丸ノ内線の混雑状況(茗荷谷→後楽園、朝ラッシュ時、現場調査)




以前は混雑率254%(昭和40年度調査結果)まで混んでいた丸ノ内線。有楽町線の開業などによりその混雑は緩和しています。現在は混雑率が165%となっていて、そこまで混んでいる路線ではありません。では、その実態はどうなのでしょうか。実際に朝ラッシュ時の混雑を調査しました。

後楽園を発車する02系

写真1. 後楽園を発車する丸ノ内線


丸ノ内線(茗荷谷→後楽園)の平日朝ラッシュ時の混雑状況

以下、長い文章を読みたくない人のために、簡単に結論をまとめます。

・朝8:30ごろが混雑のピークである
・混雑率は157%程度であり、車内中ほどに乗客がほぼ隙間なく埋まり、ドア付近にも圧迫が生じる状態である
・号車ごとの混雑の差はあまり大きくない

混雑調査の概要

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回の調査区間は茗荷谷→後楽園です。最混雑区間は新大塚→茗荷谷ですが、茗荷谷周辺も住宅街なので、茗荷谷前後でそこまで混雑が変わらないと判断したためです。茗荷谷周辺には多くの大学があるので、ここを目的地とする学生が降りるため、わずかに茗荷谷で空くのです。いずれにしても私の実感を含めても茗荷谷で大差ありません。単純に調査しやすそうな後楽園で調査することを選んだだけのことです。

丸ノ内線の混雑調査結果とその分析

生データを示してから、その分析を行います。

混雑の生データ

生データを示します(表2)。なお、丸ノ内線は都心部を走ることもあり、乗り降りの多い駅を頻繁に通ります。そのため、ドア付近に陣取ると、各駅で乗り降りの流れに巻き込まれます。そのため、車内中ほどに詰める人が多かったです。したがって、ドア付近が圧迫されていなくとも、車内中ほどはよく埋まっているという状況が多く見られました。

表2. 丸ノ内線の混雑状況(朝ラッシュ時、茗荷谷→後楽園、生データ)

丸ノ内線の混雑状況(朝ラッシュ時、茗荷谷→後楽園、生データ)

各列車の混雑率(混雑ポイントではない!)と各車両の混雑率(これも混雑ポイントではない!)も計算しています。このような生データではわかりにくいでしょうから、次の章で簡単なデータ解析も行います。

なお、単純な混雑率は157%と、車内中ほどは多くの乗客で詰め込まれている状態であることを確認しました。

混雑状況の解析

では、混雑状況を解析しましょう。まずは、どの時間が最も混雑しているのかの確認です。10分ごとに混雑率を計算しました(表3)。

表3. 時間帯ごとの混雑状況

丸ノ内線の混雑状況(朝ラッシュ時、茗荷谷→後楽園、時間帯層別)

8:20~8:30の10分間が一番混んでいることがわかります。では、本当にこの時間帯なのでしょうか。このように、時間経過ごとにどんどん混雑が増加している場合は、このデータだけで結論を出してはいけません(8:30~8:40はどうなの?)。統計だのデータ処理だのの教科書にはそのように書いていますが、案ずることはありません。一般常識で考えてみましょう。一般的に会社の始業時間は9:00です。人によって差はあるでしょうが、10分前には職場にいることでしょう。このことを考えると、8:40過ぎに電車に乗っている人はそこまで多くないことでしょう。そのため、8:40過ぎに混雑のピークになるとは考えられません。よって、8:20~8:30が混雑のピークであることは一定の説得力があります。

ただし、8:30~8:40に混雑のピークに達する場合もありえます。したがって、ここでは8:30ごろが混雑のピークであると結論づけましょう。その状態は、車内中ほどに乗客がほぼ隙間なく埋まり、ドア付近にも圧迫が生じるというものです。

では、混雑する車両はどこでしょうか。これも号車ごとの混雑状況を確認しましょう(表4)。

表4. 号車ごとの混雑状況

丸ノ内線の混雑状況(朝ラッシュ時、茗荷谷→後楽園、号車ごと層別)

18m車の6両編成ということもあり、混雑状況に大きな違いはありません。どの車両も混んでいるということです。ただし、あえていうと、後ろから3両目がやや空いている傾向にありました。また、前から2両目が一番混んでいました。その2両の混雑率の差は10%ほどでした。10%というのは差としては小さいです。

ダイヤを考える

丸ノ内線はかつては1分50秒間隔で運転されていましたが、現在は2分間隔になっています。大まかな計算で10%程度の輸送力削減です。従来の混雑率が150%であったならば、165%になるということです。これはホームドアを使う以上、やむを得ないというのが現在の流れです。ホームドアが閉まるのにロスタイムが生じるのはやむを得ませんが、ホームドアが開く際もロスタイムが生じています。これをホームドアが閉まる際だけのロスタイムになるのであれば、1分55秒間隔は可能でしょう。そうすれば、現在の混雑率165%が158%程度まで緩和します。このように、ホームドア導入によるデメリットを最小限にする工夫は重要です。

可能であれば、もう少し混雑を緩和したいところです。これ以上丸ノ内線の混雑を緩和することは難しいでしょう。ところで、東京の移動は意外に不便な一面もあります。具体的には、上野から池袋まで短絡する路線がないなどです。このような路線があれば丸ノ内線を利用せずに済む人まで丸ノ内線に集中する一面もあるでしょう。そのような人を分散させるために今までにない発想の新線建設も1つの手法でしょう。また、都電を2両編成にして、三ノ輪橋-浅草、早稲田-四ツ谷をそれぞれ延伸すること(いずれも地下線)も手です。このように、(広い意味で)環状路線を整備して乗客を分散させることも必要でしょう。



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