鉄道ファンのための天文の基礎知識

記事上部注釈
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鉄道趣味は室内の趣味と思われがちですが、意外とアウトドアな部分もあります。アウトドアということは、外の天候などに左右される部分があるということです。天候の基礎知識はさほど難しいものではありません。そこで、鉄道ファンかつ天文に若干詳しい私が天文学の基礎知識をお伝えします。

この記事でわかること

・乗り鉄や撮り鉄に応用できる太陽光の向き
・乗り鉄や撮り鉄に応用できる気温変化の動向

※この記事の内容は天文学に詳しい人には記述不足の部分があるかもしれません。しかし、鉄道ファンに役立つ基礎知識という観点で書いております。ご容赦ください。

※この記事の内容は日本国内に合うように書いております。諸外国では異なりますので、その点をご承知おきください。

太陽と地球の関係の基礎

基本的な内容となりますが、地球は1日に1回転の速度で自転(自らがくるくる回る)しており、1年に1周の速度で太陽の周りを公転(太陽という中心を基準に回転する)しています。公転する際の面(地球が描く公転の軌跡が作り出す面)と、自転の軸は直角から23.4°傾いています。この傾きが季節を産み出しています(図1)。

図1. 自転軸と公転面が垂直ではない様子(現実の地球はそうです、暦wikiより転載)

23.4°傾いているために、太陽のほうに傾いているほうは昼が長く、その反対側は夜が長いです。細かな点を無視しますと、太陽に当たっていると地面は熱せられ、太陽に当たっていないと地面は冷やされます。昼の長さが異なることと、熱収支のバランスの不一致が原因で1年の間の中で気温が異なり、結果として季節が生じています。

仮に、公転する際の面と自転の軸が直角に交わっていたら、常に昼も夜も12時間で、季節変化はほとんどありません(図2)。

図2. 自転軸と公転面が垂直である様子(現実の地球はこうではありません、暦wikiより転載)

北半球から見た太陽の動き

太陽の動きの基礎

ここまでは、学校の授業で習った「太陽を中心として見た太陽と地球の関係」でした。しかし、この記事では宇宙全体で物ごとを考えることよりも、地球に住んでいる私たちにとって太陽がどのような動きをするかのほうが重要です。そのため、視点を地球中心に変えましょう。

北半球から太陽を眺めると、朝に東から昇り、昼は南の空を通り、夕方には西に沈むという動きを繰り返しています。昼間の長さが季節で変わると説明しましたが、季節が変わるとどのような動きをするのでしょうか。

・昼が最も短い日:太陽は南東から昇り、南西に沈む。真昼の太陽の高さ(角度)は90°-北緯-23.4°

・昼と夜の長さが等しい日:太陽は真東から昇り、真西に沈む。真昼の太陽の高さは90°-北緯

・昼が最も長い日:太陽は北東から昇り、北西に沈む。真昼の太陽の高さは90°-北緯+23.4°

細かな数字を覚える必要はありませんが、昼の長い季節(春から夏)は真東より北側から太陽光が差し込むということ、昼の短い季節(秋から冬)は昼間でも太陽の高さが低いということを把握しましょう。

鉄道趣味への応用

撮り鉄にせよ、乗り鉄にせよ、逆光(太陽に向く方向)よりも順光(太陽を背に向ける方向)のほうが良いといいます。そのため、以下のことがいえます。

朝は西側を向き、昼は北側を向き、夕方は東側を向くと順光になる

南側を順光にしたい場合、冬は太陽の位置が低いので困難。しかし、夏は太陽の高さが高いので、致命的な逆光になりにくい

また、乗り鉄で車窓を楽しみたい、撮り鉄で夕暮れ(あるいは朝焼け)の情景を撮影したい、というニーズもあることでしょう。その際は日の出事件や日没時刻が気になるでしょう。それは、以下の傾向です。

・日の出時刻は1月上旬が遅く(遅い時間にならないと太陽が昇らない)、7月上旬が最も早い

・日没時刻は12月上旬が早く(早い時間に日が沈む)、6月上旬が遅い

これらの最も早い日や遅い日は冬至や夏至と一致しません。これは南中時刻が一定していないからです。その理由についてはここではこれ以上追求しないこととします。

また、昼の長さと夜の長さの違いは北のほうが顕著に現れます。夏は北海道のほうが沖縄よりも昼が長く、逆に冬は沖縄のほうが北海道よりも昼が長いです。ヨーロッパは日本より北に位置していますから、夏のヨーロッパは日本より昼が長く、冬のヨーロッパは日本より昼が短いことは把握しましょう。

また、東日本と西日本では日の出、日没の時刻は異なります。経度にして15°で1時間の時差に相当します(見た目、東経180°+西経180°の360°を24時間かけて太陽が1周するため)。例えば、明石は東経135°、東京は(おおよそ)東経140°です。そのため、東京は明石よりも20分早く日の出と日没を迎えます。これは南北でずれていないときに成立する話です。例えば、沖縄と北海道では南北でずれているので、もう少し複雑な話になります。

このような日没時刻を頭に入れた場合、関西や関東での「鉄活動」にふさわしい時刻を見つけられることでしょう。ここで示した考えはあくまでも概算でしかありませんが、概算と実際の違いを深く考えるよりも、より良い「鉄活動」にするための各種検討をしたほうが(この記事の主眼としては)良いです。

気温変動

次に、気温変動について考えます。夏のほうが昼が長く、そして角度も高い(=単位面積当たりに当たる太陽光が強い)ため、気温が高くなる傾向にあります。昼に熱せられて夜に冷やされるため、太陽の高さが高い日が最も暑くなるように思えます。しかし、現実には夏至と秋分の間に暑さはピークを迎えます。これは、昼間の長さが夜の長さより長いほうが、吸収する熱量 > 放出する熱量となるためです。ただし、気温が高いと放出する熱量は増えますから、秋分まで気温が上昇し続けるというわけではありません。

このような考えは、冬にも適用できます。夏と反対の考えを適用するだけです。

結論として、日本においては以下の傾向にあります。ただし、この傾向は場所ごとによって、あるいは年によって異なります。

・夏に最も気温が上がるのは、8/5ごろである
・冬に最も気温が下がるのは、1/25ごろである

夏と冬の差がぴったり6か月ではありませんが、これは夏前に梅雨があるためなのでしょうか。ただし、弊サイトは天文学や気象学を専門とするわけではない(私はこれらをたしなんだ程度です)ので、これ以上の考察はしないことにします。夏については何となく実感と近いものがありますが、冬はそうではありませんね。正月は「新春」と言っていますが、正月以降も気温は下がり続けるのです。

快適に旅行を楽しみたければ、1月下旬に居住地よりも寒いところに行くことはやめるべきですし、8月上旬に居住地よりも暑いところに行くことはやめるべきでしょう。

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