マクデブルク中央駅を楽しむ(路線図や構内図も収録、ドイツ連邦共和国)

記事上部注釈
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ドイツ中部に位置する都市のマクデブルク。その中央駅はマクデブルク中央駅です。現在の交通のメインルートは通りませんが、依然として大きなジャンクション駅です。そんなマクデブルク中央駅を楽しみました。

写真1. クラシカルな駅舎が私たちを迎える

重要

本記事で詳細に解説しますが、ドイツの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。

復習:マクデブルクの位置と全国ネットワーク

マクデブルクといってもわからない人も多いと思います。そこで、マクデブルクの位置を紹介します。

図1. マクデブルクの位置

マクデブルクの位置を示しました(図1)。マクデブルクはドイツ中央部の都市で、ザクセンアンハルト州の州都です(僅差ですが、ザクセンアンハルト州で最も人口が多いのはハレです)。中世から発展した都市であり、現在でもドイツの中ではそれなりに大きな都市です。

ただし、第二次世界大戦で多くの建物が被災し、中世の風情が残る建物は少なく、歴史の長さをあまり感じられないことも事実かもしれません。

では、マクデブルクの鉄道ネットワークはどうでしょうか。

図2. ドイツ全土のICE/ICネットワーク(DB公式サイトより引用)

マクデブルク(Magdeburg)は中央よりやや右上にあります。これではわかりにくいですか?

図3. ICEネットワーク(マクデブルクを強調)

これでわかったでしょうか。マクデブルクはドイツ北西部のブレーメンとドイツ東部ライプツィヒを結ぶIC(ドイツの特急列車)とドイツ西部のケルンとドイツ東部のライプツィヒを結ぶICが通ります。

昔はドイツ西部のケルンとドイツ北東部のベルリンを結ぶ列車もマクデブルクを通っていましたが、ハノーファーとベルリンを結ぶ高速線が開業し、マクデブルクを通らなくなりました。全国ネットワーク的には、「重要な系統は通らなくなったが、いまだ全国ネットワークに組み込まれている」のがマクデブルクの姿でしょう。

では、地域輸送はどうでしょうか。

写真2. ザクセンアンハルト州の地域輸送のネットワーク

ザクセンアンハルト州の地域輸送ネットワークの路線図が張り出されていました(写真2)。写真の中央付近に多くの路線が集まる駅がありますが、そこがマクデブルクです。平野ということもあるでしょうが、地域輸送の路線は全方向に向かっている印象です。このうち、ベルリン方面のRE1は首都とを結ぶという意味合いもあり、それなりに利用されていました。

それぞれの系統は毎時1本のところが多い(※)ですが、これだけ系統が多いと充実した交通網が形成されている印象です。

※マクデブルクで観察する限り、カタログスペック上はSバーンは毎時2本でした。地方都市圏において日本の路線の本数が多いのは、限られた平地部に家が線上に並んでいるためでしょう。

これらをまとめると全国ネットワークにも組み込まれ、地域輸送の拠点というのがマクデブルクの姿でしょう。国土の中央付近にある点から(地形が全く異なりますが)松本や長野に似ているのでしょうか。

実際にマクデブルク中央駅を楽しむ

マクデブルクの交通の位置づけがわかったところで、実際にマクデブルク中央駅を楽しみましょう!

駅舎やコンコースの様子

まず、駅舎やコンコースの様子をお伝えしましょう!

写真3. マクデブルク中央駅の構内図

マクデブルク中央駅の構造は意外と簡単です。南北に線路が通り、線路の東側(市街地の中心部)にメインの駅舎があるという配置です。ただし、西側に出入口があり、北側にも出入口があります。

Sバーンは1番線と2番線にやってきます。ドイツ大都市のSバーンは複数の系統があり、複数の系統が重なる中心部では10分も待たずに次のSバーンがやってきますが、マクデブルクのSバーンは30分間隔と間隔が開き、なおかつ1系統しかありません。日本で例えるなら、歴史的経緯で「電車」扱いの筑肥線が30分間隔でやってくるという感覚でしょうか。

写真4. マクデブルクの駅舎

マクデブルクの駅舎です(写真4)。歴史を感じさせる駅舎です。

写真5. 駅舎に入った

駅舎に入りました(写真5)。これは駅舎から東側(市街地方向)を眺めた様子です。

写真6. 窓口があった

窓口があります(写真6)。私はこの旅行で駅の窓口は3度だけお世話になりました。ただし、この駅では自動券売機でことを済ませています。

写真7. 駅舎には店が入っている

駅舎に入りました。右を見てみると、店があります(写真7)。パンや総菜を扱う店、薬局が入居していました。「駅ビルで素敵なショッピング♪」という感じではなく、列車に乗り降りする際のついでの買い物に対応した感じです。

ここに簡易的な自動販売機がありました。このような簡易的な自動販売機でも全国共通チケット(Quer-Durchs-Land-Ticket)を購入でき、捨てたものではありません。

写真8. 発車案内がある

発車案内があります(写真8)。欧州の駅の発車案内は日本のように方向別に区分けされておらず、一括して表示され、空港のように時刻順に並んでいます。東京駅でいうなら、山手線と東海道新幹線が同じ掲示板に表示されるイメージです。

写真9. コンコースがある

駅舎からホームに向かいましょう!コンコースがあります(写真9)。もともと地下道ではなかったのか、地下道まで段差があります。自転車をかついでいる人もおり、昇降装置がないと運べないというのは甘えという彼らの意思を感じます。

写真10. スナックコーナーもある

コンコースの駅舎に近い側にはスナックコーナーもあります(写真10)。看板の電源がどこかすぐにわかりますね…。

写真11. コンコースの様子

コンコースの様子です(写真11)。ここまで日本の駅との違いがわかりましたでしょうか。そう、改札口がないのです。私が見た限り、ドイツ・スイス・オーストリアの駅には改札口がなく(神出鬼没で検札がある)、フランスの都市の駅には改札口があります。

このコンコースを通り、目的のホームに向かいます。

写真12. 駅の北側から侵入を試みる

駅の入口は東側だけではありません。西側と北側にもあります。路面電車の多くの系統は駅の北側を通りますので、駅の北側からアプローチすることもありましょう。その北側から駅舎に入ってみます。

写真13. 5番線と6番線の間を歩く

5番線と6番線の間を歩きます(写真13)。日曜の朝でしたが私の前に同様の行動をしている人もおり、決して誰も通らないルートではないことがわかります。

写真14. 工事現場をうねうね

工事現場をうねうね歩きます(写真14)。

写真15. メインのコンコースにつながる

メインのコンコースにつながります(写真15)。

マクデブルクにやってくる列車を眺める

マクデブルク中央駅にやってくる列車を眺めましょう!

写真16. マクデブルク中央駅にICEが停車中

マクデブルク中央駅にICEが停車していました(写真16)!2編成併結で機関車があるということはICE2でしょうか。後で調べると、ベルリン方面からルール地区に向かう(途中のハムでケルン行きとデュッセルドルフ行きを分割)するICEです。このとき正規の高速新線が工事で単線運転となっており、西向きはマクデブルクを経由する臨時ルートとして運転されていました。工事期間中はマクデブルクは東西ルートの経由地に帰り咲いていました(2023年中には東向きも含め工事が終わる見込み)。

写真17. (ケルン方面始発)ライプツィヒ経由ドレスデン行きが停車中

2階建てのICがやってきました(写真17)。ハノーファー方面からやってきたライプツィヒ方面行きはここで進行方向を変えます。なお、この列車はシュトゥットガルト始発で、11時間走り続ける長距離運用です。この先のライプツィヒでも進行方向を変えるはずです。

図4. ハノーファー方面とライプツィヒ方面の線路の形態(OpenRailwayMapより引用後に加工)

参考にハノーファー方面とライプツィヒ方面の位置関係を示しました(図4)。マクデブルク中央駅には南側から入り、南側に出ていく形態であることがわかります。ハノーファーはマクデブルクの北西に位置する場所ですから、てっきり北側からマクデブルク中央駅に進入すると勘違いしていました。

写真18. 列車に並ぶ人々

列車に並ぶ人々が多く、都市間需要を鉄道が担っている現実がわかります(写真18)。

写真19. 列車も混んでいる

列車も混んでいます(写真19)。地方都市と地方都市を結ぶ列車がこれだけ繁盛しているという事実は、欧州で列車が使われていることを示す、1つの例です。2階建て5両編成が毎時1本で満員になるという輸送量です。ただし、30分間隔にすれば解消するでしょう。フランクフルト-ベルリンの系統もそうですが、混雑する系統から30分間隔にしてもらいたいものです。

写真20. 6番線から5番線を眺める

6番線から5番線を眺めます(写真20)。間の距離が長いです。

写真21. REが停車中

デッサウ行きのREが停車中です。デッサウまでは電化されており、電車による運転です。

写真22. デッサウ行きの編成写真!

車両も撮影しました(写真22)。

写真23. ターレ方面からの列車が到着!

ターレ方面からの列車が到着しました(写真23)。ターレ方面は非電化路線ですので、ディーゼル車が使われています。

写真24. Sバーンも停車中

30分間隔で南北軸を担うSバーンも停車中です(写真24)。

写真25. Sバーンは4両編成

そのSバーンは4両編成です(写真25)。

写真26. 見慣れない塗装の車両が入る

このあたりでは見慣れない塗装の車両がやってきました(写真26)。それもそのはずです。ベルリン地区で運用されている系統に使われる車両です。マクデブルク-ベルリン-フランクフルト(オーダー)を結ぶ系統が毎時1本設定されています(ブランデンブルクからは毎時2本)。RE1という系統番号・ベルリン周辺では破格の毎時2本ということから、ベルリン地区の近郊輸送の花形なのでしょうか。

この系統はICEやICでベルリンに行けなくなったマクデブルクーベルリンの都市間輸送の補填という意味合いもありそうです。

私が見た限り、2階建て6両編成か2階建て8両編成(4+4の併結)で、マクデブルクにやってくる地域輸送を担う列車では最も編成長が長かったです。

写真27. RE1が停車中!

停車中の様子です(写真27)。

マクデブルク中央駅を楽しんでみて

写真28. ベルリン方面の快速REを待つ人々

今回、マクデブルク中央駅を満喫しました。全国ネットワークの特急列車は毎時2回(毎時1本が両方向)発着するのみですが、地域輸送の拠点であることを確認しました。また、ベルリンへの快速など、都市間を結ぶ快速も運転されており、都市間輸送がある程度盛んな様子もわかりました。

一方で、都市間輸送を担わない地域列車が空いている点が印象に残りました。ドイツの鉄道は近郊輸送が得意でなく(Sバーンでさえ30分間隔なのは日本の地方都市から見ると少ない)、都市構造の違いがあれど、都市近郊の短編成・高頻度運転が拡充すれば、鉄道の持ち味はさらに変わることでしょう!

ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。


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