JRの秋の臨時列車5選(首都圏編、気になる列車を選出、2019年)

記事上部注釈
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JRでは季節ごとに臨時列車を運転しています。ただの増発扱いの列車からユニークな列車までいろいろな性格の列車があります。臨時列車に乗るのであれば、ユニークな列車に乗りたいものです。そこで、私の独断と偏見でまとめました。なお、多くの人の乗りやすさを重視し、関東地方に絞っています。

お座敷車両「華」の前面

写真1. お座敷列車に乗るには臨時列車に乗る必要がある

臨時列車の運転状況の見つけかた

JR東日本のサイトを開くと簡単に見つけられます。ニュースリリース一覧を眺めると、「秋の増発列車のお知らせ」というPDFファイルが見つかります。ここに臨時列車を掲載されています。JR東日本の表現では臨時列車ではなく、増発列車と記載されています。これは、通常の定期列車と臨時列車を合わせて実質的な増発を行っているためであると解釈できます。ただし、弊サイトでは臨時列車と記します。

このプレスリリースは8月下旬に発表されます(2018年は8月24日、2019年は8月23日でした)。発表時期が秋(9月1日~)の直前過ぎではないか?という疑問もあるでしょうが、9月中の臨時列車は夏の臨時列車情報に含まれます。そのため、8月下旬の発表で問題ありません。

とにかく、PDFファイルを開くと臨時列車情報にアクセスできます。最初のページにJR側が売り込みたい内容が掲載されています。つまり、最初のページはJR側の意図が入っているということです。「興味深い列車=JRが売り込みたい列車」と限りませんから、詳細データを眺めることにしましょう。つまり、別紙を眺めます。この別紙に一番詳しい一覧が掲載されています。

気になる臨時列車5選の発表

ここでの選出基準は、定期列車との違いが強いものを基準としています。つまり、停車駅が違う、経路が違う、車両が違うなどの要素が多いほど「気になる」臨時列車ということにしています。その列車自体は重要ですが、普段の停車駅で走る特急ときわの臨時列車はここでは「気になる」臨時列車にはならないということです。

ここでは列車名をタイトルに記し、それぞれの列車の基本情報(始発、終着の駅名と時刻、運転日)を記し、何が興味深いのかをコメントで記すことにします。

5位:はやぶさ69号、はやぶさ68号

はやぶさ69号:大宮10:10→新青森13:08(運転日:10/12、11/2)
はやぶさ68号:新青森13:30→大宮16:26(運転日:10/14、11/4)

普通のはやぶさと何も違わないように見えます。しかし、首都圏側の始発駅をよく見てください!東京や上野ではなく大宮です。東北新幹線は東京-大宮で多くの列車が走る(他の新幹線列車が走る)一方、個々の列車は比較的ゆとりがあります。大宮10:10発は定期列車のあさま607号と同時なので、この列車は東京発着にはできません。また、新宿・池袋地区と埼玉県内から東北新幹線に乗る場合は大宮乗りかえが便利です。そのような事情から、一部の臨時列車は大宮発着にするという判断があったのでしょう。新幹線の需要が伸びた場合は、大宮発着の臨時列車を設定する必要性は高まることでしょう。その予行演習を兼ねていると推定することもできます。

4位:お座敷青梅奥多摩号

川崎8:57→奥多摩11:16(運転日:11/2、11/3と11/4)
奥多摩17:38→川崎19:55(運転日:11/2、11/3と11/4)

お座敷車両を使うことと、普段は通らない南武線~青梅線の連絡線を通ることから、4位にランクインさせてもらいました。復路(奥多摩発)の列車は日没後になってしまいますので、景色を楽しめません。景色を楽しみたい場合は往路(立川発)に乗ると良いでしょう。南武線はさまざまな私鉄と交差します。これらの私鉄から奥多摩へのチャンネルとしても機能することでしょう。例えば、小田急線沿線から奥多摩へのお出かけであれば、登戸で乗りかえば良いです。そのような意味で南武線や武蔵野線は意外なキーなのです(もちろん山手線も!)。

余談となりますが、奥多摩地区は日帰り観光にぴったりの場所です。日常的に特急列車を運転するのは困難でしょうが、冬を除く土日には全席指定のホリデー快速を新宿-奥多摩で運転するべきでしょう。ホリデー快速おくたま号はロングシートで自動車に快適性で劣るからです。

同じくお座敷列車を使う快速が10/13に運転されます。新宿8:32→甲府10:42、甲府14:40→新宿16:44です。回送ついでに品川か横浜まで運転すれば、「気になる」度合が少し増えたのに残念ですね!

お座敷列車「華」

写真2. 南武線からのお座敷列車(お座敷列車に乗るで収録)

3位:ホリデー快速あたみ号

青梅8:41→熱海10:32(運転日:11/9、11/10)
熱海16:40→青梅19:20(運転日:11/9、11/10)

この列車は185系6両編成というありふれた車両による運転ですが、青梅線と南武線の渡り線を通ることと、武蔵野線の貨物線を通ることからランクインさせてもらいました。小田原-熱海の海岸沿いの景色は見どころですが、復路だと眺められるか微妙(日没に近い時間帯)なので、往路のほうが良いでしょう。武蔵野貨物線の区間だけ乗って、多摩地区から熱海に行きたい人の座席を奪わないように!

多摩地区の人が定期列車で熱海まで向かうには新宿か東京に出る必要があり、面倒です(私のように列車に乗ることに人生を懸けている人ばかりではありません)。八王子には圏央道が通っており、熱海方面に自動車で向かうのは渋滞する都心を通る必要がありません。このような人に対し、多摩地区から直接向かえる臨時列車を運転するのは非常に有効です。あとは鉄道ファンをホイホイするために、この日にお座敷列車による臨時特急を立川-大船で運転すれば、「武蔵野線の貨物線に乗りたい」というファンはこちらに流れるでしょう。鉄道会社側にはこのような皮の厚さを身に着けるべきでしょう。

ただし、この後の週には目的地を熱海から鎌倉に変更した臨時列車が運転(11/16、11/17、11/23と11/24)されるので、ファンはこちらにも分散するかな?こちらをランクインさせなかったのは、鎌倉に向かう臨時列車は意外と多いためです。

2018.11.3 武蔵小杉に進入する185系

写真2. 普段と違う場所に来るだけでジャーナリストが集う(武蔵小杉で2018年11月3日に撮影)

2位:花咲くひたち海浜公園号

大宮8:16→勝田10:32(運転日:10/12と10/13)
勝田16:26→大宮18:28(運転日:10/12と10/13)

E653系7両編成による運転です。この車両はエセ国鉄色による運転です。この車両が定期運用に入ることはありませんので、車両のレア度は高いでしょう。といっても、かつては常磐線を頻繁に走っていた車両なのですが…。

また、武蔵野線との連絡線を2回通ることも「気になる」点です。大宮からは武蔵野線の「しもうさ号」と同様に大宮支線と西浦和支線を通り(西浦和支線は短い)、さらに南流山から北小金まで北小金支線を通ります。特に、北小金支線は定期列車の運転がありませんので、貴重な存在でしょう。こちらも「北小金支線を通るから乗ろう」という鉄道ファンを誘導するために、上野-吉川美南、吉川美南-我孫子で185系による特急列車を運転しても良いでしょう。お金がかかる?我孫子発着の踊り子の回送ついでに走らせれば追加出費は抑えられます。収入を最大にするために特急列車にするんですよ!

1位:ぶらり川越号

日立6:47→川越9:49(運転日:10/19と10/20)
川越15:20→日立18:50(運転日:10/19と10/20)

これもE653系7両編成による運転です。定期運用に入ることはありませんので、車両のレア度は高いでしょう。川越まつりに合わせて運転する列車です。武蔵野線との連絡線を2回通ることは花咲くひたち海浜公園号と同じですが、これはさらに大宮での転線が入ります。そのため、さらに「気になる」度合いが高まりました。川越まつりもフィーバーするでしょうが、この列車の車内と沿線からの撮影もフィーバーしそうですね。

川越に早く行くのであれば東武東上線(川越特急であればクロスシート車!)、快適に行くのであれば西武新宿線の特急でしょうが、いずれも東京からの移動です。鉄道で川越にアクセスしにくい常磐線からのアクセスを便利にしようという意図を感じます。また、この日は大船や新習志野からも同様の列車が運転されます。定期列車では不便な郊外から郊外のアクセスを便利にしようということです。臨時列車の運転によって、定期列車がフォローしにくい範囲をカバーすることは大変重要です。

臨時列車のまとめにかえて

以上、私の独断と偏見で「気になる」臨時列車をまとめてみました。今回の着目点は「普段と違う」ということです。普段と違うということは、定期列車ではカバーできない範囲をフォローするということです。ただし、定期列車という強みを生かす形で設定される「気にならない」臨時列車も重要です。このような臨時列車(例えば東京-新大阪の臨時「のぞみ」)は定期列車のように意識せずに乗ることができ、定期列車の戦力を増強する役割を担っています。もちろん、定期列車も重要な存在です。

このように、列車1本1本にはそれぞれに課せられた役割があります。普段から運転されている列車もレアな列車も乗客を運び、人と人をつなげているのです。あくまでも列車が主体ではなく、列車はより豊かな社会を実現するためのかけがえのない道具であることを忘れないようにしたいものです。

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