総武線の混雑状況(平日夕方時間帯、錦糸町-亀戸、現場90分調査)

首都圏でも有数の混雑路線の総武線。朝ラッシュ時の混雑率は198%にも達します。それでは、夕方の混雑はどうなのでしょうか。都心側の拠点駅である錦糸町を発車する快速、各駅停車の混雑を実際に調査しました。

夕方ラッシュ時の総武線快速E217系

写真1. 夕方ラッシュ時に入り始めた


総武線夕方ラッシュ時の混雑状況

以下、長い文章を読みたくない人のために、簡単に結論をまとめます。

・快速は吊革は埋まってドア部分に乗客の集中があるものの、ドア部分に圧迫は生じない程度の混雑だが、列車ごとの差が激しい
・快速は前列車間隔が10分以上開くと混雑する傾向があり、東京始発や津田沼行きではないとそれは顕著である
・各駅停車は錦糸町発車時点では吊革が埋まっている程度
・快速も各駅停車も車両ごとの混雑はそこまで差はない

混雑調査の概要

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

調査区間の選定

混雑調査は都心側最後の駅発車時点で行うべきでしょう。「都心」の定義はいろいろある(※)でしょうが、地下鉄接続駅かつ複々線開始駅の錦糸町を都心側最後の駅とすることはそれなりに納得できます。そのため、ここでは錦糸町→亀戸の混雑を扱うことにしました。

※各種統計では「都心」の定義は中央区、千代田区、港区とされています。総武線で対応するのは馬喰町以南、秋葉原以西(浅草橋から千代田区と中央区は近いものの、駅じたいは台東区にあります)です。ただし、このページでは混雑を調査するものであり、都心以外にも会社は多いので、厳密な定義には従いません。それに、ここの記述は都心「側」と記しています。

調査方法と調査結果

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

混雑調査結果とその分析

生データを示した後に、詳しい分析をしましょう。

混雑状況の生データ

まずは、各列車の各号車ごとの調査結果を示します(表2)。各列車の混雑率も示すことにしましょう。

表2. 総武線夕ラッシュ時混雑状況

総武線夕方混雑調査結果(下り)

参考までに各車両の混雑状況も示しました。ただし、あくまでも参考程度にご活用ください。

全体として、各駅停車よりも快速が混雑していることがわかります。また、本数が減る19時以降の混雑が目立ちます。私の知り合いは19時以降は電車が空いていると言っていました(その人は総武線利用者ではありません)。一般的なこの傾向と矛盾する点については、別に考察しましょう。

混雑状況の分析

では、混雑状況を分析します。混雑ポイントは実は定性的評価です。定量的評価ではありません。もっと簡単にいうと、混雑ポイントは、数字と実際の乗車人数が比例関係にはありません。そのため、比例関係にある混雑率に換算して評価することにします。その後、再度混雑率に換算して定性的(わかりやすい言葉)に表現することにします。

快速と各駅停車の混雑率

まず、車両ごとのバラつきがあれど、単純に各列車の混雑率を求めます。ここでは、グリーン車は評価に加えていません。グリーン車はないものとみなしているのです。

表3. 快速の混雑状況一覧

総武線夕方混雑調査結果(快速)

混雑と前列車間隔は大いに関係があると推定し、前列車間隔についても記しています。ここから、以下の傾向が読み取れます。

・前列車間隔が5分程度であれば、そこまで混雑しない
※混雑は125%程度(混雑ポイント140ポイント強)なので、吊革が埋まってドア部分が埋まり始める程度の混雑です。
・前列車間隔が10分以上だと、混雑は激しい
※東京始発ではないと、混雑率150%程度(混雑ポイント160ポイント程度)なので、ドア部分に圧迫が見られる程度の混雑です。
・東京始発や津田沼行きは比較的空いている

例えば、18:14発、18:44発は前列車間隔が10分を超えていますから、混雑率が150%を超えています。これは混雑ポイントにすると160ポイント相当で、ドア部分に圧迫が見られる、というものです。同じく前列車間隔が11分開いている19:14発はそこまで混雑していません。これは、当該列車が東京始発であるためです。同じく東京始発はある程度空いています。これと対照的なのが、19:19発です。前の列車が東京始発であり、新橋以南で列車間隔が開いているため、新橋以南の乗客が流れ込んで混雑しています。

18:50発の成田空港行きはこの日に限り、5分遅れていましたから、とても混雑しています。といっても前列車間隔は8分に過ぎません。この理由は前後が津田沼行きなので、千葉方面に向かう乗客がこの電車に集中することや、千葉以遠まで直通するためでしょう。また、成東行きも併結していますから、佐倉から先の各駅に向かうのに便利なことも影響することでしょう。

これらのバラつきがあるがゆえに、画一的な混雑率は求められません。しかし、目安としてラッシュピーク時の混雑率を求めると、133.5%となります。これは混雑ポイントでいうと150ポイントで、夕方の総武線快速は吊革は埋まってドア部分に乗客の集中があるものの、ドア部分に圧迫は生じないという程度です。

各駅停車でも同様の分析を行います(表4)。

表4. 各駅停車の混雑状況

総武線夕方混雑調査結果(各駅停車)

快速に比べてそこまで混雑していません。ただし、これは錦糸町で快速に乗りかえる人が降りたあとの混雑であることに注意する必要があります。西船橋行きが空いている程度で、津田沼行きと千葉行きに差があるようには見えません。

錦糸町に到着する各駅停車(209系500番台)

写真5. 錦糸町で大量に各駅停車から降りる乗客(今や珍しい209系500番台!)

これも混雑率を求めると、116%です。混雑ポイントで表現すると、各駅停車の錦糸町発車時点では吊革が埋まっている程度の混雑です。

車両ごとの混雑状況

快速、各駅停車とも極端に混雑する車両はありません。これは、都心を貫通する路線の特徴ともいえます。乗客が乗り込む駅が限られている路線であれば、その駅の構造で混んだ車両、空いた車両が決まってしまいます。しかし、総武線で乗客が乗り込む駅は快速が品川、新橋、東京、新日本橋、馬喰町、錦糸町(主に各駅停車からの乗りかえ)ですし、各駅停車は市ヶ谷、水道橋、御茶ノ水、秋葉原、浅草橋、両国です。このうち、水道橋と浅草橋は両端に出入口があるので、ある程度端の車両にも乗客が乗りこみます。

そうはいっても、編成の長い快速であれば、両端の車両は比較的空いています。どうしても混雑を避けたければ両先頭車に乗ると良いでしょう。

混雑状況からダイヤ案を考える

混雑状況からダイヤ案を考えます。各駅停車ですが、3分間隔で運転している限り、そこまで問題はありません。4分以上の間隔が開くと混雑が激しくなる傾向にあります。19時以降に間隔が開きますが、これを是正(19:30ごろまで3分間隔)すれば特に問題ありません。

問題は快速です。成田エクスプレスが入ることで11分も間隔が開きます。すると、成田エクスプレスの直後の快速が混雑します。これは速度差がある以上、仕方ありません。速度差がある中でこのような間隔をなくす方法として、以下の2つが考えられます。

・成田エクスプレスが錦糸町を通過した直後に、新宿方面からの快速を発車させる
・成田エクスプレスの直後に特別快速を設定する

前者は成田エクスプレスの直後に錦糸町を発車させれば良い、という考えです。錦糸町を成田エクスプレスが通過するのは毎時10分や40分前後です。一方、直後の快速が発車するのは14分や44分です。快速と各駅停車を方向別ホームとすれば、成田エクスプレスが発車した直後の毎時11分や41分に発車できます(当該の電車は各駅停車ホームから発車させる)。こうすれば、新宿方面からの乗客は毎時14分発と44分発に集中しません。この場合の欠点は、錦糸町の配線変更が必要なことと、本数の多い路線を渡り歩くのでダイヤ乱れの影響を受けやすいことです。

後者は成田エクスプレスの直後の電車を快速ではなく特別快速(新日本橋、馬喰町、新小岩、市川、津田沼、稲毛を通過)とすることで、14分、44分発の快速の発車時刻を2分前倒しします。これを他の駅を通過することで、近距離客を後続の電車に誘導して混雑を緩和することができます。津田沼で前の快速を追い抜くと良いでしょう。この場合の欠点は、通常の快速が13分間隔(現在の11分間隔+2分)になることです。錦糸町断面では特別快速と快速合わせて9分間隔なので、やや改善というところでしょう。東京からは11分間隔と変わりません。現在のインフラではこの策が最も簡易的で、特別快速と快速の両方で弱点を補強するという考え、そして遠距離通勤の負担の軽減ではそれなりに良い策でしょう。もちろん、特別快速は純増です。

現在、ライナーの前後で列車間隔が開いています。ライナーを快速に変更することで少しでも混雑が緩和します。これは歓迎することです。特に、東京19:15発快速千葉行きの設定(錦糸町19:24に相当)はラッシュピーク直後の混雑緩和に大いに寄与することでしょう。現在の19:28発の混雑率が160%になっていますが、これが120%程度まで緩和するのです。ライナーから快速に建て替えることは様々は意見がありますが、一般列車の混雑緩和につながることは事実なのです。

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