あいの里とやま鉄道への乗車(魚津→高岡、21年夏)

富山県を東西に貫くあいの里とやま鉄道。第3セクター路線となりましたが、幹線らしさを感じる路線でもあります。そんなあいの里とやま鉄道を満喫しました。

写真1. 高岡に停車中の様子

復習:あいの里とやま鉄道の概要

まず、あいの里とやま鉄道の概要を紹介しましょう。

あいの里とやま鉄道の概要
  • 区間:倶利伽羅(くりから)-市振(いちぶり)、100.1km
  • 路線形態:複線電化
  • 運行形態:西側はIRいしかわ鉄道、東側はえちごトキめき鉄道と直通
  • 種別:基本的に普通のみ

あいの里とやま鉄道は旧北陸本線の倶利伽羅-市振を引き継いだ第3セクター路線です(図1)。区間が中途半端に見えるのは、県ごとに会社を分けたためです。あいの里とやま鉄道に関しては基本的に富山県内を引き継いでいるのですが、それぞれ石川県と新潟県に入り込んだ場所まで管理しています。県境上に駅がないためです。

図1. あいの里とやま鉄道線の経路(googleマップより引用)

余談ながら、越境区間まで管理していることは珍しいことではありません。例えば、冷戦中のベルリンの国鉄であっても、1984年(※)から1990年まで(※)(東ベルリンに当たる)フリードリヒ通り駅まで西ベルリン市が運営していました。

※1984年までは西ベルリン市内も東ドイツ国鉄が運営、1990年以降は東ベルリン市が消滅(西ベルリン市に吸収)。

そして、元北陸本線だったことから、複線電化の立派な線路が維持されています。これは現在でも貨物輸送のメインルートであり、貨物列車が通るためです。ただし、泊で系統が分割されており、泊以西は電車による運転、泊以東はえちごトキめき鉄道の気動車による運転です。東西いずれも隣接する第3セクター路線(IRいしかわ鉄道とえちごトキめき鉄道)と直通しています。IRいしかわ鉄道車は富山まで、えちごトキめき鉄道車は泊まで乗り入れています。

車両は521系と413系です。いずれもJR西日本に在籍していた車両と同等のものです。521系は21世紀の3ドア車(写真2)、413系は20世紀の2ドア車(写真3)です。

写真2. 主力の521系電車(富山で撮影)

写真3. 貴重な助っ人約の413系電車(富山で撮影)

関連リンク
521系の車内について詳細に解説しています。

521系の車内(あいの里とやま鉄道車)

521系(高岡)

写真4. IRいしかわ鉄道の521系電車(高岡で撮影)

写真5. 泊まで直通するえちごトキめき鉄道車(糸魚川で撮影)

実際に乗ってみる

さて、実際に乗ってみましょう!今回の乗車区間は魚津→富山と富山→高岡です。別日に乗車しましたので、別の章立てにしましょう。

ステージ1. 魚津→富山の乗車

魚津から富山まででやってきたのは、521系2両編成でした。

写真6. 魚津にやってきた

魚津に普通高岡行きがやってきました(写真6)。空いており、容易に座れました。いくら接続がないからとはいえ、泊から21分間、ここまで空いた状態でやってきたのはやや不安を感じます。夏とはいえ、天候が悪くて多くの人が家にいたという悪条件がゆえと信じたいです。なお、魚津から多くの人が乗ったという事実は強調いたします。

あいの里とやま鉄道ではICOCAが使えますので、私も共通利用可能なSuicaで乗車しています。

写真7. 魚津を発車!

魚津を発車しました(写真7)。521系電車は高性能ですから、加速も優れています。

写真8. 高架区間に入る

魚津付近よりも市街地感がある場所を高架で走ります(写真8)。魚津の旧市街はこちらにあり、この旧市街の中に富山地方鉄道の電鉄魚津があります。

写真9. 魚津の市街地を走る

その市街地を走ります(写真9)。あまり人が多そうに見えない市街地なことが気になりますが…。

写真10. 観覧車が見える

観覧車が見えます(写真10)。これは水族館に隣接している観覧車です。富山湾と立山連峰が眺められて楽しそうな観覧車ですね。

写真11. 東滑川に停車

魚津市から滑川市に入り、東滑川に停車します(写真11)。駅名標は海をイメージした青色です。

写真12. 滑川に停車!

滑川に停車します(写真12)。

写真13. 滑川を発車!

滑川を発車します(写真14)。このあたりでは座席の3割程度が埋まっていたように記憶しています。

写真14. 川を渡る

川を渡ります。大雨の影響により、川が濁っていますね(写真14)。

写真15. 東富山に停車!

東富山に停車します(写真15)。

写真16. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真16)。

写真17. 住宅街を走る

富山の住宅街を走ります(写真17)。富山地方鉄道沿線よりも家が全体的に新しい印象があります。

写真18. まもなく富山

まもなく富山です(写真18)。あまり市街地感がありませんが、こちらは進行方向右側で、線路の北側を見えています。富山の市街地は線路の南側にあり、この車窓は市街地と反対方向なのです。

写真19. 富山に到着!

富山に到着です。富山は総合ターミナル駅で独特の楽しさがあります。

関連リンク
富山駅の様子を詳細にレポートしています。

富山駅を楽しむ(21年夏)

ステージ2. 富山→高岡

さて、富山から高岡に移動しましょう。富山は富山県第1の都市、高岡は富山県第2の都市ということもあり、本数も充実しています。日中時間帯でも毎時1~2本あり、朝ラッシュ時には最短8分間隔(富山8:30着と8:38着)という充実ぶりです。

写真20. 朝の下り(厳密には上りだが)なので空いている

朝の都市を発車する列車ということもあり、車内は空いています(写真20)。

写真21. 富山を発車!

高架駅の富山を発車します(写真21)。

写真22. 一万三千尺物語とすれ違う

イベント車両とすれ違います(写真22)。公式サイトを確認すると、いつもの水戸岡先生デザインの車両とわかりました。個人的にはもう少し濃いめの色の内装のほうが好きなのですが…。

写真23. 神通川を渡る

神通川を渡ります(写真23)。

写真24. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真24)。

写真25. 田園風景が広がる

田園風景が広がります(写真25)。富山から呉羽まで4.8kmもあり、駅間での需要を取り込み切れていない点が気になります。

写真26. 田園風景が広がる

このような風景もまた美しいです(写真26)。

写真27. 再び住宅街を走る

再び住宅街を走ります(写真27)。

写真28. 呉羽に停車!

呉羽に停車します(写真28)。幹線のような駅です。隣に小杉があるので、神奈川県の駅は「武蔵」小杉と命名されました。

写真29. 工場がある

工場があります(写真29)。このあたりは工場が多いです。工場があると景観が汚されるという意見もありましょうが、製造業こそ日本の産業であり、地域の雇用を守っている点を忘れてはなりません。それに、現在の多くの工場は環境に配慮しています。

写真30. 川を渡る

川を渡ります(写真30)。

写真31. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真31)。

写真32. 散村を走る

散村ともいえる風景を走ります(写真32)。散村とは、田園風景と住宅街を入り混じる形態で、富山平野に分布するとされています。

写真33. 住宅街が広がる

住宅街が広がります(写真33)。

写真34. 高岡が近づいてきた

高岡に近づきます(写真34)。

写真35. 氷見線が近づく

氷見線が近づいてきます(写真35)。

写真36. 高岡に到着!

高岡に到着しました(写真36)。氷見線や城端線が分岐するターミナル駅です。新幹線が通らないのが難点ですが…。

あいの里とやま鉄道に乗ってみて

あいの里とやま鉄道に乗ってみました。私は2008年に富山から金沢まで普通列車に乗っていますが、このときと比べて車両が更新されていたり(このときは413系に乗りました)、近代化を感じた次第です。列車の速度も速く、交通機関の本分を発揮している印象があります。また、ICカードが利用できるのも強みです。ICOCAエリアですので、全国の交通系ICカードも利用できます。全般的にJR西日本の在来線に乗っている感覚がありました(1か月前に乗ったしなの鉄道ではJR東日本の幹線みを感じました)

一方、車掌さん乗務列車が多かったのも印象に残っています。そして、高岡と富山の間で40分以上のダイヤホールが生じている点も気になりました。そうであれば、ワンマン運転にすることと引き換えに列車を増発することが理にかなっています。

現場レベルでは他社との協調姿勢がとられているように感じました。現にあいの里とやま鉄道内に他社の車両は日常的に乗り入れています(写真37)。

写真37. 富山で幕回しをするIRいしかわ鉄道車

このことは非常に良いことですが、一方で同じ路線を県境で会社を分割する意義についても考えこんでしまいました。「地域密着」という建前が語られるのでしょうが、一方で鉄道路線はほかの路線との協調も重要です。

全般的にあいの里とやま鉄道は利用しやすさや、快適性については多大な努力をなされている(経営分離する際にJR西日本が大量に521系電車を投入した点もあります)とは思いますが、もう1段の脱皮で自動車社会に風穴を開けてほしいと感じました。スイスの利便性を見習ってほしいとも思ってしまったのです。

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