東京モノレール(ダイヤパターン紹介)

記事上部注釈
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1960年代から羽田空港アクセスを担ってきた東京モノレール。近年は京浜急行やバスとの競合もあり、速達性も追求しています。一方で、沿線も発達してきていて沿線輸送も重要な役割です。羽田アクセスに必要な速達性と沿線輸送に必要な細かなフォロー。これら異なる2つの機能を両立するためのダイヤ上の工夫を探ってみました。

写真1. 天空橋の光景

ダイヤパターンとは?

都市鉄道のパターンダイヤを簡単にまとめたものです。都市鉄道ではダイヤは繰り返し単位になっており、そのようになっているダイヤをパターンダイヤと称します。また、パターンダイヤの周期をサイクルと呼びます。本記事はダイヤの繰り返しの単位とその内訳から、その路線のダイヤの骨格を理解することを目的としています。

例えば、20分に急行1本と各駅停車2本ならば、「20分サイクルのパターンダイヤでその内訳は急行1本と各駅停車2本」と表現できます。原則をつかむために、基本的には朝ラッシュ上り、日中時間帯、夕方ラッシュ下りについて述べます。

なお、厳密には大きいサイクルで論じるべき部分もありますが、厳密さを無視すると小さなサイクルで論じることができる場合もあります。この場合、小さなサイクルを疑似サイクルと称します。先の例だと、実は急行が1時間間隔で遠方に向かう場合、厳密には60分サイクルです。しかし、遠方に直通するか否かがあまり重要視されない場面だと、20分サイクルと考察することも可能です。このような場合、疑似20分サイクルと称するということです。

前提知識:東京モノレールの停車駅

以下の章でダイヤについて触れますが、停車駅に関する知識がないとわけがわかりません。そのため、停車駅を紹介します(図1)。

東京モノレールの停車駅

図1. 東京モノレールの停車駅(公式サイトの路線図より引用)

東京モノレールでは、空港快速区間快速普通が運転されています。空港快速はその名の通り、浜松町と羽田空港を結ぶのが目的の列車種別です。区間快速は浜松町と羽田空港以外の主要駅にもとまる種別です。天王洲アイルは羽田空港とお台場地区の連絡に重要な駅ですし(乗りかえが不便なのはまた別の話です)、大井競馬場前はまとまった乗客が見込める駅です。流通センターは物流の拠点(=多くの人が働く)への玄関口として役割を担っています。

逆にいうと、普通しかとまらない駅は特に利用の少ない駅ということもできます。これらがそれぞれの時間帯のダイヤでどのような役割を演じているのかは、以下の章で紹介いたします。

朝ラッシュ時の東京モノレールのダイヤパターン

基本的に浜松町断面で4分間隔で普通のみが運転されています。浜松町断面で7:00~9:08が該当します(浜松町発9:12は時刻表から推測するにきっちりとした4分00秒間隔ではなさそう)。

興味深いのは、浜松町に向かう普通の一部は流通センター始発があることです。これは、東京モノレールの輸送体系を考えれば納得できます。朝ラッシュ時の利用は、浜松町から沿線への通勤が主体であり、沿線の住宅街から浜松町への通勤が主体ではないのです。私が幼いころ(京急が羽田空港に延伸する前です)に朝に羽田空港に向かう電車に乗ったときに、通勤客で混んでいることに驚いたものです。

このような浜松町から羽田空港への流れに対応するために、昭和島の車庫から浜松町に出庫させています。出庫電車は昭和島のホームを通れませんので、次の流通センター始発なのです。

日中時間帯の東京モノレールのダイヤパターン

10分サイクルのパターンダイヤで、空港快速普通が交互に運転されています。上下ともに普通の4分後に空港快速が発車し、昭和島で普通を追い抜いています。空港快速は7駅通過しますが、昭和島は上下ともに4駅目(※)です。そのため、上下ともに対照の美しいダイヤなのです。

※速達列車が駅を通過するぶんの所要時間短縮度合いは、駅の数と駅の通過速度で決まります。そのため、所要時間差だけを考える場合は駅間距離はあまり考えなくて良いのです。

ダイヤ改正前は12分に3本の平均4分間隔で運転されていました。それが10分に2本の平均5分間隔に変わりました。

2023年度以降は訪日観光客も復活しているといいます。以前の区間快速を含めたダイヤでは複雑というのであれば、空港快速普通を各8分間隔の平均4分間隔にしてもらいたいものです。

夕方ラッシュ時の東京モノレールのダイヤパターン

羽田空港行きは速達列車が運転されるダイヤ、浜松町行きは普通のみのダイヤで、全部合わせて5分間隔(6分間隔や4分間隔など微妙にずれる場合がある)で運転されています。

羽田空港行きは約30分間隔で空港快速で、残りが普通(浜松町断面で17時台は空港快速が20分間隔)というシンプルなダイヤです。種別に関わらず、浜松町を5分間隔で発車します。空港快速は昭和島で前の普通を追い抜きます。

浜松町行きは普通がほぼ5分間隔で発車します。種別の割合こそ日中時間帯と異なりますが、総本数は日中時間帯と同じです。そのため、夕方ラッシュ時直前の出庫電車はありません。ただし、羽田空港発19時台以降は区間快速空港快速の運転もあります。

2023年度以降は訪日観光客も復活しているといいます。以前の区間快速を含めたダイヤでは複雑というのであれば、空港快速普通を各8分間隔の平均4分間隔にしてもらいたいものです。

京モノレールのダイヤパターンまとめ

写真2. 羽田の国際線のりばは世界とつながりを実感できる

時間帯ごとに速達列車の比率を変えて、その時間帯に最適なダイヤが模索されています。確かに、日中時間帯は航空機の発着が多く、速達列車のニーズが高いでしょう。一方でラッシュ時は航空機の利用が相対的に少なく、速達列車の割合は低いものとなっています。深夜時間帯にも速達列車が運転されていて、国際線の発着に対応するダイヤであることも読み取れます。

このように、国際都市東京を地道に支えるのが東京モノレールであり、これからもその役割を担っていくのでしょう。

東京モノレールの過去ダイヤへのリンク

東京モノレールの過去のダイヤパターンを簡単にまとめました。

東京モノレール(過去ダイヤ)

東京モノレールのダイヤを2001年からまとめます。
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