リンダウからブレゲンツへの列車移動

記事上部注釈
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ドイツ南部のリンダウとオーストリア西部のブレゲンツ。この字面だけ見ると遠そうに感じますが、実際はかなり近い場所にあります。ボーデン湖沿いの2つの拠点を列車で移動しました。

写真1. リンダウに停車中の電車

重要

本記事で詳細に解説しますが、ドイツの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。

リンダウとブレゲンツの位置関係と列車移動

リンダウとブレゲンツの位置関係を示します(図1)。

図1. リンダウとブレゲンツの位置関係(googleマップより引用)

リンダウとブレゲンツの距離は10km足らず、その気になれば歩いて移動することさえ可能です。リンダウはドイツ南部のリゾート地、ブレゲンツはオーストリア西部の歴史ある都市という異なった表情を持ち、1日で2都市をめぐる周遊旅行も興味深いものです。

リンダウの街歩き観光

ドイツ南部のリゾート地、リンダウ。湖畔沿いの街並が美しく、単に街を歩くだけで楽しむことができます。そんなリンダウを堪能しました。

ブレゲンツの街歩き観光

オーストリアの西の果ての都市、ブレゲンツ。ドイツやスイスに開かれた窓でもあります。そんなブレゲンツを堪能しました。

表1. リンダウとブレゲンツの移動概要

区間所要時間運転間隔
リンダウ島-ブレゲンツ15分毎時2本
リンダウ-ロイティン-ブレゲンツ7分毎時1本程度

距離が10km足らずとはいえ、国境を超えます。そうすると、行き来は相当不便ではないでしょうか。そう考えてフォアアールベルク州(ブレゲンツのあるオーストリアの州)の地域交通の公式サイト(フォアアールベルク州Sバーン)を開いてみましょう。

図2. フォアアールベルク州の地域路線図

フォアアールベルク州の路線図を示しました(図2)。この路線図には国境線は描かれていませんが、赤の領域はドイツ、スイス、リヒテンシュタインにもまたがっており、国境線で列車本数が激減するようなこともありません。

さて、実際の運行ダイヤはどうでしょうか。フォアアールベルクSバーンの公式サイトから時刻表にリンクがあります(Bludenz - Lindauをクリック!)。観光地リンダウ島にあるリンダウ島駅(Lindau-Insel)とブレゲンツ(Bregenz)の間は30分間隔で運転されています。このほかに、ドイツのミュンヘンとスイスのチューリッヒを結ぶ国際列車がリンダウ-ロイティン駅(Lindau-Reutin)とブレゲンツを2時間~4時間間隔で運転され、土曜・休日はリンダウ-ロイティン駅とスイスのザンクト・マルグレーテンを1~2時間間隔で運転されており、両者を合わせてリンダウーロイティン駅からブレゲンツは毎時1本確保されています。

なお、リンダウ島駅とブレゲンツ駅を結ぶ列車もリンダウーロイティン駅にとまりますので、リンダウ-ロイティン駅とブレゲンツ駅の乗車チャンスは毎時2~3本は確保されています。

ブレゲンツから先のオーストリア国内やスイス国内の停車駅の違いによらず、リンダウ島駅発着のブレゲンツ方面は、リンダウとブレゲンツの間は各駅にとまります。

ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。


Omio:ヨーロッパ鉄道旅行交通予約サイト

また、その予約にはクレジットカードが便利です。

個人的にはエポスカード がおすすめです。

海外旅行に使えるカード:エポスカードで詳細を紹介しています。

リンダウとブレゲンツの間の移動

実際にリンダウからブレゲンツまで移動してみましょう!私はユーレイルパスグローバルを使いましたが、パスの使用には通信環境が必須です。あらかじめWi-Fiを手配するのは必須でしょう。

写真2. リンダウ島駅

リンダウ島駅です(写真2)。出入口は1つしかなく、迷うこともありません。

写真3. 発車時刻表

発車時刻表です(写真3)。ドイツに限らず、欧州の駅の発車案内は方面別や路線別になっておらず、一括して表記されます。日本の空港と同じイメージです。

車内の簡単な紹介

日本とは異なる国の電車に乗れましたので、車内を簡単に紹介します。

写真4. オーストリア車による運転

オーストリア車による運転です(写真4)。リンダウ島駅の次こそリンダウ-ロイティン駅でドイツ国内ですが、その次のLochau-Hörbranzはオーストリア国内ということもあり、ドイツ鉄道ではなくオーストリア国鉄による運転なのでしょう(以前はリンダウーロイティン駅もありませんでした)。

写真5. 先頭を撮影

先頭を撮影しました(写真5)。オーストリア国鉄のSバーンや近距離電車は似たような車両が多かったような。ただし、写真の4748形はフォアアールベルクSバーンでしか運用されていないようです。詳しいことはWikipedia(ÖBB/Raaberbahn/ODEG 4744/4746/4748)に聞いてください。

写真6. 4748形の車内

4748形の車内です(写真6)。赤いクロスシートが並び、明度差の大きい壁と彩度の高い座席があり、モダンな空間を演出しています。

写真7. 集団見合い式の座席配列

私が見た範囲では、集団見合い式の座席配列です(写真7)。日本では転換クロスシートが普通列車用としては良質な座席配列とされることが多いですが、欧州では座席の向きが変えられることはめったにありません。いすもしっかりしており、かなり良質な車内といえましょう。

写真8. ボックス席にはテーブルがある

ボックス席にはテーブルもあり、かなり居住性は高く感じます(写真8)。

写真9. ボックス席を横から眺める

ボックス席を横から眺めます(写真9)。

写真10. 座席割と窓割が一致していない

ただし、難点は座席割と窓割が一致していないことです(写真10)。新車なのだから、窓割と座席割を一致させるように設計すれば良いのに…。

写真11. 車両中央部分は低床

欧州の駅ホームは低く、従来の車両はホームと車内の段差が生じていました。欧州の近年の車両は台車付近以外(出入口付近も含む)の床を低くし、ホームとの段差を縮める方向に動いています。そのため、車両中ほどは床が低くなっています(写真11)。欧州の車両には吊革がないという人もいますが、この車両には吊革が付いています。

写真12. 車端部は床が高い

車端部は床が高いです(写真12)。

写真13. 液晶案内

液晶案内があります(写真13)。日本のこのようなシステムと異なり、駅間標準時間ではなく実際の到着時刻を示しています。この点は日本よりも親切ですね!

ボーデン湖湖岸の列車旅

さて、実際に列車旅を満喫しましょう!

写真14. リンダウ島を発車!

リンダウ島を発車しました(写真14)。

写真15. ミュンヘン方面の電車も並ぶ

ミュンヘン方面の電車もとまっていました(写真15)。

写真16. ボーデン湖を渡る

ボーデン湖を渡ります(写真16)。こちらは道路があり、レイクビューはあまり望めません。

写真17. かろうじてボーデン湖が見える

かろうじてボーデン湖が見えます(写真17)。リンダウの玄関口がリンダウ-ロイティン駅に移った現在、この線路を通る人の多くは観光客で、その観光客はリンダウ観光でボーデン湖をよく見ているはずなので、ここで湖が見えなくとも大きな問題にはなりませんが。

写真18. リンダウ-ロイティン駅が近づく

リンダウ-ロイティン駅が近づきます(写真18)。ウルム、ミュンヘンなど多くの行先が乗りかえ先として見えます。

写真19. リンダウ-ロイティンに停車!

現代のリンダウの玄関口、リンダウ-ロイティン駅に停車します。

写真20. リンダウ-ロイティンを発車!

リンダウ-ロイティンを発車しました(写真20)。ここはドイツ鉄道最果ての駅ですから、留置線もあります。

写真21. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真21)。このあたりで国境を越えたのでしょうか。朝にスイスで起床し、ドイツで昼食を食べ、オーストリアに入る。我ながらおかしな旅程です。

写真22. ロッハウ付近

ロッハウ付近です(写真22)。オーストリア最初の駅です。ドイツの最果てからオーストリアの最果てに入ったのですが、最果て感の全くない優雅な車窓です。

写真23. 船がうじゃうじゃ

船がうじゃうじゃいます(写真23)。観光ボートなのかな?

写真24. 建物の感じが変わった?

建物の感じが変わったように見え、ドイツからオーストリアに入ったことを実感します(写真24)。その情報を知っていて建物の感じが変わったように見えただけかもしれません。

写真25. 湖岸沿いを走る

湖岸沿いを走ります(写真25)。この区間は絶景路線としてノミネートされていませんが、個人的にはこの雰囲気はもっと人気が出ても良いと思います。

写真26. ブレゲンツ港に近づく

ブレゲンツ港が近づきました(写真26)。この駅はブレゲンツの中心街に近く、一部のブレゲンツ発着はブレゲンツ港まで運転されます。

写真27. 湖岸を走る

湖岸を走ります(写真27)。

写真28. 湖岸を走る

湖岸を走ります(写真28)。

写真29. ブレゲンツ港に停車!

ブレゲンツ港に停車します(写真29)。ブレゲンツ美術館などが目的地の場合、ここで降りるほうが便利です。

写真30. ブレゲンツ市内を走る

ブレゲンツ市内を走ります(写真30)。

写真31. 工事中!

オーストリア最果ての地、ブレゲンツの駅が近づきました。工事中です(写真31)。

写真32. ブレゲンツに到着!

ブレゲンツに到着しました(写真32)。

リンダウからブレゲンツまで移動してみて

リンダウからブレゲンツまで移動しましたが、国境越えという緊張感もなくのんびりと移動できました(そうはいっても、パスポートは携帯してね!)。また、日本の鉄道本や旅行本で絶景路線という紹介はなされませんが、湖岸をのんびり行くのは趣がありました。

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