大和路快速に乗る(奈良→大阪、概要も車窓も収録!)




奈良から大阪まで直通運転する大和路快速。その大和路快速の前身は白と赤に塗られた113系による快速までさかのぼります。そして、新大阪直結も始まった2019年現在でも、日中時間帯の主軸として運転されています。何の変哲もない休日にその素顔を探ってみました。
関西本線221系

写真1. 大和路快速は221系に統一!


大和路快速の概要

乗車記の前に、大和路快速の概要をまとめます。

大和路快速の概要
大和路快速の概要を箇条書きで示します。

・区間:大阪−奈良・加茂
 ※実際は大阪発ではなく、天王寺発が多いです(天王寺-京橋-大阪は普通)
・所要時間:50分程度(大阪-奈良)
・運転間隔:おおむね30分間隔、ただし、大阪-奈良は15分間隔(いずれも日中時間帯)
・車両:221系電車(1989年から継続)

大和路快速は大阪と奈良を結ぶために設定された系統です。大阪から新今宮(天王寺ではない!)は大阪環状線を走行し、新今宮から関西本線(大和路線)を走行します。大阪環状線内でも快速運転を行うことが特徴です。朝や夕方は大阪環状線内は各駅に停車し、区間快速と呼ばれます。単なる快速も走っていますが、快速はJR難波発着で、大阪環状線には直通しません。大和路快速、快速、区間快速ともに王寺から奈良方面は各駅に停車します。

所要時間は大阪-奈良で50分程度です。昔はもう少し早かったのですが、久宝寺への停車や、遅れの抑制という事情があり、ここまで遅くなっています。天王寺-奈良は34分です。近鉄の快速急行が大阪難波-近鉄奈良を42分程度(鶴橋-近鉄奈良は35分程度)で結んでいることと比べれば、それほど悪くないでしょう。

運転間隔は15分間隔です。ただし、乗客が少ない奈良-加茂は30分間隔になってしまいます。木津であれば奈良線の電車がフォローできます(以下の囲み記事を参照)が、加茂だと30分も間隔が開いてしまいます。王寺-加茂は各駅に停車し、普通電車としての役割も担っています(日中時間帯には王寺-加茂の普通電車の運転tはありません)。なお、これでは大阪側の需要を満たせませんので、JR難波-王寺-高田で30分間隔で快速を運転しています

車両は221系電車です。座席は前を向いていて、窓が大きく快適な車両です。ただし、これでは大阪環状線の混雑に耐えられないと判断されたのか、ドア付近の座席は撤去されて立席スペースになっています。

最後に、地図で走行経路を示して概要紹介を終えましょう。

図1. 大和路快速の走行経路(googleマップからの引用)

補足.奈良線普通電車によるフォロー
まずは木津から大阪方面に行く場合を考えましょう。木津は毎時22分と52分に大和路快速の大阪方面行きが発車し、その4分後に奈良線の普通奈良行きがやってきます。この普通に乗れば、奈良で13分の待ち時間で奈良始発の大和路快速に乗りかえられます。つまり、毎時22分、52分発の大和路快速と毎時26分、56分発の奈良線普通(奈良で奈良始発大和路快速に連絡)があるということです。結局、1時間に4本といっても、26分発の次は52分発と26分の間隔が開くことになります。

逆に、大阪では毎時00分と30分に大和路快速奈良方面加茂行きがやってきます。この15分後に大和路快速奈良行きがやってきます。奈良で7分の接続時間で奈良線の普通京都行きに乗りかえられます。大和路快速の木津発車時刻は毎時28分と58分です。一方、奈良線普通の木津の発車時刻は毎時18分と48分です。大阪断面では15分間隔ですが、奈良での乗りかえロスタイムを考えると木津到着断面では10分間隔と20分間隔の交互ということになります。

これらをまとめると、木津発車断面では4分と26分間隔の交互、木津到着の断面では10分と20分間隔の交互で電車がやってくるということです。奈良線の普通は平城山にもとまりますので、平城山についても同様の考えが成立します。というより、26分待ちというのは30分間隔よりも気持ちマシな程度ですね…。

大和路快速に乗る

さて、実際に大和路快速に乗ってみましょう。私は奈良から大阪まで乗りました。

奈良駅での観察

写真2. 奈良駅構内

奈良駅構内です(写真2)。ジャパンレイルパスと大書きされているゲートがあります。京都ほどではありませんが、奈良にも外国人観光客がやってくるための措置でしょう。ここから大阪までは15分間隔と、(ヨーロッパの感覚でいえば)とても本数が多いので、奈良観光の後に大阪の宿に行くことも容易でしょう。

写真3. 奈良駅の発車標

発車標を眺めます(写真3)。奈良駅の2番のりばはホームの両面で、1番のりばに発着する桜井線と同じホームで乗りかえられることができます。ただし、「裏メニュー」的な取り扱いで、1番のりば側からの2番のりばから乗ることは奨励されていません。桜井線からの乗客用としての扱いなのです。大和路快速の後には直通快速がやってきます。「東線経由」と示されています。「おおさか東線」を「東線」と区別しているのですね。直通快速は1日4往復ですが、平日と休日で大きく時刻は異なります。休日は奈良へのお出かけ需要を見越した設定です。しかし、1日4往復では定着しないように思えますが…。

奈良線205系

写真4. 奈良線205系

私の脳内はいまだ奈良線の普通は103系ですので、違和感しかありません。私が奈良線に始めて乗ったときは221系もなく(117系と103系の天下でした)、私の認識もアップデートすべきと気づかされます。

桜井線105系

写真5. 桜井線105系

桜井線には227系が投入され始めましたが、多くは105系です(写真5)。103系のような音を立てます。今回は桜井線に105系が多く残っている現状を確認させていただきました。

実際の乗車:奈良→王寺、各駅に停車する区間

関西本線221系

写真6. 大和路快速が入線

引上線から奈良始発の大和路快速がやってきました。奈良始発なのだから、きちんと「大和路快速」と表示すべきです。この表示を見て、「この電車には乗ってはいけない」と勘違いさせることがあるかもしれません。この車両は回送なのか試運転なのかは明記していません。どちらにせよ、乗客側が乗れないことには変わりありません。

写真7. 転換クロスシートが並ぶ車内

221系の特徴は転換クロスシート車であることです。ただし、リニューアル工事に伴い、もともと6列あった座席が4列または5列に縮小されてしまっています(写真7)。補助椅子込みですと、リニューアル前と座席定員は変わりませんが、混雑時間帯は補助椅子を利用できません。

写真8. 奈良を発車

電車は奈良を発車します(写真8)。上下線の間に見えるのは引き上げ線です。

写真9. 郡山に停車

郡山に停車します(写真9)。余談ですが、大和路線は福島にも停車します。福島県にも郡山と福島という駅があり、両者は新幹線なり東北本線なりで乗りかえなしで行けます。

写真10. 近鉄橿原線をくぐる

近鉄橿原線をくぐります(写真10)。マクロ的に見ると桜井線と同じような場所を通っていますが、桜井線は30~60分間隔の普通のみ、一方で近鉄橿原線は各駅停車が20分間隔であることに加え、急行が30分間隔で運転されていて、利便性は段違いです。

写真11. 法隆寺に停車

しかし、法隆寺へのアクセスはJRが圧勝です。というより、ほかの駅から行く方法はそうありません。その法隆寺の最寄駅はその名も法隆寺です。それらしい駅舎になっています。これぞ観光地の駅ですね。

写真12. 法隆寺から王寺へも飛ばす

この区間は各駅に停車しますが、速度はそれなりに出します。前面を撮影してみましたが、スピード感は伝わるでしょうか(写真12)?

写真13. 川を渡る

奈良の中心から遠ざかっており、奈良の中心よりも文化財が少ないという事情、大阪に近いという事情、これら2つの理由から、住宅が多くあります(写真13)。

写真14. 近鉄田原本線が見える

近鉄田原本線が見えます(写真14)。この路線は「はわらもと」線であり、「たわら」ほん線ではないことに注意しましょう。それもそのはず、本線らしい風格は全くなく、接続駅もありません(王寺側は新王寺駅ですし、田原本側は西田原本駅でいずれもほかの路線と接していません)。

写真15. 王寺に停車

ここ王寺は奈良県内のJR駅の利用者数ではダントツのトップです(JR西日本の上位40位)。そのため、王寺では多くの人が乗ってきます。ただし、上り線は1線しかなく(写真15)、ダイヤ作成上のネックです。

実際の乗車:王寺→天王寺、大和路快速の本領発揮

写真16. 斜面にも家が並ぶ

その王寺からは快速運転が始まります。王寺の次は久宝寺までとまりません。15.0kmも停車しないのです。首都圏では常磐線快速の松戸-柏(11.2km)、東海道線品川-川崎(11.4km)、東北線赤羽-浦和(11.0km)いずれも凌ぐものです。奈良県と大阪府の間には山地がありますが、その山にも家が立ち並んでいます(写真16)。東京の京王線沿線を思い出させます。

写真17. 大和川を渡る

王寺から大和川沿いの渓谷を走ります。その大和川が寄り添ってきました(写真17)。

写真18. 大和川沿いの渓谷を行く

写真19. 大和川沿いの渓谷を行く

写真20. 大和川沿いの渓谷を行く

その大和川沿いの渓谷を走ります(写真18-20)。この区間は三郷(「みさと」ではなく、「さんごう」と読みます)-河内堅上の1駅ですが、大都市近郊にしては2.9kmと比較的長い駅間です。

写真21. 大阪府内の住宅街を行く

写真22. 大阪府内の住宅街を行く

河内堅上を過ぎると、住宅街を走ります。この区間は対大阪で関西本線(大和路線)単独ではなく、近鉄大阪線もあります。天王寺ならばJRでしょうし、難波であれば近鉄でしょう(JR難波は本当の難波から離れています)。

図2. 柏原市周辺の地図(googleマップからの引用)

写真23. 柏原を通過

このあたりは柏原市(「かしら」と読みます)ですが、その代表駅は柏原です。ただし、ここには快速は停車しません(写真23)。このあたりは速度が出ます。

写真24. 久宝寺に停車

久宝寺に停車します(写真24)。ここはおおさか東線への分岐駅です。おおさか東線の普通電車は201系6両編成で、大和路線の普通電車と同じ車両です。そのため、見た目はどちらの路線の電車かわかりません。新大阪行きがおおさか東線、その他は大和路線と考えれば問題ありません。

写真25. おおさか東線が分岐

そのおおさか東線は加美の手前で分岐します。もともと貨物線として活用されていましたが、21世紀に入り、

写真26. 百済貨物ターミナルが見える

大和路快速はスピードを出して、貨物ターミナルを通過します。これは百済貨物ターミナルです。おおさか東線は大和路線の奈良方面と直結する線形ですが、大和路線の天王寺方面とおおさか東線を結ぶ短絡線があり、その短絡線を通ると、全国と百済貨物ターミナルがつながります。

写真27. 天王寺で阪和線をくぐる

天王寺手前で阪和線をくぐります(写真27)。天王寺発着よりもJR難波発着のほうが便利そうなので、阪和線も多くの電車をJR難波発着にしたら良いと思います。その天王寺でかなり混雑しました。

実際の乗車:天王寺→大阪、都市内の快速運転

写真28. 新今宮では大阪環状線ホームに発着

新今宮では大阪環状線と大和路線(とその線路を通る阪和線列車)が同じホームに発着します。大和路線は内側のホーム、大阪環状線は外側のホームを使います。その新今宮で大和路線の線路から大阪環状線の線路に入りますが、わが大和路快速は大阪環状線のホームに入りました。新今宮の手前(天王寺・奈良側)で大和路線の線路から大阪環状線に入ったということです。

写真29. 大正に停車

大正に停車します(写真29)。昔は大和路快速はこの駅に停車しませんでしたが、大阪ドームに近いために停車駅に選ばれました。日中の大阪環状線は15分間隔に大和路快速、関空・紀州路快速、環状運転の普通の3本が運転されます。比較的利用の多い駅はこのように、快速電車を停車させて乗車チャンスを確保しています。

写真30. 大阪の市街地を行く

東京と大阪の違いは多くあることでしょう。その中で大きなものは東京は坂が多く、大阪は坂が少ないことがあります。例えば、東京には渋谷という繁華街はありますが、文字通り谷にあります。大阪の市街地は平坦です。大阪環状線の西側は大阪の市街地から離れています。そのため、繁華街もありません。

写真31. 桜島線の線路が合流する

桜島線の線路が合流します(写真31)。桜島線は複線ですが、西九条の構内だけ単線です。これは乗りかえが便利にしやすいようにするための工夫です。全般的に関西地区は乗りかえしやすいように配線が組まれているように思えます。

写真32. 西九条にゆめ咲線の普通が停車している

西九条に停車します(写真32)。ここから桜島線が分岐しています。桜島線というより、ゆめ咲線というほうが通りが良いでしょうか?もっというと、ユニバーサルスタジオジャパンに行くために乗る路線というほうが良いでしょうか?天王寺方面、大阪(梅田)方面のどちらからも、どちらへも行きやすいように配線には工夫が凝らされています。

写真33. 大阪の市街地を行く

大阪の市街地を走ります(写真32)。何となく、古い建物が多いように感じます。それも京都のような風情があるわけではなく、何となく停滞感のある風情です。山手線で寂れている区間を知っています(というよりそのような場所に住んでいます)が、それより街に活気がないように見えてしまいます。街の新陳代謝が進んでいないように見えます。

写真34. 高速道路が建物をぶちぬく

ちょっと驚きの光景が目につきました(写真34)。高速道路が建物をブチ抜いています。この建物はTKPガーデンシティ大阪梅田といい、その5~7Fを阪神高速が貫通しているのです。この会社さんは弊ブログという新しいチャンネルを獲得したので、感謝されても良いくらいです(弊ブログの実力は大したもんじゃない?それは禁句!)

写真35. もうまもなく大阪

大阪に近づきました(写真35)。大阪駅は梅田地区にあり、大阪市内でも大きな繁華街です。どちらかというと、ビジネス街という感じがします。東京における東京駅周辺という感じですね。

大阪環状線221系

写真36. 大阪に到着した大和路快速

大阪に到着です(写真36)。ここから大阪環状線の普通電車に化けて天王寺に向かいます。各種快速が各駅にとまって、ここからはどの駅でも平均5分間隔運転となるのです。



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