湘南新宿ラインの歴史と今後~2004年10月ダイヤ改正後の本格的運行

都電と共演する湘南新宿ライン

写真1. 都電と共演する現代の湘南新宿ライン


2004年10月ダイヤ改正に伴う本格的な運行開始

湘南新宿ラインの運行開始直後は、線路設備上の制約、車両の問題から限定的な運行とせざるを得ませんでした。これに対して、制約の改善と車両の統一を実施しました。これを踏まえて、2004年10月16日にダイヤ改正を実施しました。このダイヤ改正のポイントは以下の通りでしょう。

・日中時間帯を中心に速達列車を設定
・朝から夜まで全時間帯にわたり増発
・車両をE231系(グリーン車付き)に統一

それでは、以下で上の3点のポイントを詳しく述べましょう。

日中時間帯を中心に速達列車を設定

このダイヤ改正で高崎線内を快速運転するもの、宇都宮線内を快速運転するもの、そして東海道線内を快速運転するもの(従来の快速は横須賀線内快速と考えましょう)が設定されました。高崎線内を快速運転する列車と東海道線内を快速運転する列車をつなげて、特別快速と称することにしました。また、宇都宮線内を快速運転する列車は、湘南新宿ライン内は普通として設定しました。この説明ではわかりにくいですか?表にまとめましょう(表1)。

表1. 湘南新宿ラインの運転体系

湘南新宿ライン運転体系

※宇都宮線直通の小山以北は全列車各駅に停車、高崎線直通の熊谷以北は全列車各駅に停車

従来のパートナー(東海道線と高崎線、横須賀線と宇都宮線)を変更せずに快速運転する列車を追加した格好です。この中でも特別快速は恵比寿を通過、120km/h運転するなどの施策により、新宿-横浜を27分(両方向とも)、新宿-小田原を71分(両方向とも)で結びました。2017年現在は武蔵小杉停車の影響などによって、新宿-横浜は29分、新宿-小田原は74分に伸びています。

朝から夜まで全時間帯にわたり増発

従来、日中時間帯は毎時3本、他の時間帯は毎時2本程度だったのに対し、朝ラッシュ時を除き、おおむね毎時4本を実現しました。朝ラッシュ時は毎時6本を実現しています。

ただし、日中時間帯については純増とはいきませんでした。

具体的には、宇都宮線の上野発着の快速ラビット、高崎線の上野発着の快速アーバンを新宿に振り替えました。当時は宇都宮・高崎線は上野発着であり求心力に乏しい面があったため、上野発着の列車を新宿に振り替えることはそれなりに意味のあったことでしょう。新宿以南は毎時1本の増発となっていますが、これは東海道線や横須賀線の列車を振り替えたのではなく、日中時間帯は純粋な増発です。

それでは、詳細なダイヤを見ていきましょう。当時の新宿と横浜の発車時刻を示します(表2、3)。なお、宇都宮線内快速運転する列車については、ここでは普通として表示しています。

表2. 2004年10月時点での新宿発車時刻(横浜方面行き)

2004.10 新宿発車時刻

※特別快速は赤字、快速は青字で表記

表3. 2004年10月時点での横浜発車時刻(新宿方面行き)

2004.10 横浜発車時刻

※特別快速は赤字、快速は青字で表記

このダイヤを眺めると、10時台から21時台まで毎時4本体制が確立されていることがわかります。特筆すべきことは、朝ラッシュピーク時(新宿8時台、横浜7:30~8:30)には1時間に6本運転されるようになったことです。これを実現するには池袋の工事が必要不可欠であったことがわかります。時刻こそ変更されているものの、朝ラッシュピーク時の池袋以北の本数は変化していません。新宿直通を増発するかわりに、池袋以北を減便することはなかったということです。

新宿発着の湘南新宿ラインや池袋発着の宇都宮・高崎線は廃止され、全て宇都宮線か高崎線に直通する湘南新宿ラインとして運転されるようになりました。これによって、新宿のホームも統一されました。横浜方面行きは1番線(一部に2番線もあり)、大宮方面行きは4番線に行けば乗れるのです。ダイヤ改正前のように別のホームからの発車がなくなったので、これは大きな改善でしょう。
現在は朝ラッシュピーク時、朝ラッシュ直後(表2と表3で30分程度の間隔が空いていますよね)、深夜時間帯(北行は夕方ラッシュ時)に各1本増発されているものの、この当時のダイヤをベースにしています。

湘南新宿ライン上下並び

写真2. 現在に至るまで特別快速が設定されている

車両をE231系に統一

このダイヤ改正前に使用されていた車両は以下の通りです。

・211系(グリーン車なし)
・E231系(グリーン車なし)
・215系(グリーン車連結)
・E217系(グリーン車連結)

なお、湘南新宿ライン運転開始時点では115系も運転されていましたが、2004年時点では運用されていません。
2ドア~4ドアまで入り乱れており、グリーン車の有無も混じっており、サービス水準が統一されていませんでした。これを当時の最新型のE231系に統一するとともに、グリーン車を連結することにしました。ここではE231系そのものについての評価は置いておくことにしましょう(笑)。

2004年10月ダイヤ改正のまとめ

このときからSuicaグリーンサービスを導入したり、事前料金と車内料金を設定したり、と営業面でも大きな変化が見られました。普通定期券+グリーン券でグリーン車に乗車できるようになったのもこのダイヤ改正からでした。それまでは、グリーン定期券を購入するか、普通乗車券を購入しなければグリーン車に乗車できなかったのです。宇都宮・高崎線にグリーン車を定着させるには、グリーン車に乗車するための敷居を低くする必要があったのでしょう。この施策はそれなりに成功したのでしょう。後に常磐線にもグリーン車が連結されることになります。

以上の施策によって、現代までにつながる湘南新宿ラインの基礎が完成しました。次回は、湘南新宿ラインの考えを応用したある特急列車の物語を語ることにしましょう。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする