スーパービュー踊り子に乗る

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伊豆方面への看板列車といえば、スーパービュー踊り子でしょう。近い将来、E261系による特急が運転される予定です。それに伴ってスーパービュー踊り子も再編されると予想されます。そこで、スーパービュー踊り子の日常の姿を記録しました。

伊東に入線する251系

写真1. 伊東に入線する251系スーパービュー踊り子

スーパービュー踊り子の概要

最初に概要をまとめます。

スーパービュー踊り子の概要

・運転区間:新宿・東京-伊豆急下田
 ※繁忙期などは運転区間延長などがあります
・本数:1日3往復(1往復は新宿方面発着、繁忙期ではなくとも土日はもう少し増えます)
 ※この他に臨時便があります
・車両:251系
・料金(通常期、片道):6640円(伊豆急下田)、4510円(伊東)、4180円(熱海)
・所要時間:2時間40分ほど
・停車駅(東京発着の場合):横浜、熱海、伊東、伊豆高原、伊豆熱川、伊豆稲取、伊豆稲取、河津が基本

これではわかりにくいかもしれませんから、時刻表も示します。

表1. スーパービュー踊り子の時刻表

スーパービュー踊り子の時刻表

スーパービュー踊り子は毎日運転が1日3往復、基本的に土日運転が1往復、そして繁忙期(大型連休、年末年始)に運転されている1往復があります。朝の上りと午後の下りにもう1本ずつほしいですね。上りの始発を早くして、下りの最終を遅くするイメージです。箱根は朝9:00過ぎ(休日は8:00過ぎ)から発車がありますし、夜も19:00過ぎ(休日は22:00近く)まで到着があります。早めに温泉宿に着く需要ばかりではないでしょうから(例えば素泊まりなど)、利便性を高めて欲しいですね。

車両は251系です。普通車車内は後で紹介しますが、展望に重きを置いた車両です。グリーン車はゆとりのある横3列の配列、そして、グリーン個室も連結されています。また、1号車と10号車は前面展望も重視した車両です。バブル期のリゾート特急という風情ですね。ただし、10両編成で定員も多いため、輸送力重視であることもうかがえます。

多くの列車は東京発着ですが、新宿発着も存在します。新宿から横浜までは湘南新宿ラインの経路(ただし横浜は東海道線ホーム)を通ります。新宿発着は池袋や大宮まで延長運転することもあります。これは、東京発着も大宮まで延長することがあるので、その点は同じですね。停車駅は厳選されており、踊り子の多くが停車する川崎、大船、小田原、湯河原、網代を通過します。伊豆急行線の停車駅は通常の踊り子と同じです。なお、踊り子とは異なり、伊東発着や修善寺発着はありません。

スーパービュー踊り子の普通車車内の紹介

それでは、普通車の車内を紹介しましょう。

251系5号車車内

写真2. 5号車の車内

こちらが一般的な普通車車内です(写真2)。3号車から8号車は通常のリクライニングシートが並びます。9号車と10号車はもともとボックス席でしたので、座席割と窓割が合いません。そのため、9号車と10号車は避けるのが無難です(もちろん座席割と窓割が一致している席もあります)。

251系5号車座席

写真3. 5号車の座席

奇数号車が青系の座席、偶数号車が赤系の座席を採用しています。5号車のお隣、4号車の雰囲気を味わってもらいましょう。

251系4号車車内

写真4. 4号車の車内

5号車と雰囲気が異なることがわかると思います(写真4)。どちらにせよ、機能面に違いはありませんので、気分だけの問題です。

251系5号車の車内

写真5. 5号車の車内

5号車の車内をもう1度ご覧いただきましょう(写真5)。先ほどと撮影した時刻やシーンが異なります。多くの人が荷物を収納している様子です。荷物棚がハットラック式といって、航空機と同様であることがわかりますね。

写真6. 座席背面にテーブルがない

さて、座席に座ってみましょう。すると、座席背面にテーブルがないことに気づきます(写真6)。

251系の座席

写真7. リクライニングと座面スライドの説明

その代わり、リクライニングと座面スライドの説明があります(写真7)。どうせなら、テーブルのことも書けば良いのに。

251系の座席

写真8. 肘掛に注目!

さて、肘掛に注目してみましょう(写真8)。

251系の座席

写真9. 肘掛を開いた

肘掛が開きます(写真9)。これは何かがある証拠ですよね。

251系の座席

写真10. テーブルが出てきた

このように、テーブルが出てきます(写真10)。もう少し大型のテーブルであれば、弁当なども食べやすいのに、と思います。他のサイトさんの写真を眺めると、グリーン席はテーブルがさらに展開するようです。このように、背面テーブルを採用しないのは、向かい合わせにしたときのことを考慮しているためです。これがJR東日本の普通車で初めて採用されたのは255系です(この車輌のリニューアルは255系のデビューよりも後です)。

251系車内

写真11. ちょっと暗めの車内

トンネル区間では、ちょっと車内は暗めです(写真11)。このようなときに補助照明があれば、なんて思います。そのようなニーズには先回りして設備を備えています。

251系普通車座席周り

写真12. 読書灯のスイッチ

そう、各座席に読書灯があるのです(写真12)。白いスイッチを押すことで補助照明のライトが点灯します。

251系普通車座席周り

写真13. 読書灯が点いた

このように、読書灯が点きました(写真13)。ただし、この号車でこの設備を活用しているのは私だけでした。スイッチが遠い場所にあること、案内がないことがその原因でしょう。

写真14. 10号車の出入口付近

10号車の出入口付近です(写真14)。ここはデッキがありません。これでは落ち着いた車内にならないような気がしてしまいます。

写真15. こども室を少し拝見

こども室を見ることができました。10号車の1階はプレイルームになっています。飲食物の持ち込みはお断りだそうです。

写真16. 基本は開かない扉

基本は開かない扉がありました。これは251系が2両ユニットで基本的設計がなされており、2両単位でしかメインの扉しかありません。これは定員確保を考えたためです。しかし、東京や新宿では多くの乗降があるので、補助扉も設置しています。

写真17. 可もなく不可もないお手洗い

お手洗いも現代の水準を満たしています(写真17)。標準的な洋式ですね。温泉地向け=お酒を車内で飲む=トイレが近くなる、ということから、必須な設備ですね。

写真18. 洗面所も完備

洗面所も完備しています。基本的には、2両のユニットの中間にこれらの設備があります。

写真19. 5号車にある売店

5号車には売店があります(写真19)。ここのラインナップは車内販売と同じのように思えます。ここにミニラウンジがあればと思います。

景色を堪能する:伊東→新宿

さて、景色を堪能しましょう。今回は山側の座席です。そのため、山側の景色が中心です。今まで説明が多かったので、写真をご覧いただきましょう。

写真20. 海が見える(売店の窓から撮影)

最初は売店に行っていましたので、売店の窓から海を撮影できています(写真20)。

写真21. 新幹線が見える

写真22. 小田原手前で箱根登山鉄道と並走する

熱海から小田原まで山あいを行きます。その様子が感じられるでしょうか(写真21-22)。

写真23. 小田原を通過

小田原を通過します。ここから山あいから平野にステージが変わります(写真23)。

写真24. 国府津手前で国府津始発の車両がお出まし!

写真25. 川を渡る

写真26. 茅ヶ崎を通過

写真27. 戸塚付近の3複線区間を行く

ここまで相模平野を走ります(写真25-27)。このあたりから丘陵地帯に再度ステージが変わります。

写真28. 横浜手前の丘陵地帯

このような丘陵地帯を走ります(写真28)。

写真29. 鶴見付近で横須賀線(品鶴線)と分岐

写真30. 品川手前で山手線と並走

山手線が見えたら、もう都心です(写真30)。都心の定義は中央区、千代田区、港区であり、品川は港区にあるので、品川は都心に当たるのです。

写真31. 都心部のビル街

このように有楽町地区のビル街が見えたら、終点の東京です。なお、多くの乗客は横浜で降り、品川でもそれなりに降りました。そのため、品川から東京までガラガラです。

写真32. 東京では補助扉も開く

東京では補助扉も開き、多くの客が素早く降りられるようになっています(写真32)。

写真33. 田町の車両基地へ引き上げる

伊豆特急のこれから

最後に、簡単に伊豆特急の今後を考えてみましょう。伊豆特急は185系のE257置き換え、E261系の投入が確定しています。E261系はオールグリーン車という豪華な特急です。これは別枠と考えるべきでしょう。

E257系0番台は9両編成16本と2両編成5本在籍しています。また、500番台5両編成6本が余剰(2本はホームライナーの運用だが、2019年3月ダイヤ改正でライナー運用が終了して余剰になる)という現実もあります。一方、185系は10両編成6本と7両編成3本、そして5両編成6本が在籍しています(ここでは波動用の6両編成と4両編成の存在は無視しています)。そのため、9両編成で基本編成の10両編成と7両編成を置き換え、500番台で5両編成を置き換えると予想できます。細かな組み換えこそあっても、おおむね現在の輸送体系を維持できます。残りは波動用として各路線で力強い活躍が期待できます。E257系は現代の特急としては遜色ありませんから、快適性は大幅に向上します。この点は大いに評価したいです。

ただし、これは現在の輸送体系を維持するという前提です。本当にこれで良いのでしょうか。現在、東京(新宿)-伊東を結ぶ特急踊り子の定期列車はわずかに1日6往復(スーパービュー踊り子や新宿発着も含む)しかありません。これでは、乗りたいときに乗れません。これほど本数が少ない原因は、多くが10両編成を組成していることです。伊豆から近い箱根へは6両編成か7両編成の特急が毎時2~3本運転していることとは大きく違います。5両編成はそのままで良いにしても、9両編成と2両編成を組み合わせて、10両編成(多客時の輸送量に責任を持つ)、6両編成(通常期の輸送にはこの程度のキャパシティでじゅうぶんでしょう)という陣営に変更してもらいたいものです。

また、251系は比較的気軽に乗れるリゾート列車ですし、「乗ってみたい」という意欲もかきたてる存在です。また、E261系が2編成しか製造されないことや輸送量に責任を持つ存在として存続してもらいたいと思いますし、そうなると予想しております。

E261系による「看板列車」、251系による「展望列車」、E257系による「一般列車」の3つの共存を行い、閑散期でも東京断面9:00~17:00で毎時1本以上確保、修善寺編成と伊豆急下田編成の単独運転による東京-熱海間の頻度確保などをやってもらいたいものです。繁忙期は30分間隔で運転、6両編成の一般列車を10両編成に振替、余った6両編成は修善寺編成に熱海まで連結というように対応すれば、満席リスクも減少することでしょう。また、185系がE257系に置き換えられれば、スーパービュー踊り子への乗客集中も緩和することでしょう。

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