221系電車の車内(JR西日本)

記事上部注釈
弊サイトでは実際に利用したサービスなどをアフィリエイトリンク付きで紹介することがあります

JR西日本の近郊型電車の基礎となった221系電車。近年、ドア付近スペースの拡大などリニューアルが行われています。その内装を見てみましょう。

写真1. 221系電車の外観は柔和

復習:221系電車の概要

221系の概要を復習しましょう。

221系電車の概要
  • 所属:JR西日本
  • 運用:関西地区(東海道・山陽線京都以西からは撤退予定)
  • 形態:3ドア転換クロス

221系電車はもともと新快速用に登場した車両です。従来の117系電車は2ドア転換クロスシート、113系電車は3ドアセミクロスシート車で、前者は乗降性に難あり、後者は快適性に難ありの車両でした。そこで、JR西日本は両者を両立させるために3ドア転換クロスシート車を新製しました。

当初は新快速で第1線の活躍を見せていましたが、後に高速性や安全性に優れる223系電車や225系電車が投入され、221系電車は徐々に新快速からは引退しました。

その後、阪和線などで活躍した時期もありますが、現在は京都地区や奈良地区に集結され、再編成されようとしている最中です。大和路線やおおさか東線は普通電車を含めてこの車両に統一される予定(※)です。

※おおさか東線の直通快速は207系か321系による運行が継続される予定です。

221系の内装を見る

さて、実際の内装を見てみましょう!

写真2. 221系電車の全景

室内全景です(写真2)。当初はドア間に6列の座席がありましたが、ドア付近が混雑するということなのか、一部撤去され、ドア間は5列か4列になっています。3ドア車ですので、1つのドアにつき1列ぶんの立客スペース拡大という格好です。

写真3. ドア付近のスペース

ドア付近の立客スペースです(写真3)。このぶん座席定員は減少してしまうのが難点なのですが…。

写真4. 補助座席が格納されている

補助座席が格納されています(写真4)。これで閑散時間帯は従来通りの座席数を提供しています。

写真5. 4列しかない部分

4列しかない部分もあります(写真5)。

写真6. 5列ある部分

車両中央から撮影してみました(写真6)。こちらは5列の座席があります。

写真7. 座席が撤去されていないドア部分

座席が撤去されていないほうのドア部分です(写真7)。確かに、ドア付近のスペースは小さめです。のちの223系以降ではドア間を5列にし、ドア付近のスペースを拡大したわけです。

写真8. 車端部のボックスシート

車端部にはボックスシートがあります(写真8)。

写真9. ボックスシートを撮影

もう少しわかりやすい角度で撮影してみました(写真9)。リニューアル工事の1つの目的が、「乗客を詰め込みしやすい車両」というものでしょう。そうであれば、ここをロングシートにすることも1つの手でした。そうであれば、ドア間6列を維持しつつ(あるいは中央のドアに近い1列のみ撤去)、立客スペースを確保できました。

写真10. 運転台仕切りの窓が大きい

運転台仕切り窓は大きいです(写真10)。221系が登場した際、国鉄のイメージを払しょくしたかったと聞きます。国鉄車は運転席仕切り窓は小さめでした(国鉄末期登場の205系以降は配慮されていますが)。それとの決別でしょうか。現在の227系に至るまでそれなりの大きさが取られ、配慮が続いていることが読み取れます。

写真11. ドアは白の化粧板ありの複層ガラス

ドアは白の化粧板が貼られています(写真11)。また、ドアの窓ガラスは複層ガラスで曇りにくい配慮がなされています。JR東日本で同様のガラスが採用されたのは、2006年のE233系登場まで待たねばなりませんでした。乗客への配慮はこちらのほうが行き届いています。また、リニューアルに際し、ドア上部に電光掲示板が設置されました。3色表示の21世紀初頭では標準的なものです。でも、文字の大きさはちょっと小さいかな?

写真12. 座席と窓割が合致している

座席割と窓割が合致しています(写真12)。これは、風景を眺めるのに良いだけではなく、カーテンを各自で操作できるという意味でも大切なことです。

写真13. 天井を見てみる

天井を見てみましょう(写真13)。荷棚もすっきりとしたデザインで、天井の照明はカバーが付いています。カバー付きの照明は関西地区の車両の伝統でした。国鉄も関西地区と東海地区に投入した117系電車はカバーが付いていました。

写真14. 優先座席の表示

優先座席の表示です(写真14)。関西地区の特徴ですが、緑色のカバーでおおわれています。関東に住む私からすると、慣れない表示です。

写真15. つり革は丸い

座席の前までつり革が連なっています(写真15)。関東地区の車両のつり革は三角のものが多いと思いますが、221系電車のつり革は丸いです。

写真16. 窓が開けられる

一部の側窓は開けることができます(写真16)。空調が当たり前となった時代ですが、手動の換気が必要な場面もありましょう。

221系電車に乗ってみて

JR化当初は関西地区のフラッグシップトレインとしてデビューした221系電車。当初は新快速などのような長距離移動が前提の運用に充当されることが多かったです。しかし、現在は大和路線やおおさか東線の普通電車など、短距離利用が前提となる運用にも充当される汎用車へと役割を変えています。座席の一部撤去と補助座席設置はこのような流れを踏まえたものかもしれません。

とはいえ、この車両が目指した意欲は今でもあらゆる箇所に残っています。大きな窓、転換クロスシート、そして広さを意識した車内。そして、後続車両や国鉄型のリニューアル車両にもこの遺伝子は引き継がれています。フラッグシップトレインとしての存在感は薄れてしまいましたが、それはこの車両の設計思想が標準化されたためと解釈することもできます。

今後も広くて快適で明るい車両が登場することを祈るばかりです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする