チューリッヒからブルクドルフまでのIR列車旅

記事上部注釈
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スイス最大都市のチューリッヒとスイスの首都ベルン。両都市の流動はスイスでも非常に多く、ノンストップの速達列車が30分間隔で運転されています。一方、このほかに主要駅停車タイプの速達列車も運転されています。今回はこの準速達列車に乗ってみました。

写真1. 黄金色の列車に揺られる

復習:チューリッヒとベルンの間の運転系統

チューリッヒはスイスで最大の都市、ベルンはスイスの首都ということもあり、列車系統は充実しています。

図1. スイスの長距離列車ネットワーク(公式サイトより引用、リンクをクリックするとスイス国鉄サイトからご自身の端末にそのままダウンロードされます)

参考にスイスの長距離列車ネットワークを示しました。図の上部に多くの線が集結している場所がありますが、そこがチューリッヒとベルンの間です。チューリッヒとベルンの間を通しで運転する系統を以下に示します。スイスにおいて、IC速達型の特急列車、IRは日本でいう新快速~主要駅停車の特急列車相当と認識すると、大きな差異は生じません

  • IC1IC8:チューリッヒ中央駅とベルン駅をノンストップで結ぶ、両者はチューリッヒ以東とベルン以西で停車駅が異なるが、チューリッヒとベルンの間はきっちり30分間隔
  • IR16:チューリッヒ-オルテン間は主要駅停車、オルテン-ベルンはノンストップ
  • IR35:チューリッヒ-オルテン間はほぼノンストップ、オルテン-ベルンは主要駅停車

脚注もなく、オルテンなどという地名を出しました。オルテンはチューリッヒ-ベルン-ジュネーブの東西軸と、バーゼル-ルツェルン-ルガノの南北軸の交点にある場所です。オルテンそのものは大きな都市ではありませんが、交通の結節点ということもあり、多くの列車が停車します。ただし、方向転換を避けるために短絡線を通り、オルテン駅そのものを通らない系統もあります。

チューリッヒとベルンの間のICはノンストップ、IRがオルテン駅の東西で速達タイプ・準主要駅停車タイプを切り替えるというイメージです。IRはそれぞれ60分間隔です。IR16系統はオルテン-ベルンで高速新線を通るので同区間の所要時間は短く、結果として後のICから逃げ切ります。逆に、IR35系統は高速新線を通らず、ICと時間差が生じ、後のICから逃げ切れません。

なお、チューリッヒ-オルテンでIC5系統、オルテン-ベルンでIC6系統を乗りかえることはできません。接続時間が長く、その間にIC1やIC8に抜かされてしまうのです。両者の接続をとる意味はチューリッヒとベルンの移動に使えるかどうかですが、両者の移動はノンストップのICを使えということでしょう(ヌーシャテル方面とバーゼル方面の接続はとれるのでそちらを重視したのでしょう)。

今回はブルクドルフに向かうので、オルテン以西で主要的停車のIR系統に乗ったのです。ここに書いてあるのはあくまでも概要です。公式サイトから実際に時刻表を作ってもらえば問題ありません。

ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。


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また、その予約にはクレジットカードが便利です。

個人的にはエポスカード がおすすめです。

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チューリッヒからブルクドルフまでのIRの列車旅

では、チューリッヒからブルクドルフまで列車旅を楽しみましょう!IRの系統番号が変わっており、IR35と表示されていました。

写真2. IR35の表示

IR35の表示ですが、毎時53分発のベルン行きです。

写真3. 豪華そうな金色の車体でやってきた

豪華そうな金色の車体でやってきました(写真3)。本物のICのように食堂車こそなく、特急列車と同格扱いはできませんが、近郊列車よりも豪華な車両です。

IR35の車内

豪華そうな車両ですが、実際の車内はどうでしょうか。

写真4. 2等車の様子

2等車の様子です(写真4)。欧州の近年の車両らしく低床部分が多いです。

写真5. 1等車の車内

私はユーレイルパスグローバルパスを持っていたので、1等車を選択しました。1等車は2列+1列の横3列仕様で、2等車よりゆとりがあります(写真5)。

余談ですが、今やレイルパスもモバイルで買う時代です(現地で窓口に並ばずに使えるのが使い勝手が良いと思います)。それには、スムーズに検札できるよう、インターネット環境を整えるのが必須です。海外WiFiレンタル【WiFiBOX】などのサービスを利用するのが良い選択肢です。

写真6. 1等車の車内

1等車の車内を別の角度から撮影しました(写真6)。各座席に電源があるのが高ポイントです。

写真7. 1等車の車内

別の角度からもう1枚撮影しました(写真7)。近郊列車レベルの設備よりやや豪華です。日本でいう、223系電車と特急ロマンスカーの間のグレードともいえましょう。ある意味L&C車の座席定員列車レベルといいましょうか。

写真8. 情報提供装置

情報提供装置もそなわっています(写真8)。

写真10. ちょっとした供食スペース

ちょっとした供食スペースがあります(写真10)。スナック類とコーヒーマシンです。女性がいますが、この後に検札を受けました。

写真11. ちょっとした供食スペース

コーヒーマシーンです(写真11)。残念ながら有料です。食堂車のようなものを期待していたのですが、このような形態でした。

写真12. 異なる色の編成を組み込む

異なる色の編成を組み込んでいました(写真12)。詳細はRABe 526(外部サイト)をご覧ください。

チューリッヒからブルクドルフまでの車窓

さて、実際の車窓を堪能しましょう!

表1. IR35の時刻表(BLS公式サイトの時刻表より抜粋)

写真13. チューリッヒを発車!

チューリッヒを発車しました(写真13)。スイス東部方面の線路が分岐します。チューリッヒ中央駅の地上ホームは頭端式のホームですが、その線路は直進すると西方向に進み、チューリッヒから西方向への行き来に重点が置かれていたことがわかります。

写真14. チューリッヒの副都心的な場所を走る

チューリッヒの副都心的な場所を走ります(写真14)。

写真15. Zürich Altstettenに停車

Zürich Altstettenに停車します(写真15)。チューリッヒ中央、チューリッヒ-アルトシュテッテンとこまめに停車しますが、ここからオルテンまでノンストップです。平日の朝だからか、ここである程度乗ってきました。

写真16. のどかな風景が広がる

のどかな風景が広がります(写真16)。

写真17. 線路が合流する

線路が合流します(写真17)。スイスは線路密度が高く、線路の合流もしばしばあります。

写真18. 都会的な風景に変わる

都会的な風景に変わります(写真18)。スイス北部は比較的人口集積も多いのです。

写真19. 大きな駅が近づいてきた

大きな駅が近づいてきました(写真19)。

写真20. アーラウ駅を通過!

アーラウ駅を通過します(写真20)。オルテンと同程度の人口ですが、IR35は通過します。

写真21. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真21)。

写真22. 大きな駅に近づく

大きな駅に近づきます(写真22)。

写真23. オルテンの乗りかえ案内

車内モニターに乗りかえ案内も流れます(写真23)。先発のICEはインターラーケンからベルン、バーゼルを通り、ハンブルクまで行く長距離系統です。スイス国内ではICの1系統として扱われます。

なお、わがIR35系統は8分とまります。

写真24. 2階建ての列車が走り抜ける

2階建ての列車が走り抜けます(写真24)。進行方向が反対向きなので、ベルン-チューリッヒ間ノンストップのICかな?

写真25. ICEがやってきた

そしたら、ICEがやってきました(写真25)。ベルンは進行方向に、バーゼルは進行方向向こう側にありますので、わがIR35系統と反対向きに走ります。

写真26. ハンブルク行きの表示

ハンブルク行きの表示です(写真26)。ハンブルクはドイツ北部の都市です。インターラーケン-バーゼルのスイス国内列車、バーゼル-フランクフルトのICE、フランクフルト-ハンブルクのICEを1本の列車にまとめたという意味合いが強いのでしょうが、それでも長距離列車はロマンがあります。

写真27. ベルン方面ICが通過!

ベルン方面行きのICが通過します(写真27)。平屋の車両がつながれています。

写真28. オルテンを通過する

オルテンの通過します(写真28)。今度は2階建ての客車です。

写真29. 機関車を最後尾に駆け抜けた

機関車を最後尾に駆け抜けました(写真29)。

写真30. オルテンを発車!

オルテンを発車しました(写真30)。あちらはヌーシャテル方面の線路でしょうか。

写真31. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真31)。

写真32. 高速新線の線路が見える

高速新線の線路が見えます(写真32)。

写真33. 線路が見える

線路が見えます(写真33)。これも高速新線です。

写真34. 都市があらわれる

都市が現れます(写真34)。

写真35. Herzogenbuchseeに停車!

Herzogenbuchseeに停車します(写真35)。ヘルツォーゲンブーフゼーです。

図2. ブルクドルフ付近の線路配置(OpenRailwayMapより引用)

ブルクドルフ付近の線路配置を示しました(図2、OpenRailwayMapより引用)。白の矢印から黒の矢印に向かうのが旧来の路線、白の矢印から灰色の矢印に向かう黄色の線が高速新線です。ブルクドルフを迂回するように通っており、高速新線はショートカットしていることがわかります。

写真36. のどかな風景を走る

ヘルツォーゲンブーフゼーを発車しました。再びのどかな風景を走ります(写真36)。

写真37. のどかな風景を走る

今までになくのどかな風景のなかを走ります(写真37)。

写真38. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真38)。

写真39. 牧場もある

牧場もあります(写真39)。

写真40. カーブを走る

カーブを走ります(写真40)。

写真41. カーブで前を眺める

カーブで前を眺めます(写真41)。さすが3編成併結、迫力があります。

写真42. ブルクドルフでの乗りかえ案内

ブルクドルフの乗りかえ案内です(写真42)。チューリッヒとベルンを結ぶ東西方面と南北方向のローカル線があり、乗りかえ列車はそれなりにあります。

写真43. ブルクドルフに到着!

ブルクドルフに到着しました(写真43)。

写真44. 黄金の車体が輝く

黄金の車体が輝きます(写真44)。このままベルンに向けて発車しました。

IRでチューリッヒからブルクドルフに移動して

写真45. ビストロというほどか?

今回、この後にローカル線に乗ってみたいという意図であえてICを避けて移動しました。高品質な車内でゆったりと過ごしながらスイス北東部からスイス中部まで移動しました。ICで高速に移動するのも良いのですが、高速新線を通り車窓面ではやや単調です。チューリッヒからベルンまでICで56分、IR35で88分と約30分の違いです。スイスの中距離移動にIRを使ってみるのも一興だと思いました。

前後を読みたい!

(←前) ブレゲンツからチューリッヒまでの列車旅

チューリッヒからブルクドルフまでのIR列車旅:現在地

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★全体のまとめ:23年GWドイツ・スイス旅行のまとめと振り返り

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