平素より弊サイト「鉄道ラボ」をご覧いただきありがとうございます。さて、弊サイトの主力コンテンツの「電車の混雑」の「混雑基本データ」のデータを2020年度調査のものに更新いたしました。
写真1. 東武東上線の光景(下板橋で撮影)
データを更新した範囲とデータを更新していない範囲
弊サイトの「電車の混雑」カテゴリ内の以下の内容
・各線の混雑データをまとめた記事(一例として山手線のもの)の混雑率に2020年度調査データを追加
・混雑データ検索システムに出てくる混雑率データを2020年度調査データに更新
なお、各路線の混雑基本データの混雑率以外の数字については修正していません。路線全体の混雑が変わったところで、集中率や乗客の流れの割合は変わらないと踏んでいるためです。
また、混雑基本データの本文の記述は変えていません。これは社会全体で2020年度は新型肺炎ウィルスに対する脅威が強く語られて、暫定的に在宅勤務などの勤務体系が取られたところも多かったためです。2021年7月中旬現在、ワクチン2回接種完了者は18.5%に達し、1回のみ接種も含めると30.3%(1回のみ接種だけだと11.8%)と、ワクチン接種がそれなりに進んでいます。ワクチン接種がある程度まで上昇すると、社会活動はほぼ正常化することが予想されています。
2020年度は通勤利用が減少しているうえに、インバウンド需要もないというある意味異常な事態でした。2021年度以降もそれが継続するとは思えません。通勤利用がどの程度まで回復するかはわかりませんが、2020年度よりも利用は多くなるでしょう。そのような意味で、2020年度の記述に書き換えるのはかえって正確性に欠くと判断したためです。
予備知識:今ごろ2020年度のデータ?
多くの人は「2021年の折り返し点が過ぎてから2020年度のデータ?遅すぎでは?」と考える人もいるでしょう。これは決して私がサボっていたわけではありません。
一般的な混雑調査のスケジュールは以下の通りです。
2020年9月~11月 各鉄道会社で混雑率を調査
2021年7月~9月 とりまとめたデータを国土交通省が発表
9月~11月に調査するのは、最も安定している秋口に調査するためです。春は通勤電車に新入社員の利用が多く、夏は慣れない行楽客が多く、冬は着ぶくれラッシュがあるのですが、秋にはそのような要素がありません。そのため、秋に流動調査を行います。
11月までに鉄道会社各社が調査を終えます。国土交通省がとりまとめ、1月には公表できそうですが、なぜか7月に公表しています。これは以前からそうです。ただし、2020年公表のデータは9月に延長されました。これは、新型肺炎ウィルスの影響で業務が増えたためでしょうか。
そのため、翌年の7月に前年の混雑率が公表されるのです。例年であれば、混雑率は1年程度ではそう変わりません。そのため、調査から公表まで多少時間がかかっても問題ないのです。
余談:過去記事のメンテナンス
写真2. ロマンスカーのブランド維持には日常のメンテナンスも重要(町田で撮影)
多くの鉄道ブログさんでは「過去記事に手を加えて永続的に記事の品質を保つ」ことをしていないように思います。弊サイトでは、データベースとなる記事については、随時更新いたします。
これは以前にも「ダイヤパターンを更新します」にも書きましたが、主に以下の理由です。
・記述が古いままだったら、読者さまの期待を裏切る
・古いデータも残すことで、インターネットに情報を蓄積する
・記事を削除するのは、「検索画面を見てサイトを訪問しても空白のページが表示されるだけ」結果につながるので、最も読者さまに不親切
これからも弊サイトではデータベースとなりうる記事については、記事を随時アップデートする手法を選択する方針です。
なお、多くの鉄道ブログさんでは、過去の記事を改良するよりも新規記事を投稿する方向に偏っているように思います。新規記事を投稿しないと「鉄道コム」さんに評価されないためと推測しますが、私はそればかりに偏るのはどうかと思っています。多くの人と異なる方向性で鉄道サイトを運営する人が1人くらいいても良いでしょう。
定期的なメンテナンスが必要なので、弊サイトでは「混雑基本データ」を東京23区のそれに限定しているのです。
鉄道ラボのTwitterアカウント
弊サイトの公式アカウントです。よろしければ、情報収集にご活用ください。