E233系2000番台の車内(常磐線各駅停車や千代田線で使用)

記事上部注釈
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首都圏に大量に導入されたE233系電車。その中でも唯一拡幅車体を採用していない2000番台。運転席の狭さも含め、E233系でも独自仕様という面があります。そんなE233系2000番台を堪能しました。

写真1. 我孫子に停車中の様子

復習:E233系2000番台の概要

まず、E233系2000番台の概要を紹介します。

E233系2000番台の概要

  • 車体:4ドアロングシート
  • 編成:10両編成
  • 運用:常磐線各駅停車、東京メトロ千代田線、小田急小田原線

E233系2000番台は千代田線直通用としてJR東日本が設計した車両です。2016年3月26日のダイヤ改正からは小田急車がJR線に入るかわりに、JR車が小田急車に入ることになり、小田急線でも運用されています。これは車両運用の制約を小さくし、運用を柔軟にできるようにするという狙いがありましょう。

地下鉄直通用として設計されたため、車体幅が他のE233系(2950mm)より狭い2800mmです。地下鉄千代田線には車体幅2860mmの小田急1000形が乗り入れていたので、そこまで車体幅を広げない理由はわかりませんが…。


写真2. JRのE233系(埼京線用)
JR車(車端部の窓が車端部まで迫っている)

写真3. 小田急4000形
民鉄車(車端部の窓と車端部がやや離れている)

また、地下鉄直通用の設計はドアの位置にも現れています。20m4ドア車といっても、JR東日本車と民鉄車では微妙に設計が異なります。JR東日本車は3人掛けと7人掛けに最適化されている一方、民鉄車はドアを均等に配分しています。そのため、民鉄車のほうが車端部のドアから車端部の寸法は長い(※)です(写真2と写真3)。

※E231系0番台(JR東日本車)は1690mmなのに対し、東急5000系(JR車をベースにした車両)は1900mmです。

E233系2000番台はJR線内は常磐線各駅停車のみを走り、ある意味「専用車」です。そのため、JR線の基準に合わせる必要はなく、民鉄の標準に合わせています。したがって、ドアの寸法は民鉄基準です。

E233系2000番台の車内

さて、E233系2000番台の車内を眺めてみましょう!

写真4. 車内全景の様子

車内全景の様子です(写真4)。E231系より踏襲された、青系の座席(ただし柔らかい!)が印象に残ります。ただし、床の色はE233系0番台(中央線快速用)と同様に暖色系を採用しています。参考までにE231系の写真を掲載しました(写真5)。

(参考)写真5. E231系(近郊タイプ)の車内

写真6. 座席の様子

座席の様子です(写真6)。車両中央部には7人掛け、車端部は3人掛けです。民鉄車と扱いを同じにするためか、運転席近くの区画でも6人掛けや4人掛けでなく、7人掛けです。(E233系の座席幅がE231系より広いためでもありますが、)ドア付近の手すりと座席の間の空間が狭いことに気づきます。

写真7. 車端部の様子

車端部の様子です(写真7)。ここの座席と手すりの間の距離があり、やはりドア配置が異なっていることに気づかされます。

写真8. 天井部分の様子

天井部分の様子です(写真8)。白色の壁や座席仕切と黒色の吊革の明度差が目立ち、吊革が良いアクセントになっていることがわかります。

写真9. 天井付近の様子

天井付近の様子を別のところからも撮影しました(写真9)。

写真10. 優先席付近

優先席付近の様子です(写真10)。優先席の区分がJR東日本車らしいです。

写真11. 客用ドア

客用ドアです(写真11)。E233系の客用ドアは化粧板が貼られており、ドア窓も角ばっています。

写真12. ドア窓は複層ガラス

ドア窓は複層ガラスです(写真12)。曇りにくく、乗客にとってはありがたい配慮です。

写真13. ドア上部に液晶画面がある

ドアの上に液晶画面があります(写真13)。左が広告・右が案内とオーソドックスな配置です。案内画面は中央線用とは色づかいが異なります。

写真14. 小田急線内の種別も表示される

上り方面の案内画面を撮影してみました(写真14)。このときは小田急直通でしたので、小田急線内での種別も表示されています。小田急線内での種別や行先によらず、常磐線各駅停車の乗客の多くが降りるであろう代々木上原までの停車駅は変わりませんので、多くの乗客にとってはあまり関係ない情報かもしれません。

写真15. 運転室と客席の仕切壁

運転席と客席の仕切壁です(写真15)。JR東日本では209系以降の首都圏向けの標準といった配置です。運転席直後(写真15でいう左側)には窓がありません。これは緊急時の脱出用ということでそうなっているのですが、車体が類似の東急2020系には窓がありますから、できないということではないでしょう。窓があったほうがサービス向上になると思います。

E233系2000番台の車内を眺めてみて

写真16. 向ヶ丘遊園の引上線で折り返し待ちの様子

E233系2000番台。それはJR東日本の標準車両ですが、JR線では常磐線各駅停車のみに走り、他の路線と独立した運転形態をとっていることから、直通先の民鉄に近い仕様になっています。個別で要望のある箇所もあるのですが、現代の通勤車としては問題ない設備であり、先代の203系(ドアががたつく、甲高いモーター音)よりもサービス水準が向上したのは間違いのない事実です。

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