日中時間帯の小田急の混雑調査(代々木上原-東北沢)

記事上部注釈
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ガラあきの準急
写真1. かなり空いている千代田線からの準急

小田急の「新ダイヤ」がスタートしました。新ダイヤでは千代田線-多摩線の急行が新宿発着に振り替えられたり、登戸に快速急行が停車したり、準急が新設されたりしました。果たして、混雑のバランスはどうなのでしょうか?新ダイヤ初日に実際に調査しました。

※この約1年後(2019年2月)に最混雑区間の混雑状況を調査しています。「何もない」休日の姿です。
小田急の休日日中時間帯の最混雑区間の混雑状況(下北沢-世田谷代田)

混雑調査区間の選定

小田急の最混雑区間は下北沢-世田谷代田です。そのため、下北沢断面-具体的には下北沢の下り側-で混雑を調査すべきなのでしょう。しかし、実際に下北沢で混雑を調査しようとしますと、上下線を同時に調査できません。このため、最混雑区間に近い混雑であり、上下線同時に調査可能な代々木上原-東北沢を選択しました。具体的には、代々木上原の下り側で混雑率を目視で判定したのです。

実際の混雑状況

休日の15時ごろのデータです。この日は新ダイヤ初日ということで撮影していたファンも多く見られましたが、私のように混雑を調査している人はいませんでした。もしかして、私はファンの中でも特殊な立ち位置なのでしょうか。

表1. 下り代々木上原発車での混雑

18.3.17 代々木上原(下り)の混雑状況

表2. 上り代々木上原到着での混雑

18.3.17 代々木上原上りの混雑状況

暖色系の車両は立ちが生じていることを示します。

参考までに、混雑ポイントの概念も示します(表3)。毎回この表がありますと、弊サイトの混雑調査を何回かご覧になっている方にはウザイでしょうが、最初に見る人もいる可能性があるので、ご容赦ください。

表3. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

混雑状況からの考察

以上のデータを私なりに解釈しましょう。まずは混雑状況の分析、次に空いている車両の選定を行います。

系統による混雑差

各種別の混雑率(混雑ポイントではありません)をまとめました(表4)。

表4. 各種別の混雑状況のまとめ

18.3.17 種別ごとの混雑まとめ

なぜか上りが下りよりも混んでいました。土曜の夕方ということで、新宿に向かう需要が大きかったのかもしれません。

快速急行と急行の混雑傾向

予想通りですが、快速急行が混雑しています。上下列車を総合すると、小田原方面と片瀬江ノ島方面ではそこまで混雑状況に差が見られません。片瀬江ノ島発着の場合、途中駅で小田原方面の急行に接続します。そのため、混雑することが予想されますが、そこまでの差がありません。この理由として、下りは快速急行片瀬江ノ島行きの直前に急行新松田行きが設定されているので、町田・相模大野に向かう乗客がその急行で救済されているのかもしれません。

また、急行は各車両少し立ちが発生する程度の混雑です。ただし、1号車だけは空席があります。これは、新宿で1号車が不便な位置にあるためと推定します。新宿の東口にしろ、西口にしろ、10号車のほうが便利なのです。

これらの速達列車は合わせて10分に2本設定されていますが、全く輸送力過剰という感想は受けません。むしろ、この程度でも若干不足ではないかというくらいです。下りと比較して上りのほうが急行と快速急行の混雑差が大きいのですが、これはダイヤ上の違いによるものと推定します。下りは急行は相模大野まで後の快速急行よりも先着するのに対し、上りは新百合ケ丘からしか先着しません。町田と相模大野の利用客が快速急行に集中することと、上りは多摩線からの利用客も快速急行に乗り継ぐことになるためでしょう。遠近分離という文言がありますが、新百合ケ丘での快速急行と急行を接続しないようにすることにより、上り快速急行の乗客集中を避けることも重要でしょう。また、このことで、上りの向ヶ丘遊園手前での詰まりを防止することも期待できます。

町田方面の急行よりも唐木田発着の急行が空いていますが、これは簡単に想定できる内容です。しかし、将来的に「小田急だと急行で新宿に直結する」ことが多摩ニュータウン地区に定着したら、この傾向が変わるかもしれません。ダイヤ改正初日だけ見てわかったような態度をとることはやめましょう。

準急と各駅停車

準急の空き具合は眼を見張るものがあります。平均乗車率は23%で、座席が半分埋まる程度の混雑です。従来、急行で着席困難だった成城学園前や経堂から都心方面に向かう際に、着席可能な準速達列車としての役割を担うという意図なのでしょうか。小田急沿線は新宿志向が強く、千代田線志向はそこまで強くありません(だって新宿で事足りるじゃない!)。この流れを少しでも変えることになるのか、注目される種別といえます。

各駅停車はそこまで混雑していないものの、座席が埋まる程度の混雑は認められます。私たちファンは各駅停車の減便と引き換えに速達列車を増発することを妄想しますが、それは難しいことを認めざるを得ません。

ダイヤ改正初日のためか、GSEは満席でした。やはり人気の車両なのですね。VSEとGSEという看板車両をうまく使いこなして欲しいです。

代々木上原を通過するGSE

写真2. 代々木上原を颯爽と通過する新型ロマンスカーGSE

空いている車両は?列車は?

混雑するのは快速急行です。この混雑を避けたければ、それより遅い種別を選ぶべきといえましょう。また、新宿で各方面に便利な5~10号車が混雑する傾向があります。どうしても西口地区に急ぎの用事があるのならともかく、(JRでいう)東南口や南口エリアに用事がある場合は、1号車を利用することも重要でしょう。

また、新宿地区といっても新宿三丁目付近に用事がある場合は、準急に乗車して明治神宮前乗り換えを選択肢に入れると、空いた列車で移動できて良いかもしれません。

現時点では準急が非常に穴場的な種別です。利用者も事業者もこの準急をどのように活用するのかが(あるいは準急が定着するのかが)、新ダイヤの隠れたポイントといえましょう。

代々木上原での混雑まとめ

代々木上原段面では、新宿発着と速達列車に乗客が集中する傾向がはっきりと見られました。特に新宿で便利な位置である5~10号車(新宿より6両)に乗客が集中していました。小田急はいかに快速急行への乗客集中を緩和するかを考えるべきでしょうし、私たち利用者も穴場的な列車や車両を選択して、少しでも快適に移動したいものです。

小田急小田原線の混雑基本情報

ここまで現場での調査という「狭くて深い」内容を示しました。では、基本的な混雑データなどの「広くて浅い」情報はないのでしょうか。そのような声にお応えして、以下のページを作成いたしました。

小田急線(混雑基本データ)

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