次、21年GW)

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※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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