九州南部の拠点ともいえる、鹿児島中央駅。ここに発着する列車も多く、中心地から近いこともあり、多くの人に利用されます。そんな鹿児島中央駅の素顔を探りました。
写真1. 鹿児島中央の駅名標
鹿児島中央駅の概要
まず、鹿児島中央駅の概要を紹介しましょう。
- 所在地:鹿児島県鹿児島市
- 路線:九州新幹線、鹿児島本線、指宿枕崎線
- 規模:5面10線(新幹線2面4線+在来線3面6線)
図1. 鹿児島中央駅の位置(googleマップより引用)
鹿児島中央は新幹線と在来線が乗り入れる駅です。九州新幹線のほかに、鹿児島本線と指宿枕崎線が乗り入れます。厳密にはこの2路線だけですが、実質的な日豊本線の終点はここ鹿児島中央です(鹿児島本線と日豊本線の境界は隣の鹿児島です)。そのため、新幹線1路線と3方向の在来線3路線といいかえることもできます。
また、鹿児島の中心街に近く、そこまでは市電の2系統で向かうことができます(中心街は天文館通~いづろ通です)。
昔は西鹿児島という駅名でした。しかし、2004年の九州新幹線の開業にともない、鹿児島中央という現名称に改称されました。中心街に近いのに、「西」がつくのは不都合だったのでしょう。
実際に鹿児島中央駅を訪問する
実際に訪問してみましょう。まず、駅構内の様子を紹介します。ここで、重要なことは、新幹線と在来線が直交する配置であることです。前提として構内の配置図を把握しないとわかりにくいですから、駅構内で見つけた構内図を示します。
写真2. 1Fの構内図
1Fの構内図です(写真2)。
写真3. 2Fの構内図
2Fの構内図です(写真3)。新幹線は2Fの新幹線コンコースから3Fに向かいます。
駅構内(改札街)の様子
さて、桜島口(駅の東側)から駅舎に向かってみましょう。
写真4. 駅舎の様子
黒い駅舎が目立ちます(写真4)。昔の駅舎は赤かったのですが(昔の鉄道雑誌で見て印象に残っています)、今は黒なんですね。
写真5. 駅舎の様子
正面から駅舎を眺めました(写真5)。
写真6. 駅に入る
駅に入ります(写真6)。昔は階段が外にあったような記憶があります(例によって鉄道雑誌を見た記憶です)。
写真7. コンコースの様子
コンコースの様子です(写真7)。
写真8. 階段付近から駅の東側を眺めた様子
階段付近から駅の東側を眺めた様子です(写真8)。ちょうど正月前でしたので、それらしい飾り付けがなされています。
写真9. 在来線の改札口
在来線の改札口です(写真9)。さすがに自動改札ですね。隣の鹿児島駅は友人改札+ICカードリーダの組み合わせでした。
写真10. 西側に抜ける
西側に抜けます(写真10)。こちら側はいわば裏口的な存在です。ここで南北に分かれます。
写真11. 西側の様子
さっきと視点を変えてみました(写真11)。
写真12. 西側に出てみた
西側にはホテルがありました(写真12)。あとで調べると、JRのホテルです。さすがJRですね。
在来線の様子
では、改札内に入ってみましょう。まずは在来線です。
写真13. 単純な構造
在来線だけを切り取れば、単純な構造です。東側に1番のりば、西側に6番のりばという構造です。
写真14. 3、4番のりばの発車案内
発車案内が掲げられています(写真14)。JR西日本とJR九州に多い、ホーム1つに1つの発車案内です。私が普段使っているJR東日本管内にはこのような形態の発車案内が少なく(東京駅の7~10番線くらいか?)、新鮮に感じます。
写真15. 特急きりしまが停車中
特急きりしまが停車中です(写真15)。鹿児島中央と宮崎を結ぶ特急列車です。昔は九州最末端の特急というイメージがありましたが、今や新幹線接続特急です。おおむね2時間間隔で運転されています。
写真16. 5、6番のりばの発車案内
5番のりばと6番のりばの発車案内です(写真16)。ここは普通列車が多いように感じました。特急列車は改札口に近い3、4番線に設定しているためでしょうか。
写真17. 普通串木野行きが停車中
普通串木野行きが停車中でした(写真17)。鹿児島本線の普通ですが、串木野行きはあまりない行先ですね。
写真18. 鹿児島中央行きがやってきた
別のタイミングで鹿児島中央行きがやってきました(写真18)。朝に訪問したのですが、これも817系です。
写真19. 普通宮崎行きがやってきた
普通宮崎行きもやってきました(写真19)。この電車は川内から鹿児島を通り、宮崎まで行く電車です。スルー運転のほうが効率的ですので、タイミングが合えばこのような設定も良いでしょう。鹿児島地区は2両編成・ワンマン運転でコストミニマムなサービスを提供しています。これはサービス水準維持を考えると、良い方策です。
主力の817系電車は意外と座り心地は悪く感じませんでした。
写真20. 時刻表がある
3路線の時刻表がありました(写真20)。指宿枕崎線はともかく、他の路線は本数が少ないように思います。日豊本線も国分までは家も多いのですから、30分間隔でも罰は当たりません。
写真21. 415系も使われる
輸送力列車として415系も使われます(写真21)。訪問した時は休日ダイヤでしたから、朝に回送状態で停車していましたが、平日だとフル活用されるのでしょうか。
写真22. 4番のりばに鹿児島方からディーゼル列車がやってきた
4番のりばに鹿児島方からディーゼル列車がやってきました(写真22)。日豊本線も電化されているはずですが、何でしょうか。
写真23. 肥薩線からの列車
肥薩線からの直通列車でした(写真23)。肥薩線沿線から鹿児島への通勤需要があるのでしょうか。半ば出入庫がからんだ運用のような気もしますが、回送にするのであれば客扱いしたほうが親切でしょう。
写真24. 1、2番のりばの発車標
1番のりばと2番のりばの発車標です(写真24)。主に指宿枕崎線が使用します。
写真25. 指宿行きが停車中
普通指宿行きが停車中です(写真25)。これは2両編成です。指宿までの区間運転はJR車で統一されているイメージがあったのですが、国鉄車も使われているのですね。
写真26. 47系気動車が使われる
この形式は全国に配置されていましたが、徐々に縮小傾向にあります。この指宿行きは両開きの車両です(写真26)。
写真27. 後ろは40系気動車
後ろに連結されていた(そして鹿児島中央で切り離していた)車両は40系気動車です(写真27)。こちらは片開きのドアです。通勤・通学輸送のある鹿児島中央までは3両編成、そして鹿児島中央で切り離したのです。
写真28. なのはなカラーが停車中
指宿枕崎線といえば、なのはなカラーの200系気動車です。この車両は、窓割と座席割が一致しないという難点はあるのですが、転換クロスシートでそれなりに快適な移動が約束されます。
写真29. ロングシート!
あれ?オールロングシートではないですか(写真29)。香椎線用とロングシート改造車が該当します。喜入のような短距離ではロングシートのほうが適切でしょう。ただし、枕崎や山川系統にはしんどそうですね。
新幹線の駅構内
さて、視点を変えて、新幹線の駅構内に入ってみましょう。
写真30. 新幹線の改札を改札内から眺める
新幹線の改札を改札内から眺めてみました(写真30)。
写真31. 在来線連絡改札を眺める
在来線連絡改札を眺めます(写真31)。新幹線から在来線へのスムーズな連絡も重要です。
写真32. コンコースの様子
コンコースの様子です(写真32)。2つのホームまでの昇降設備が見えます。
写真33. 杉の断面がある
杉の断面があります(写真33)。まさか本物ではないでしょう。
写真34. 指宿枕崎線が停車している
指宿枕崎線が停車しています(写真34)。
写真35. 新幹線ホームから眺める在来線
新幹線ホームから眺める在来線です(写真35)。撮影地点がホーム、そして新幹線の線路、奥に在来線ホームが見えます。在来線ホームが直交していることがわかります。
写真36. 新幹線が停車中
新幹線が停車中でした。ここ3線に列車が停車中でした(写真36)。
写真37. もう1線にも列車が停車中
もう1線にも列車が停車中でした(写真37)。つまり、このときには4線ともに埋まっていたのです。
駅前を散策する
駅前も多少散策しました。
写真38. アミュプラザが併設される
アミュプラザが併設されています(写真38)。商業施設で若い人が多く買い物をしていました。
写真39. アミュプラザの宣伝文句
アミュプラザの宣伝文句です(写真39)。ここは鹿児島であり、雪とは関係ないはずです。明らかに悪ノリしていますね(JR東日本の「ぜんぶ雪のせいだ」のオマージュですね)。
写真40. 駅前広場を眺める
駅前広場を眺めます(写真39)。目の前の道路(県道40号線)を越える歩道橋がありません。地下道をくぐるのです。
写真41. 駅前に銅像がある
駅前に銅像があります(写真41)。
写真42. 市電のりば
市電のりばです。鹿児島駅行きに乗れば、鹿児島の中心部に向かうことができます。
写真43. マグマシティ
マグマシティというお題目が掲げられていました(写真43)。桜島の存在は鹿児島のアイデンティティなのかもしれません。
写真44. 駅前の地下道
駅前の県道を横切るには地下道を使う必要があります(写真44)。意外と不便に感じました。
鹿児島中央駅を訪問してみて
南九州の拠点駅の鹿児島中央駅は大変にぎわっていました。しかし、そのにぎわいは在来線ホーム全般には行きわたっていなかったように感じました。確かに列車到着時には人が通っていましたが、それだけなのです。在来線の本数が少なく、沿線住民の主力の交通手段として認識されていないのかもしれません。
また、駅のコンコースが2Fにありながら、駅前の道路を渡るのが地下の歩道橋という上下移動の多さも気になりました。本来であれば、駅のコンコースから上下移動なしに駅前の道路を渡るのがストレスが少ないです。このような不便は地味に、しかし確実に自動車シフトを進めます。公共交通に理解ある鹿児島市だからこそ、気づいてしまいます。
ここで少し辛口のコメントをしてしまいましたが、駅に併設されたショッピングセンターに人が多く訪れ、駅が「目的地」となっていることは大変好ましいことです。これからも、この駅が人を引き寄せる存在であってほしいものです。