名鉄三河線の素顔

記事上部注釈
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名鉄でも路線長が長いほうに属するものの、いまいち地味な印象が拭えない三河線。その三河線に実際に乗車してみました。また、碧南方面から名古屋方面への乗客をJR線に流さないようにする努力も実際に観察しました。

名鉄蒲郡線の基礎データ

名鉄三河線の概要を復習しましょう。

  • 区間:猿投-碧南
  • 距離:39.8km
  • 途中駅:23駅
  • 路線形態:全線電化、ほぼ単線

図1. 三河線の経路(googleマップからの引用)

名鉄三河線は上記の通り、約40kmと大手民鉄の中ではそれなりに長い路線ですが、実態は中間の知立を境に2つに分かれています。複線区間は一部にはありますが、ほとんどが単線です。また、速達列車は一切なく、広域需要よりも地域密着型の路線であることがわかります。

海線への乗車

そんな三河線に乗車してみましょう。まずは通称、「海線」と言われる知立-碧南です。

名鉄三河線の主-6000系

写真1. 名鉄三河線の主、6000系

名鉄三河線の車両は全て6000系です。名古屋本線を含めてあらゆるところで見かけます。この日は蒲郡線も訪問していましたので、「またかよ」という印象を抱いてしまった事実があります。ただし、一般的な人にとっては6000系でも何でも良いことも事実です。

そんな6000系に乗って出発です。

写真2. 住宅街を行く

三河線沿線は田畑が広がることはあまりなく、住宅街が広がります(写真2)。そのため需要がある程度あり、15分間隔での運転がなされているのでしょう。

写真3. 刈谷でJRの電車とご対面!

知立から2つ目の刈谷でJRと接続します(写真3)。最速で刈谷から1駅で名古屋市内(金山)で行けることもあり、三河線沿線住民がここでJRに乗りかえることも多いです。私が乗っていた電車でも乗客が入れ替わりました。このような事態を防ぐために、知立での接続に注意が払われているのです。

写真4. 途中駅でも住宅街が広がる

このような住宅街が広がります(写真4)。

写真5. のどかな景色も広がる

と思ったら、このようなのどかな景色も広がります(写真5)。

写真6. 碧南市内の光景

終点の碧南が所属する碧南市は人口7万人の都市です。そこまで大きな都市ではありませんが、1路線の終点と考えればそれなりの規模といえます。

碧南駅前を散策する

このようにして、碧南に着きました。ただ折り返すだけではもったいないですから、周辺を散策しましょう。

写真7. 碧南駅

写真8. 碧南駅前

碧南は古い駅舎があります(写真7)。また、駅前には少しだけさみしさも漂います(写真8)。それもそのはずです。ターミナル的な役割は手前の碧南中央がになっているのです。

図2. 現在地(googleマップからの引用)

写真9. 線路を眺める

碧南から吉良吉田までは昔は線路がありましたが、現在は廃線となっています。その跡を少しだけたどってみましょう。まず、図2の中央付近にたちます。そして、碧南駅方面を眺めます(写真9)。このあたりまでは現役なようにも見えます。

写真10. さっきの写真とは反対方向を眺める

そして、視線を逆方向に向けましょう(写真10)。すると、「あやしい」砂利道が広がります。そこが昔の三河線の線路であることは容易にわかります。立入禁止の看板がないですし、柵もありませんでしたので、ここを歩いてみましょう。

写真11. 砂利道を行く

その砂利道を歩きます(写真11)。この区間が廃線になって18年間が経ちますが、いまだに砂利が残っているのですね。

写真12. 砂利道を振り返る

その砂利道を振り返ります(写真12)。素材としての価値が高いレール以外はそのままであるように感じます。

写真13. ここからサイクリングロード

ここからサイクリングロードとして活用されています(写真13)。私の廃線めぐりはここで終わりにしました。

山線への乗車

知立に戻って、山線に乗ってみましょう。

知立に停車中の名鉄6000系

写真14. 知立に停車中の6000系

また6000系ですね(写真14)。一時期の東武はどこに行っても8000系だらけでした。そのような感じですね。

写真15. 海線と分かれる

山線はなぜか一番海側のホームに発着します。そのため、海線と平面交差し、ダイヤ作成上のネックとなってしまいます(写真15)。

写真16. 単線の線路を行く

このように海線とわかれたら、単線の線路を走ります(写真16)。

写真17. 途中駅は右側通行!

三河線の一部駅では右側通行で行き違いをします(写真17)。これは昔の名残でタブレットを交換する作業性を重視していたためです。

写真18. 散村的な景色を行く

三河線(山線)で印象に残るのは、散村的な景色を行くということです(写真18)。散村とは家々が点在する集落形態のことです。

写真19. 三河線の拠点、豊田市に到着

そのような景色も豊田の市街地に近づくと一変します。建物がひしめき、都会に入った感じがあります。その豊田の中心地の豊田市に着きます(写真19)。余談ですが豊田駅は「とよだ」と読み、東京都日野市に位置する全く別の駅です。

写真20. 実質豊田線の区間を行く

その豊田市から梅坪までは高架の複線の立派な区間です。それもそのはず、豊田線の電車が乗り入れる区間なのです(豊田線は梅坪から分岐しますが、三河線の豊田市まで乗り入れています)。

写真21. 豊田線との分岐点、梅坪に進入

梅坪に進入します。しかし、分岐点の様相はありません。実質的な分岐点は豊田市だからでしょう。

写真22. 梅坪で豊田線とわかれる

梅坪で豊田線とわかれます(写真22)。ここからは単線に戻ります。

写真23. 猿投に到着

猿投に到着しました(写真23)。廃線跡をたどろうとしましたが、住宅街の中で迷ってしまい、ほとんどできませんでした。

写真24. ここまで電車は来るのだろうか?

知立での接続

三河線の実質的な起点は知立です。いわゆる海線は途中の刈谷からショートカットするように、東海道線に接続しています。せっかく三河線に乗客を集めても、JRに乗客を流すのはシャクでしょう。それを最小限に抑えるように知立では接続を重視したダイヤとなっています。

三河線普通が知立に到着

写真25. 碧南方面から三河線普通が到着

三河線碧南方面からの普通が到着します(写真25)。この1分後に何がおこったのでしょうか。

すぐに名古屋本線特急が知立に到着

写真26. 名古屋方面の特急が到着

そう、名古屋方面の特急が到着しました(写真26)。わざわざ山線と海線を平面交差させてまでも、海線を名古屋方面と同一ホームに到着させて、碧南方面から名古屋方面へは乗りかえにかかる時間を最短にするという努力が見えます。このように、制約がある中でも可能な努力を行おうという姿勢が感じられました。

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