21年GWに島根県と広島県をめぐる旅行を実施しました。では、どのように計画し、どのような感想を抱いたのかを簡単にまとめましょう。
写真1. 尾道を通る227系と国鉄電車
旅行先の検討
まず、旅行の全体像について記します。
旅行先の決定まで
旅行先を検討する中で、GWは東京よりも南側に行こうと考えていました(私は寒さが苦手です)。国内の南西方向に目を向けてみると、5年以上も中国地方に行っていないことに気づきました。せっかく行くのであれば山陰と山陽の双方をめぐるほうが良いでしょう。そうすると、往路と復路で変化が楽しめます。
組み合わせとしては、「島根と広島」「鳥取と岡山」という組み合わせが考えられます。今回の裏テーマに中国地方のローカル線を満喫することも含まれていました。姫新線、芸備線という東西方向の路線、津山線、因美線、木次線、福塩線という南北方向の路線でしょうか。
今回は遠いほうの組み合わせの「島根と広島」にしようと思いました。すると、通る路線は自動的に木次線が決まります。木次線の本数は少なく、それなりの都市で宿泊しようとすると、福塩線は難しい選択肢(福山19:30着)となります。すると、広島宿泊と決まります。その日は松江出発が妥当でしょう。広島から東京までまっすぐ帰るのも面白くないので、間に尾道観光をはさみました。ただし、尾道の夜はさみしそうなので、近くの大都市の福山宿泊としました。
松江に行くのであれば、サンライズ出雲で現地入りするのも楽しいです。そこで、サンライズ出雲で現地入りとしました。ただし、臨時列車運転日のほうが乗れる確率が高まりますから、臨時列車運転日としました。
以上の前提から、以下のプランとしました。
(0~1日目) 東京22:21(サンライズ出雲91号)松江12:33/
この後に松江観光
(2日目) 松江9:02→宍道9:21/9:28(奥出雲おろち号)備後落合12:36/14:43→三次16:03/16:09(みよしライナー)広島17:34/
この日は余裕があれば広島観光
(3日目) 広島15:35→糸崎16:54/17:06→福山17:34/
広島観光が主体
(4日目) 福山8:49→尾道9:10/13:40→岡山15:03/15:23(のぞみ34号)東京18:36/
ここで重点を置いたのは、夜行列車を除いて日没までに宿泊地に着くということです。逆の言いかたをすると、ずっと車窓を楽しめるようにするプランにしたということです。
ここでいう観光というのは地域の鉄道を満喫することも含まれています。私にとっては、地元の観光名所に行くことと地元の鉄道に乗ることは同義語です。
旅行の手配
乗車券手配の常識として、乗車券はまとめたほうが安いというものがあります。一番距離が長い乗車券はどのようなものでしょうか。旅の始まりと旅の終わりまで1枚の乗車券にまとめることです。そうすると、以下の乗車券が完成します。
★参考リンクです
【誰でも可能】鉄道マニアが教える旅行時の交通費節約テクニック4選
(1枚目)東京都区内(東海道・山陽)倉敷(伯備)伯耆大山(山陰)宍道(木次)備後落合(芸備)広島(山陽)倉敷
(2枚目)倉敷(山陽・東海道)東京都区内
ここで、競争率の高いサンライズ号の寝台券、奥出雲おろち号の指定席券については1か月前に確保し、本数も潤沢で競争率の低い新幹線の指定席券については落ち着いて考えることにしました。
乗車券については売り切れという概念がありませんので、時間があるときに購入しました。近年、みどりの窓口の閉鎖が話題になっていますが、このような複雑な乗車券も自動券売機で購入できればだいぶ問題は解消しそうに思えます。
他に宿泊先を確保する必要があります。今回は価格と駅近重視でじゃらんnetから予約しました。
・松江:グリーンリッチホテル松江
・広島:ホテルメルパルク広島
・福山:福山ニューキャッスルホテル
実際の旅行記
実際の旅行記へのリンクを紹介しています。
0~1日目:松江までの夜行列車と松江観光
サンライズ出雲91号については、旅行記には記していません(2016年の旅行時に取り上げたためです)。
写真2. サンライズ91号の顔
サンライズ91号は東京駅8番線発車です。これは個人的に驚きでした(9番線か10番線と思っていました)。
写真3. サンライズ91号の発車案内
サンライズ91号の発車案内です(写真3)。8番線でしょ?
この寝台列車はファンのオフ会的な雰囲気でした。私のような鉄道にうとい者は仲間外れのような印象でした。旅行ガイドには「サンライズでスタートする女子旅」という雰囲気で掲載していましたが、女子旅という風情の人はいなかったことが印象に残っています。
★サンライズ関連の記事はこちら
・16年春中国・福岡鉄道旅行記~日本唯一の夜行列車に乗る(サンライズ出雲号の乗車記です、2016年執筆)
・サンライズエクスプレスに乗る~概要とチケット入手から実際の乗車まで(サンライズエクスプレスの紹介です、2017年執筆)
写真4. シングルの様子
このような個室が多い列車です(写真4)。
写真5. 大山が見えた
松江で列車を降りて、松江観光を堪能しました。
・特急やくも号の乗車記(車内と車窓を収録、出雲市→松江、21年GW)
・グリーンリッチホテル 松江駅前のレビュー(松江駅にとても近い清潔で機能的な宿)
出雲市では待ち時間がそれなりにありましたから、駅前のスーパー銭湯で体を休めました。特急やくも号に使われる381系電車には初乗車でした。
2日目:松江→広島
この日は観光要素はほとんどありません。せっかくの奥出雲おろち号でしたが、雨の中という残念な1日でもありました。かっぱを着てトロッコ車両に乗っている人がいたことも印象に残っています。
・奥出雲おろち号の乗車記(車内と車窓を収録、宍道→備後落合、21年GW)
・芸備線の山中を堪能する(乗りつぎ時刻表と車窓も収録、備後落合→三次、21年GW)
・ホテルメルパルク広島のレビュー(アクセスや室内を紹介、21年GW)
また、広島の交通の結節点の2つを楽しんでいたことも思い出しました。
3日目:広島観光と広島→福山
この日は広島観光(半分は交通関係ですが)を楽しみました。ホテルの近くに原爆ドームがあったので、原爆ドームにもよっています。
写真6. 原爆ドーム
・山陽本線(広島地区)の乗車記(広島→福山、車窓も収録、21年GW)
・福山ニューキャッスルホテルのレビュー(福山駅前、アクセスや室内を紹介、21年GW)
福山の市街地は風情あることも印象に残っています。
4日目:尾道観光と東京までの帰宅
この日は尾道観光がメインでした。鉄道旅行記を読みたい人にとっては期待外れかな?
写真7. 尾道を走る117系電車
・山陽本線岡山・福山地区の乗車記(尾道→岡山、車窓も収録、21年GW)
・N700S「のぞみ」の乗車記(岡山→東京、車内と車窓を収録、21年GW)
全体的な感想
天候に恵まれない日もありましたが、旅行全体は楽しかったです。その楽しさの一因には多くの列車に乗れたこともありますが、素晴らしい観光地をめぐれた点も大きいです。松江城周辺の街、広島市のにぎやかさ、そして尾道の情緒。これらが旅行のアクセントになりました。
また、同じ日本とはいえども、(私の住む)関東地方と風景が異なることも実感いたしました。特に、赤い瓦の民家が多い様子は関東にはなく、地域差を感じました。
車窓も観光にも共通していますが、初夏の緑というのは景色の風合いが1段上がるように思います。そのような意味で、GWの旅行は非常に良いものです(雨に降られる可能性があることが玉に瑕ですが)。
鉄道については、木次線の「奥出雲おろち号」のような趣味人が多い列車、地元の利用が多い山陽本線や可部線など、多くの実態を眺めることができました。個人的には、多くの人に交通手段として利用されているほうが好みですが、その路線の収益を上げるための方策は、その路線それぞれです。現在のようなサービス水準が1つの解なのでしょう。ただし、路線によってもう少しでもサービス水準が向上できないかは模索いただきたいものです。
個人的な話となりますが、2016年の初海外旅行以来、眼が海外に向いていましたが、2020年以降は(自宅の近所の散歩も含めて)眼が国内に回帰するようになりました。その中で日本の景色の良さを再認識しました。そして、旅行の楽しみの1つが違いを楽しむことです。違いを楽しむためには、普段住んでいる場所について理解することも必要です。そのような意味で、今住んでいる地元を探索してみることの重要性を再認識しました。
そして、今までの旅行は鉄道移動に偏っていました。今後は観光の比率も上げたいとも感じました(と言って次回も鉄道移動に偏る旅行になるでしょう)。
これで、今回の旅行記を終了いたします。
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?
←(前)N700S「のぞみ」の乗車記(岡山→東京、車内と車窓を収録、21年GW)
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