写真1. 10号車が先頭の埼京線→りんかい線(大崎)
写真2. 1号車が先頭の湘南新宿ライン横浜方面(大崎)
新宿(池袋や渋谷などでも構いません)で大宮方面行きの電車を待っているときです。埼京線の場合は先頭が1号車、湘南新宿ラインは最後尾が1号車と号車番号が逆転していることに気づくと思います。これはなぜなのでしょうか?今回はそれを考えてみましょう。
これには、号車番号の原則、埼京線・湘南新宿ラインの歴史を認識する必要があります。
号車番号は東京を基準に決まる
国鉄時代、号車番号は東京を基準に決まっていました。東京駅に入った際に有楽町寄りを1号車と決めたのです。東京駅に入線する新幹線、東海道線など全ての路線がこの向きですね。京葉線?確かに直交していますが、JRになってから東京に伸びたので、ここでは無視しましょう。
※JRになってからこの原則に従わない例もありますが、東京近郊のJR線はその原則を引き継いでいます。
埼京線の歴史
埼京線(池袋-赤羽)は大変古い路線で、明治時代に現在の山手線(品川-池袋)と同時に開業しました(開業当初は池袋に駅はありませんでした)。その後、池袋-赤羽間は山手線と分離しましたが、歴史的にこの区間(現在の埼京線の区間)は山手線と関わりが深いことを意味します。その後、赤羽以北などが開業し現在の(案内上の)埼京線となり、山手線からは(それなりに)独立しています。そのような経緯があるため、埼京線の号車番号は山手線に合わせることとなります。
湘南新宿ラインの歴史
湘南新宿ラインは比較的新しい存在です。東海道線の列車を新宿に延長した、そのように考えればわかりやすいと思います。東海道線の一部と割り切って考えますと、湘南新宿ラインの号車番号も東海道線に合わせるのが合理的です。
山手線と東海道線の向き
山手線は新宿(池袋や渋谷も)に来る際、東京断面と比較して南北が逆転します。一方、東海道線が新宿に来る際、東京断面と比較して南北は逆転しません(図1)。
そのため、(歴史的経緯から)山手線と関わりが深い埼京線は南北が逆転し、東海道線と関わりが深い湘南新宿ラインは南北が逆転しません。ゆえに、両者の号車番号は逆になるのです。
図1. 逆転する様子(ペイントによる自作のもの)
今や埼京線は山手線と関わりが深いわけではありません。埼京線の号車番号を逆にしたほうがわかりやすい、そんな風に考えてしまいます。ただ、号車番号を気にする人はそう多くないので、逆にする手間と効果を比較してやっていないのでしょう。
まとめ
・埼京線は山手線の号車番号に準ずる
・湘南新宿ラインは東海道線の号車番号に準ずる
・山手線は東京と新宿で南北が逆転する
・東海道線と湘南新宿ラインは東京と新宿で南北が逆転しない
・そのため、埼京線と湘南新宿ラインで号車番号が逆になる
コメント
今となっては、相鉄JR直通線の、相鉄の号車と埼京線の号車が合っててよかったと言うことになりますね。
ポノポノさま、コメントありがとうございます。今となっては相鉄、東急、地下鉄副都心線、東武、西武の各路線の号車が合っています。世の中何が幸いするかわかりませんね。
面白い考察ですね。
…..でも理由は違うんですよ(笑)
田端運転所ロクゴーさま、コメントありがとうございます。
異なる理由とのことですが、それをコメントいただけると幸いです。