長野県のジャンクション駅、塩尻駅を眺める

記事上部注釈
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新宿と長野県を結ぶ特急あずさ、名古屋と長野県を結ぶ特急しなの。両者が接続する駅は塩尻です。ここでは松本方面、新宿方面、名古屋方面と分岐するジャンクションの役割を担っています。その実態を眺めてみましょう。

駅周辺の観察

写真1. 観光案内所(ここにトイレがあるよ)

私は観光案内所に行きました(写真1)。ここに行くと何か面白いものがあると思ったからです。しかし、私の興味をひくものはありません。もう少しお土産が多いと思ったのですが、私の予想が甘すぎたのです。

写真2. 東口の駅舎

写真3. 東口の駅舎

東口の駅舎を眺めます(写真2-3)。大ジャンクションという感じはしません。

写真4. 跨線橋から南側を見る

跨線橋から南側を眺めます。左に曲がる線路は新宿方面、右に曲がる線路は名古屋方面の線路です。

写真5. 線路沿いに歩くと短絡線が見える

図1. 塩尻駅周辺の地図

現在の旅客列車は塩尻をまたいで中央線を走る列車はありません(新宿方面、名古屋方面どちらも篠ノ井線に向かいます)が、双方向を結ぶ短絡線があります(写真5)。

地図も示しました(図1)。塩尻駅の南側を短絡する線路がありますが、その線路を指しています。

写真6. 高い山がそびえる

その線路沿いの道から塩尻駅の東側にある山々を眺めることができます。標高1500m以上の山々が連なっているのですね。

塩尻での列車撮影

私はマニアですから、当然ながら列車撮影も行います。

211系(塩尻)

写真7. 211系による普通電車(上諏訪方面行き)

普通電車がやってきました(写真7)。これは1番線から発車したので、上諏訪や甲府方面に向かう列車ですね。

E257系(塩尻)

写真8. 新宿に向かうE257系あずさ

その後、特急新宿行きがやってきました(写真8)。3連休の初日というのに、けっこう空いていました。連休の初日であれば下りが混雑することや、最混雑区間は甲府以東であることが、塩尻断面では空いている理由でしょう。

185系(塩尻)

写真9. ガラガラだった特急はまかいじ号

それにも増して空いていたのがはまかいじ号です。あれ?かいじ号は甲府や竜王(甲府より1つ松本寄りの駅)まででは?本来なら「はまあずさ」号では?という疑問をはさむ人はほとんどいないようです。先発のE257系よりも車内設備が劣るので、より選択されないのでしょう。それでも、横浜や町田からのチャンネルを確保して、新宿駅の混雑を緩和していること、ダイヤ的に余力がない新宿-立川を通らないことは評価できます。このように、郊外からのチャンネルを確保して、都心部の混雑を緩和すること自体に意味があります。

写真10. 徐々に勢力を広げているE127系

E127系にも出会えました(写真10)。2両編成で使い勝手が良いのか、以前は大糸線だけの活躍でしたが、松本-長野や諏訪地区まで勢力を広げています。

211系(塩尻)

写真11. 4番線に入線する211系普通電車

4番線にも211系電車が入線してきました。このホームは主に中津川方面行きのホームのはずです。JR東海の運用を眺めると、中津川方面の普通電車は313系に統一されていると記憶しています。種を明かせば、JR東日本車が中津川まで乗り入れているのです。これは、松本-中津川の列車は塩尻-松本はJR東日本管内をJR東日本の列車として運転します。これが全てJR東海車だと、JR東海が損になってしまいます(JR東海の車両をJR東日本の列車として運転して、自社の収益が入らない)。これを相殺するために、JR東日本の車両を塩尻-中津川のJR東海管内をJR東海の列車として運転する列車もあります。これは相互直通運転の基本です。他社で走る自社の車両の運転距離(と運転本数の積)と、自社で走る他社の車両の運転距離(と運転本数の積)を同じにしているのです。

E257系(塩尻)

写真12. 新宿に向かうE257系あずさ号(写真8とは別物です)

このように別の列車も新宿に向かっていきました。本数や両数からして、(塩尻・松本地区と新宿の流動)は(塩尻・松本地区と名古屋の流動)よりも大きそうです。別の言いかたをすれば、松本や塩尻は東京との結びつきのほうが名古屋のそれよりも強いということです。

新宿方面と名古屋方面の接続は?

ここで気になるのが、中央線の新宿方面と名古屋方面の接続です。直通がないというのはJR側の都合でしかありません。本来であれば、短時間での接続することで直通なしのデメリットを補っていそうなところです。実際のところはどうなのでしょうか。ダイヤがパターン化されている特急について考えてみましょう。

新宿方面から名古屋方面への接続

新宿方面からの特急列車が到着するのは毎時35分~45分前後(到着時刻に差があるのは停車駅に差があるため)が多いです。一方、名古屋方面への列車が発車するのは毎時03分前後です。これでは待ち時間が最短で18分、やや長くて28分とそこまで良くありません。あずさ号がスピードアップすると、接続時間は長いほうに統一されそうですね。

名古屋方面から新宿方面への接続

名古屋方面からの特急列車が到着するのは毎時53分前後、新宿方面への特急列車が発車するのは毎時55分~05分前後です。接続時間は2分~12分とやや短いか適正です。今後、あずさ号がE353系に統一されてスピードアップすれば最低でも5分は所要時間が短縮されます。いいかえると、毎時55分に発車する列車は毎時00分に発車するということです。これであれば、適切な接続時間といえるでしょう。

長野方面と諏訪方面の接続は?

新宿方面からの特急列車は松本までしか行きません。これは新宿(というか東京)と長野の両駅を結ぶのであれば北陸新幹線があるためでしょう。それはそれで構いません。しかし、あずさ号が停車する諏訪地区と長野駅の間は乗りかえが生じてしまいます。これに対しては接続体系を良好にすることで穴埋めとすることが筋です。では、実際はどうなのでしょうか。

諏訪方面から長野方面への接続

新宿方面からの特急列車が到着するのは毎時35分~45分前後(到着時刻に差があるのは停車駅に差があるため)が多いです。一方、長野方面への列車が発車するのは毎時54分前後です。今後、あずさ号がスピードアップすると乗りかえ時間は15分前後となり、列車の遅れを考えると適切な範囲といえましょう。

長野方面から諏訪方面への接続

長野方面からの特急列車が到着するのは毎時01分前後、新宿方面への特急列車が発車するのは毎時55分~05分前後です。現在は接続が取れたり取れなかったりで一定してません。特急あずさ号が9分程度スピードアップすれば新宿方面への発車は毎時04分頃となり、接続面は非常に良好となりそうです。この場合、松本で同一ホームでの乗りかえを保証すべきでしょう(乗りかえ駅は松本でも塩尻でも差はありません)。

以上、4パターンの乗りかえ事情について簡単に考察してみました。現在の接続状況は、良好だったり待ったりということで統一されていません。これは塩尻を基準にダイヤを作成していないという事情が見えます。可能であれば上り列車の時刻をシフトすることで全方向乗りかえ時間10分以内にして、細かな利用客を集めてもらいたいものです。

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