東武東上線(過去ダイヤ)

記事上部注釈
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東武東上線のダイヤを2001年からまとめます。

写真1. 2013年3月~2023年3月に君臨していた快速

補足

管理人の所蔵時刻表の関係により、2001年~2019年については定点(2001年7月、2007年4月、2008年7月、2010年8月、2013年4月、2015年~2023年は毎3月ダイヤ改正)の紹介とさせていただきます。

ダイヤパターンとは?

都市鉄道のパターンダイヤを簡単にまとめたものです。都市鉄道ではダイヤは繰り返し単位になっており、そのようになっているダイヤをパターンダイヤと称します。また、パターンダイヤの周期をサイクルと呼びます。本記事はダイヤの繰り返しの単位とその内訳から、その路線のダイヤの骨格を理解することを目的としています。

例えば、20分に急行1本と各駅停車2本ならば、「20分サイクルのパターンダイヤでその内訳は急行1本と各駅停車2本」と表現できます。原則をつかむために、基本的には朝ラッシュ上り、日中時間帯、夕方ラッシュ下りについて述べます。

なお、厳密には大きいサイクルで論じるべき部分もありますが、厳密さを無視すると小さなサイクルで論じることができる場合もあります。この場合、小さなサイクルを疑似サイクルと称します。先の例だと、実は急行が1時間間隔で遠方に向かう場合、厳密には60分サイクルです。しかし、遠方に直通するか否かがあまり重要視されない場面だと、20分サイクルと考察することも可能です。このような場合、疑似20分サイクルと称するということです。

東武東上線の朝ラッシュ時のダイヤパターンの変遷

2001年7月時点では、9分サイクルで通勤急行1本、準急1本、普通2本でした。普通は基本的に成増始発か志木始発であり、それをカバーする格好で、川越市か森林公園始発の有楽町線直通が原則9分間隔で挿入されていました。成増から池袋へは中板橋のみで追い抜きが発生し、上板橋での追い抜きは原則としてありませんでした。

このパターンは2008年6月の副都心線開業によって微修正され、4.5分に1本の速達列車と普通の構成が5分に各1本に変更されるともに、上板橋での待避が解禁され、速達列車の成増から池袋の所要時間が従来の15分~16分から13分(一部12分)に短縮されました。和光市以北は有楽町線直通と副都心線直通が各10分間隔で運転されるように変更されました。ただし、地下鉄直通のかわりに東上線池袋に向かう普通が設定されるなどの変則的な時間帯もありました。

2013年3月ダイヤ改正では速達化がさらに深度化され、朝ラッシュ時にも急行が運転されました。速達列車は準急通勤急行急行が各15分間隔で運転され、川越市からは有楽町線直通と副都心線直通が各15分間隔で運転、志木からは普通池袋行きが15分に2本設定、成増から普通池袋行きが15分間隔で設定というダイヤでした。

首都圏の発展にともない、環状軸の武蔵野線の重要性が高まり、武蔵野線乗りかえ駅の朝霞台が重要になってきた事実があります。そのため、朝霞台通過の通勤急行が時代にそぐわない面があったのか、2016年3月ダイヤ改正では通勤急行準急に変更されました。当該の準急はふじみ野で急行を待ち合わせ、2013年3月ダイヤよりも1分程度急行がスピードアップしました。

2016年3月ダイヤ改正では朝にも上りTJライナーが設定されました。

2019年3月ダイヤ改正で川越特急が設定されました。池袋-川越で快速急行の停車する和光市と志木を通過する一方、快速急行の通過する朝霞台に停車するパターンです。朝ラッシュ時上りには運転されませんでした。

2021年3月ダイヤ改正では朝ラッシュ時のTJライナーが合計2本から合計4本(ピーク前に2本、ピーク後に2本)に増やされ、一部の急行が削減されました。

2023年3月ダイヤ改正では快速急行の停車駅変更(停車駅を志木から朝霞台に振り替えるとともに川越以北各駅に停車)、急行の朝霞停車、準急の上板橋停車、そして快速の廃止と停車駅が2013年以来の再編でした。

朝ラッシュ時も従来のパターンが変更され、11分サイクルに急行1本、準急1本、普通2本に変更されました。このダイヤはある意味革命的で、(池袋到着断面で)従来の速達列車と各駅停車の交互運転から速達列車が2本連続、普通の2本連続に変わりました。これがある意味たくみなのは、上板橋で2本の速達列車を待つ普通準急に乗りかえられ、上板橋以北から池袋に向かう乗客は2本待ちの実質的な弊害がないことです。これにより急行の所要時間は維持され、朝霞停車のロスタイムは事実上ありません。

余談ですが、朝ラッシュ時下りに快速急行川越特急が設定されました(とりわけ快速急行は平日は池袋発の唯一です)。いずれもクロス車による運用で、停車駅の多い急行に充当できなかったための苦肉の策と見られます。

東武東上線の日中時間帯のダイヤパターンの変遷

2001年7月時点では基本的に15分サイクルで運転されており、急行準急が各1本、普通が成増折り返しと志木折り返しが各1本運転されており、和光市以北で有楽町線直通が15分間隔で挿入されていました。急行は和光市で有楽町線直通に接続、ふじみ野で準急を追い抜くというわかりやすいダイヤでした。ただし、川越市以北は急行のみとあり、急行への乗客集中という課題もありました。

実際は急行が小川町折り返しと森林公園折り返しの交互だったり、30分間隔で新線池袋-志木が挿入されている関係で30分サイクルでした。

2008年6月の副都心線開業にともない、平均7.5分間隔で速達列車と普通が池袋を発着することには変わりませんが、急行が毎時5本に増やされました。かわりに準急が減らされ、有楽町線直通と副都心線直通が各毎時2本となりました。このほかに従来の新線池袋-志木が副都心線直通に変更されました。志木-川越市で各駅にとまる電車が毎時8本から毎時7本に減らされ、この間は最大13分間隔でした。

急行への乗客集中が解消するように意図されたダイヤ(ふじみ野での急行準急の緩急結合も放棄された)ですが、ランダム感があり利用しにくい面もあったのも事実です。

なお、2011年3月ダイヤ改正後は急行の12分間隔、準急の20分間隔(上りはややずれる)という斬新なダイヤでした。また、志木発着の副都心線直通が川越市まで延伸され、志木-川越市は毎時8本に復帰しました。

2011年3月ダイヤはあまりにも斬新すぎたのか2年で放棄され、2013年3月には東横線直通に合わせ、パターンが刷新されました。川越市以南は急行停車駅で、川越市以北は快速急行停車駅(+若葉)の快速が設定されたのがこの改正の目玉です。基本的に30分サイクルのパターンダイヤで以下の構成でした。

  • 快速:1本(池袋-小川町)
  • 急行:2本(池袋-森林公園、ただし毎時1本は小川町発着、15分間隔)
  • 準急:1本(池袋-川越市)
  • 普通:4本(池袋-川越市1本、池袋-成増3本)

和光市から川越市まで有楽町線直通と副都心線直通が各30分間隔で設定され、和光市-川越市の急行通過駅の毎時8本は確保されました。一方、和光市-志木では減便されたのも事実です。

この減便ぶんは川越市以北の増発に充てられ、従来の毎時5本から毎時6本に増発されました。15分間隔の急行と30分間隔の快速という構成です。ただし、快速通過駅については毎時4本に減らされる面もあり、快速停車駅も15分待ちの場面があり、本数ほどの便利さを感じられなかった部分があります。

このダイヤは2016年に副都心線-東上線普通と東上線急行の組み合わせ(両者は和光市で接続)が副都心線直通急行と東上線準急の組み合わせに変更(副都心線直通急行は複々線区間は内側線を走る)されてもそのまま引き継がれました。また、準急が川越市から森林公園に延伸され、快速通過駅から快速に乗りつぐことが可能になりました。ただし、このダイヤは池袋発着の急行が30分間隔だったり、川越市以北は毎時8本ありながら最大15分間隔だったりと課題があったのも事実でした。

2019年3月ダイヤ改正で川越特急が設定されました。池袋-川越で快速急行の停車する和光市と志木を通過する一方、快速急行の通過する朝霞台に停車するパターンです。朝ラッシュ時上りには運転されませんでした。当初は池袋発10:00と11:00の2本(上りは夕方に設定)でした。

2023年3月ダイヤ改正では快速急行の停車駅変更(停車駅を志木から朝霞台に振り替えるとともに川越以北各駅に停車)、急行の朝霞停車、準急の上板橋停車、そして快速の廃止と停車駅が2013年以来の再編でした。

30分サイクルで以下の構成に再編されました。

  • 快速急行:1本(副都心線-森林公園)
  • 急行:2本(池袋-森林公園)
  • 準急:2本(池袋-川越市、半数は和光市で快速急行連絡)
  • 普通:4本(池袋-川越市1本、池袋-成増3本、ただし池袋-川越市は半数は志木折り返しでかわりに湘南台-川越市が入る)

このほかに有楽町線直通が30分間隔で入り、和光市-川越市の急行通過駅も毎時8回の乗車チャンスがあります。池袋断面では30分に4本の速達列車が設定される一方、川越市以北では毎時6本の速達列車が設定されます。池袋断面の平均7.5分間隔と川越市以北の平均10分間隔の調整を急行快速急行の所要時間差で調整するというある意味たくみの技を見せつけました。川越市以北は減便となっているものの、運転間隔は平準化され、逆に改善されています。また、ニーズの高い池袋発着急行も従来の30分間隔から30分に2本に増え、そのような意味でもそれなりのダイヤです。

ただし、相鉄直通電車を川越市まで走らせることにこだわるあまり、運転間隔がいびつになったり、急行が遅くなっています。東上線初の新幹線駅(新横浜)直結に気合が入るのはわかりますが、当該の普通を志木折り返しで池袋発着普通を川越市折り返しとするほうがスマートでした。

東武東上線の夕方ラッシュ時のダイヤパターンの変遷

2001年7月時点では12分サイクルに急行準急が各1本、普通が2本(成増行きと志木行きの交互)と単純な構成でした。また、和光市以北は有楽町線からの川越市行きが12分間隔で設定されるとともに、24分間隔で新線池袋からの志木行きが設定されました。

2008年6月に副都心線が開業し、東上線からも直通しました。夕方ラッシュ時は副都心線直通よりもTJライナーがメインの話題でした。従来の準急を毎時1本減便し、TJライナーに振り替えられました。18時台は以下の構成でした。

  • TJライナー:1本
  • 急行:5本
  • 準急:4本
  • 普通:8本(半数は成増行き、もう半数は志木行き)

夕方もランダム感があり、急行は最大18分待ちでした(その間に準急が入るのでふじみ野までの先着列車は最大12分)。このほかに和光市から有楽町線直通が4本、副都心線直通が2本入り、さらに副都心線から志木まで別途30分間隔で設定されました。

また、このダイヤ改正から快速急行が設定され、主にTJライナーの折り返しで設定されました。

2011年3月ダイヤ改正で夕方のTJライナーが30分間隔に増発されました。その後の2013年3月ダイヤ改正時点では、急行は12分間隔、準急は毎時4本設定でした。ただし、速達列車全体ではランダム感はぬぐえず、速達列車全体では3~12分間隔でした。2016年ダイヤ改正で12分のダイヤホールは11分に縮まる(急行が一部11分間隔と13分間隔になる)ものの、根本的には変更されていませんでした。

2023年3月ダイヤ改正では快速急行の停車駅変更(停車駅を志木から朝霞台に振り替えるとともに川越以北各駅に停車)、急行の朝霞停車、準急の上板橋停車、そして快速の廃止と停車駅が2013年以来の再編でした。

夕方ラッシュ時は急行の12分間隔は放棄され、準急と合わせた運転間隔維持をやや重視するようになりました。有楽町線直通や副都心線直通はややランダム感のあるダイヤです。

余談ですが、上りの快速急行は原則として川越特急に変更されました。快速急行のままでは車両を池袋に戻すのに時間がかかるということでしょうか。日中時間帯と同様に急行を10分間隔と20分間隔にずらし、その間に川越特急と普通を挿入したほうが急行の乗車率は均等になるとは思いますが…。

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池袋から埼玉県の北西部を結ぶ東武東上線。現在は地下鉄2路線と直通し、池袋発着と地下鉄直通のバランスに悩む路線でもあります。ダイヤパターンを解析し、その工夫を探りました。
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